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「父の大納言は亡くなりて、母北の方なむいにしへの人のよしあるにて、親うち具し、さしあたりて世のおぼえ華やかなる御方々にもいたう劣らず、」
この現代語訳について教えてください。
「親うち具し」なのは「母北の方」ですか?「さしあたりて世のおぼえ華やかなる御方々」ですか?
とある問題に「御方々」を修飾している箇所は何処かというのがありました。あるHPでは母北の方が「親うち具し」ているのですが、その問題の答えは「親うち具し〜華やかなる」でした。
どちらが正しいか分からなくなってしまったので教えてください。

A 回答 (2件)

ここでは桐壺の更衣とその他の女御・更衣たちの比較をしています。



桐壺の更衣の父(大納言であった)は亡くなり、母親の「北の方」しかありません。(片親) それに対してその他の女御・更衣たちは「親うち具し、さしあたりて世のおぼえはなやかなる御方がた」(両親とも揃っていて、今現在の世間の評判が勢い盛んな方がた)であるわけです。

 桐壺の更衣の母(北の方)は、そういう人たちに引けをとらないよう、どのようなことの作法にも対応なさっていたのだが、(それにも限界が有り、)しっかりした後見人(バックアップしてくれる人)もこれといっていないので、特別なことがある場合には心細いのです。

 これだけの内容を、一気に言ったのでちょっと、分かりにくくなっていますね。
以下がこの部分の現代語です。

『父親の大納言は亡くなって、母親の北の方が古い家柄の人の教養ある人で、両親とも揃っていて、今現在の世間の評判が勢い盛んな方がたにもたいしてひけをとらず、どのようなことの作法にも対応なさっていたが、これといったしっかりとした後見人が特にいないので、改まったことの行われるときには、やはり頼りとする人がなく心細い様子である。』

 「母北の方が」は「(他のひとに引けをとらぬように)どのようなことの作法にも対応なさっていた」にかかっています。そのあいだに挟まっている「古い家柄の人の教養ある人で」は母北の方の説明であり、「両親とも揃っていて、今現在の世間の評判が勢い盛んな」は他の女御・更衣の修飾(説明)です。
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この回答へのお礼

ありがとう

丁寧なご説明本当にありがとうございました!助かりました( ;´Д`)!!

お礼日時:2016/03/08 18:09

ご質問の直接の答を書き忘れました。


>「親うち具し」なのは「母北の方」ですか?「さしあたりて世のおぼえ華やかなる御方々」ですか?

 後者です。

 この段落は、何が主題になっているのかというと、「母北の方」なのです。普通「主題」は「~は」の形で表されます。そう考えると「父の大納言は」が主題のようになってしまいます。しかし、『「父の大納言は」亡くなりて』だけで話は終わってしまいます。現代の文筆家なら、書き直したくなるところですが、この作者「紫式部」はそいうことにこだわらず、(残された)母北の方に「なむ」という係助詞を使うことで話を続けます。その方法で「母北の方」を主題化し、その母は「古い家柄の人の教養ある人で」あるので、(娘の桐壺の更衣のために)他の女御更衣にもたいしてひけをとらず、どのようなことの作法にも対応なさっていたが、これといったしっかりとした後見人が特にいないので、改まったことの行われるときには、やはり頼りとする人がなく心細い様子である。」と話を終えます。
 途中で使われた「母北の方なむ」の結びはどうなったかというと、「いにしへの人のよしある(人)なる」となるはずが「流れて」しまい、「て」で話がつながります。
 抜けていた「両親とも揃っていて、今現在の世間の評判が勢い盛んな」は「他の女御更衣」に掛かっています。
 ネットにある「現代語訳」全部で10箇所くらいありましたが、一つだけ変わっていたのが、「源氏物語現代語訳」で有名な「与謝野晶子訳」で、
 『父の大納言はもう故人であった。母の未亡人が生まれのよい見識のある女で、わが娘を現代に勢カのある派手な家の娘たちにひけをとらせないよき保護者たりえた。それでも大官の後援者を持たぬ更衣は、何かの場合にいつも心細い思いをするようだった』
 のように、途中で「母北の方」から「(桐壺の)更衣」に変わってしまいます。これはおそらく「与謝野晶子」の失点でしょう。
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