No.3ベストアンサー
- 回答日時:
No.2です。
ダラダラ試算を書きましたが、「類似例」で示せばよかったのですね。
「水中」であることを無視すれば、50 km/h ≒ 14 m/s なので、「約10mの高さから自由落下させて、地面と衝突する」ときと同等です。
「クジラの頭に、10mの高さから落ちたときの衝撃」と言えばよさそうです。
「クジラの頭の弾力性」がよく分かりませんが、コンクリートの床のような硬さなら大怪我(うちどころが悪ければ死亡)、ソファやクッションのような衝撃吸収ができれば無傷もしくは軽傷でしょう。
陸上競技の棒高跳びでは、5m程度の高さから落ちて当然無傷です。
(計算式)
加速度:重力加速度 g=9.8 (m/s²) (1)
t 秒後の速度:V = g*t (m/s)(t=0 での初速度をゼロとする) (2)
t 秒後の落下距離:y = (1/2)g*t² (m)(t=0 での初期位置をゼロとする) (3)
V = 14 (m/s) となる時刻は、(2)より
14 = 9.8 * t
より
t ≒ 1.43 (s)
この時間に落下する高さは、(3)より
y = (1/2) * 9.8 * (1.43)² ≒ 10 (m)
従って、高さ 10 m から自由落下させると、地面と 14 m/s = 50 km/h の速度で衝突する。
No.2
- 回答日時:
基本は「運動量保存の法則」です。
これで「衝突された後の運動」が求まります。「衝突された瞬間の衝撃力」は「力積」と呼ばれます。「衝突に要した時間」に依存します。
力積 = (加わる力) × (衝突に要した時間)
同じ重さのものを同じ高さから落下させれば、「重力」が同じなので同じ「力積」になります。
これが落下したものが床と衝突するときに、固い床なら小筒に要する時間が極めて短く、衝撃力は大きいです。(モノが割れる、人間なら骨折したり命がなかったりする)
クッションや衝撃を吸収するものなら、やんわりと落ちて衝撃力は小さいです。(棒高跳びの高さからでも安全に着地できる、卵も割れないなど)
つまり、「どのように衝突するか」によって、衝撃が大きく違うということです。
シロナガスクジラ(体長30m,体重190t,泳ぐ速度50km/h)で試算してみましょうか?
体長は関係ありません。質量 190 ton = 190 * 10^3 kg, 速度 50km/h で計算します。
静止している人間の体重を 60 kg とすると、衝突後のクジラの速度を V1 km/h、人間の速度を V2 km/h として、運動量保存の法則から、
190 * 10^3 (kg) × 50 (km/h) = 190 * 10^3 (kg) × V1 (km/h) + 60 (kg) × V2 (km/h)
より
V2 = 3.17 * 10^3 * ( 50 - V1 ) (1)
です。
一番厳しい条件で、「完全弾性衝突」(ぶつかったものが、同じ相対速度ではね返される)とすると、
50 (km/h) = V2 - V1
なので
V1 = V2 - 50
を(1)に代入して
V2 ≒ 99.97 (km/h)
となります。
V1 ≒ 49.97 (km/h)
ですから、体重の大きいクジラはほぼ同じ速度で(ほんのちょっと遅くなる)、その分人間はほぼクジラの2倍の速度で吹っ飛ばされることになります。
ただ、現実にこんな「完全弾性衝突」をしたら人間の体はぺちゃんこになるでしょう。
実際には、人間はクジラの頭部にめり込んで、クジラと一体になって同じ速さで動くことになるのでしょうね。「水の抵抗」というものもありますし。(水の抵抗は、高校物理までの範囲ではほとんど計算できません)
この場合には
V1 = V2
になるので
V1 = V2 ≒ 49.98 (km/h)
になります。
どちらの試算でもわかるように、重量差が大きいので、「地球と人間」みたいに、「人間が地球に近づいて(つまり時速50 km/h で落下して)、地球にぶつかる」のとほとんど同じと考えてよいです。ボールのように跳ね返る(これが「完全弾性衝突」)ことはなく、地面に「べちゃり」だと思うので、上記の後者の議論と同じ状況です。
次に、人間に働く衝撃力は、人間に働く「力積」から求めます。「力積」は「運動量の変化に等しい」ということです。その場合の運動量は「秒速」で表わすのが一般的なので、
人間の力積 = FΔt = 60 (kg) * ( v1 - 0 ) (m/h) = 60*v1
上記の V1 = 49.98 km/h だと v1 ≒ 13.88 (m/s) なので
F*Δt = 60 * 13.88 ≒ 833 (kg・m/s)
衝突がほぼ瞬時の 0.1秒 だったとすると(Δt = 0.1 s)、
F = 833 (kg・m/s) / 0.1 (s) = 8330 (kg・m/s²) = 8330 (N)
ということで、「8330 ニュートン」の力がかかります。
60 kg にかかる重力が
60 (kg) * 9.8 (m/s²) = 588 (kg・m/s²) = 588 (N)
なので、重力の何倍かという「G」で表わすと
F = 8330 (N) → 8330/588 ≒ 14.2 G
ということになります。これでは人間はもたないか重症でしょうね。
もし、クジラの頭部が柔らかくて、この衝突による人間の速度変化に 2 秒かかったとすれば(Δt = 2 s)、衝撃力は
F = 833 (kg・m/s) / 2 (s) = 416.5 (kg・m/s²) = 416.5 (N) → 277/588 ≒ 0.71 G
これなら生きていられるでしょうね。
以上の説明で、お分かりでしょうか?
ただし、衝突時の水圧によるダメージは無視しています。
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