No.2ベストアンサー
- 回答日時:
>僕の仮説は~
1つの要因で正しい解釈です。
それが証拠に酢酸よりもクロロ酢酸のほうが酸性が強くなります。
ただそれだけの寄与ではなく、「共鳴」の影響もあります。
カルボキシ基が電離した陰イオンの構造は
―C(=O)―O^- という形をとりますが、これは原子の位置を変えることなく、電子の位置のみが代わることで
―C(―O^-)=O という構造になり得て、実際にはこの2つの中間的な構造であると考えられます。
つまり-1の電荷が1つの酸素原子に集中している(局在化している)のではなく、
電荷が2つの酸素原子に散らばっている(非局在化している)構造となっています。
この共鳴安定化の影響があり、カルボキシ基からH^+が抜けた構造がやや安定となるので酸性を示せます。
共鳴安定化は高校化学では言葉こそ出てきませんが、ベンゼン環の構造の説明で出てきますね。
なお、亜硫酸H2SO3より硫酸H2SO4の酸性度が強いことも同じ理由で説明がつきますし、
アルコールR-OHが酸性を示せないことも同じ理由で説明できます。
さらにフェノールPh-OHがごく弱い酸性を示すのも同じように説明でき、
「僕の仮説」を組み合わせるとぴくりんさんが強酸性であることも説明できます。
http://www.ph.nagasaki-u.ac.jp/lab/natpro/lectur …
http://www.nishino-labo.jp/pdf/enshu01_05.pdf
この回答へのお礼
お礼日時:2016/04/18 19:03
なるほど、R-側の塩素までもがCOOHの電子の量(密度?)に影響してしまうんですね、試しに調べてみたところCCl3COOHはかなり強い酸でした。やはり有機化学はこういうことを考えないと面白くないですね。新しい知識になりましたありがとうございます
No.4
- 回答日時:
正式にはカルボキシル基なのですが・・・
>OH基で電離してアルカリ性になりそうな気がするんですがなぜHと電離するんでしょうか
>高校の先生に聞いてもその方が安定するからとしか教えてくれません。
それじゃ答えになっていない(^^)言い換えたに過ぎない。
聞きたいのは「その方が安定する」理由なのですからね。
|
―C-O-H
|
と
―C-O-H
||
O
で、なぜ違うのか・
炭素に結合しているヒドロキシル基(ヒドロキシ基)の解離について
| |
―C-O-H ⇔ ―C-O⁻ + H⁺
| |
| |
―C-O-H ⇔ ―C⁺ + OH⁻
| |
―C-O-H ⇔ ―C-O⁻ + H⁺
|| ||
O O
―C-O-H ⇔ ―C⁺ + OH⁻
|| ||
O O
について考えると、
―C=O ⇔ ―C-O⁻
| ||
O⁻ O
が【水溶液中では】共鳴関係になって安定して存在できるというのが、解釈ですが、それが他の変換より抜きんでているのはなぜかとなると、量子論的な説明が必要になるでしょう。
アルコールの場合は、sp³混成軌道の炭素酸素結合ですが、=Oがついている炭素は、sp²混成軌道という、正三角形の上下に軌道があり、初めから炭素酸素間は共鳴関係にあって、水素原子は宙ぶらりん。そこに水などの極性溶媒が近づいている状態。
No.3
- 回答日時:
既に皆様の適切なお答えがありますので、まとめだけ。
1.解離(電離)後の陰イオンが安定であればあるだけ、酸は強い。既に硫酸のお話しが出ていますが、
SO4^2-は完全な正四面体で非常に対称性が高く量子論的に極度に安定、だから最初の解離は測定
不能で第二解離のpKa2しか知られていない。カルボン酸も解離すると二つの酸素が完全に等価に
なることが酸として強い理由です。
2.逆にHO^-が解離すれば安定になる物質もありますが、それは少なく、ほとんどが水からプロトン
を引き抜き、あるいは水との解離平衡がHO^-イオンを供給する事でアルカリになっています。
水が無ければ塩基です。既に出ましたが、アルコールもフェノールもHO^-を供給することは
無視されます。アルコールから酸素を外すにはいわゆる超強酸、目安は濃硫酸より強いことですが、
を用い強引に酸素上にプロトンを押し付け、C-OH2^+結合を解離させます。残りはーC^+
陽イオンで非常に活性な化学種になります。これとあなたが提案するーC^+=Oを比較しましょう
電気陰性度が巨大な酸素が二重結合で着いているので、分極は非常に不利でC-OH2^+より
むつかしく見えますが、実は異なります、酸素も窒素も、フッ素は無いが、硫黄も塩素も非共有電子対
を持って居り、こいつらが絡んできます、今回は-C≡O^+との共鳴状態になります。
酸素でなく窒素なら電気陰性度が幾分小さいのでこの様な共鳴の寄与は無視出来ませんが、
酸素の場合全く有利になりません。なお不利にもなりません、無視されるだけです、山があれば昇る
人以外だれだって山へ登る面倒は嫌なので、山は無視されるからです。
結局カルボン酸から水酸化物イオンを引きずり出すのは無理なのです。ですが、カルボン酸は塩基
ではないのかと言うととんでもないカルボン酸は立派な塩基なのです、カルボン酸にプロトンが付いた
ーC(-OH)2^+というイオンはかなり安定で、カルボン酸中の酸塩基反応はちゃんと存在します。
No.1
- 回答日時:
単純な電気陰性度(ポーリングによる)の比較ですが、
C=2.5 O=3.5 H=2.1です。
カルボキシル基は
-C-O-H
‖
O
ですよね。電気陰性度の高いO原子に電子が引き付けられて、Cはそれよりも電子の引きつけが弱いですが、Hよりかは強く引きつけています。
従って、やはりH+がイオンとなりカルボキシル基は酸として作用するのです。
そしてH+が乖離したあとCと2つのOはカルボキシラートアニオンという共鳴した安定状態になるのです。
カルボキシル基のCのもう一つの共有結合側はRなどとして表せますが、このRの電子の状態がCにも影響して、酸の強さに影響を及ぼします。
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C-O-Hの結合が酸性に関係するのであれば、アルコール類およびヒドロキシ基はどう説明するのでしょうか。
またC=Oの存在は関係しないのでしょうか?