「ファインマン電磁気学」で、
磁場が運動電荷の相対論効果であることを説明して、
電線中の電子は秒速~0.01㎝で、相対論補正(v^2/c^2=~10^-25)は無視できるように見えるが、そうでなく、電線では「普通の電気力」が「完全に打ち消しあって消滅」しているので、「磁場と呼ぶ補正だけが残る」とありますが、理解できません。
吉田 武「呼鈴の科学」では、ここを「フィッツジェラルド短縮のために電荷密度が上がる」云々としているのですが、それもまた理解できません。
「普通の電気力が消滅する」ということと電荷が動く(電荷密度が上がる?)こととはどういう関係があるのか、また電流・電圧・電荷の具体的数値を例示して、相対論補正が実測通りの磁場方向・強度になることを説明していただけませんでしょうか。
A 回答 (12件中1~10件)
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No.12
- 回答日時:
>このような、「磁場は運動電荷の相対論補正」という説明は、「磁力?磁気(モーメント)?磁場?の根本はスピンである」という説明とはどう関係しますか?
文脈が分かりませんが、後者は古典統計力学では磁石の存在が説明できない(量子論が必要)という事が念頭にある話ではないかと思います。前者は相対論で出てくる話ですから直接的な関係はないのではないかな。
>スピンは座標変換によって現れたり消えたりしませんね?
スピンは電子の内部自由度ですから、座標変換でこの自由度が消える事はありません。
>また、電子にスピンがあるということは、導線中の自由電子は「慣性運動?」する「静止粒子系?」にはなりえない、ということにならないでしょうか。
ご質問の意味がよく分かりませんでした。
No.11
- 回答日時:
いいかげん別の質問たてましょう。
討議サイトじゃありません。最低限のルールは守って。最初の疑問に絞ってやり取りし、追加の興味は別質問。そうしないとあとからやり取りが追えないので。No.10
- 回答日時:
(1)
#6さんも同様の事を書かれているのですが、
そもそも実験室系でも粒子系でも試験電荷は導線から離れる方向の力を受ける事が前提になっています。
その力を実現するには、磁場は渦を巻く向きになっている必要があり、電場は放射状になっている必要があるのです。
(2)
>「電子たちは動くが核は止まっているので電荷密度が変わる」という説明
そのような説明は誰もしていないはずです。
電荷密度が変わるのは実験室系から自由電子の静止系に移った時の話です。ローレンツ収縮に起因して電子の電荷密度は小さく、原子核の電荷密度は大きくなるんです。
>ガリレオの相対性でも同じであるような気がするのですが。
ニュートン力学で考えると、ローレンツ収縮は起こりませんから電子の静止系に移っても電荷密度は一切変わりません。そのため、磁場はないという結論になります。
>導線系ではv/cは0に限りなく近いですから
#8に書くか迷って結局書かなかったのですが、
「v/cが小さいから磁場は小さい」というのは、#8に使った記号を使うと
B_e(から受けるローレンツ力)は、E_e (から受けるクーロン力)に比べて小さいというものでしかありません。(実際、比を計算するとv^2/c^2くらいになるはずです)
現実的な値を使って具体的な値を計算されてみるとよいと思いますが、とても巨大な値になります。通常は遮蔽によって体感できないだけです。
ローレンツ力は確かにそのような巨大な力よりもとても小さいのですが、それだけを理由に無視していいとは言うのには無理がありますよね。
>「磁場は運動電荷の相対論効果」というのは、アインシュタインの相対性に限られますか?
そもそも、相対論効果とは、ニュートン力学では現れず相対論で初めて現れる効果というような意味ですから、磁場は相対論効果という主張する時点でニュートン力学では磁場は登場しない事も言っています。
実際、ニュートン力学で考えればローレンツ収縮がないわけで、これがなくなったら実験室系で磁場が存在する根拠が失われてしまいますよね。
No.9
- 回答日時:
遅くなりすいません。
#8の回答(の前半)はご質問にあったファインマン物理学の記述についてコメントしたもので、磁場が相対論の効果である事の説明というよりは、磁場が相対論の効果である事は前提とした上での議論とお考えになるのが良いかと思います。
No.8
- 回答日時:
導線というのは、正の電荷を持つ原子核と負の電荷を持つ自由電子から構成されます。
(便宜上、金属原子から自由電子を取ったものを原子核と書いています)従って直線電流が作る電磁場というのは、
原子核たちが作る電磁場
電子たちが作る電磁場
この2つの重ね合わせになります。
原子核は実験室系から見ると静止していますので、原子核が作る電磁場は単に、直線電荷が作る電場のみを考えればよく、
E_n=ρ/2πε0r
という大きさの放射状のものになります。
一方、自由電子はある速度vで運動しています。
実験室系での電荷密度はvに依存せず、原子核の電荷密度と大きさが同じで異符号になりますので、
電子が作る電場は
E_e=-ρ/2πε0r
となります。
電子が作る磁場B_eは速度に依存するので、磁場が丸ごと相対論補正という事になります。具体的な値はアンペールの法則などから求めれば
B_e=μ0I/2πr
という大きさの渦を巻くものになる事がわかります。
電子と原子核が作る電場(E_eとE_n)という「普通の電気力」は、大きさが同じで逆向きなので重ね合わせると「完全に打ち消しあって消滅」するのですね。
その結果として、B_eという「磁場と呼ぶ補正だけが残る」事になります。
電気力が打ち消す事そのものは、ニュートン力学で考えても同じなので、フィッツジェラルド収縮のような相対論の話とは関係ありません。
相対論の出番になるのは、磁場というお釣りの項を考えた時です。
電場と磁場をローレンツ変換すると具体的にどう変わるかという事をしきりに聞かれているようですが、「磁場が相対論補正である」事を納得したいというのが出発点なのではないかと思うのですが如何でしょうか。もしそうであれば、相対論での具体的な計算方法よりも
・ニュートン力学で考えている間は磁場はなくてよい事
・相対論で考えると磁場を考えないと整合性がとれなくなること
この二点を納得する事が必要だろうと思います。
No.7
- 回答日時:
>相対論補正(電荷密度の増加)からは、放射状の電場が
>渦巻き型の磁場に(見え方が??)変わることはどう説明されますか?
どうどうめぐりですね。古典的な電磁気学と同等なんですが・・・
No.6
- 回答日時:
>「磁場とは向きが90度違いますが電荷に与える力は同じ大きさで同じ向き」
>というところがわかりません。向きが違っても
>「磁場」でしょうか。
電荷が止まっている時の放射状の電場と、電荷が動いている時の
円形の磁場は共に電荷に同じ力を与えるということです。
つまり、座標系によって電場は磁場に見え、磁場は電場に見える
ということ。
別の見方をすれば、磁場が運動すると電場が発生するということです。
ファラデーが見つけたのはこれですね(^^;
No.5
- 回答日時:
>「電子と同じ速度で等速運動する慣性系」に関しては、
>電子の相対速度による相対論補正は関係がなくなるのではないでしょうか?
ローレンツ短縮による電荷密度の変化が磁場と同等の電場を生む出すことを
示したつもりですけど。
ここからわかるのは、座標系を変えると磁場は電場に見えるということです。
#動いている電荷の円形の磁場による力と、止まっている電荷の放射状の
#電場による力は同等。これは古典的な電磁気学と同じ結論。
>この問題は、相対論補正からビオ・サバールの法則の結果が導けるか、
>というような問題ではないかと思うのですが.....
平行電流に関してビオサバールと同じ結論を導いたつもりですが
これではご不満ですか? 平行電流を例に使ったのは対象的なので
ガウスの定理が簡単に使えて計算が楽だからです。
電流素片に関して全く同じ議論で電荷に加わる力(電場)を計算すれば、
そこから磁場、つまりビオサバールの法則を導くことができます。
No.4
- 回答日時:
補足ありがとうございます。
相対性理論(フィッツジェラルド・ローレンツ収縮)の補正による計算の磁場は実験値と一致します。
ですから、電磁気学の結果は、それに合うようになっています。
元々、相対性理論が無くても、フィッツジェラルド・ローレンツ収縮を考えないと、つじつまが合わなかったわけです。
相対性理論は、それを時空の変換として説明したと言う事ですよ。
電子と同じ速度で等速運動する慣性系では、陽子が逆方向に運動して見えるはずです。
つまり、陽子の電荷密度がフィッツジェラルド・ローレンツ収縮により変化します。
No.3
- 回答日時:
>1V‐1Aとかいうような簡単な例で結構ですので教えてください。
例えば電子/陽子の電荷密度ρの導線に電流Iが流れるとすると、電子の速度は
vρ = I だから v = I/ρ
電子と同じ速度で等速運動する慣性系では、ローレンツ変換によって、
陽子の電荷密度は γ倍に増え、電子電荷密度はγ分の1になりますが。
γ=1/√(1-(v/c)^2)≒1+(1/2)(v/c)^2
1/γ=√(1-(v/c)^2)≒1-(1/2)(v/c)^2
従って、電子と同じ速度で等速運動する慣性系では、陽子と電子の
電荷密度の差≒ρ・(1/2)(v/c)^2・2=ρ{I/(ρc)}^2=I^2/(ρc^2)
#つまり導線はプラスに帯電して見える。
従って 電子と同じ速度で等速運動する慣性系では、
導線の周囲の電界はガウスの法則から、c^2=1/(ε0μ0) を使うと
E = {1/(2πrε0)}・I^2/(ρc^2)={1/(2πr)}・I^2/(ρ)・μ0
この電界は、同線と平行して v で進む電荷に与える磁場と
一致します(磁場とは向きが90度違いますが電荷に与える力は
同じ大きさで同じ向きという意味で)。
例えば 導線と同じ密度の電荷が同じ速度で導線と平行に
流れているとすると、両者に働く力は単位長さ当たり
F={1/(2πr)}・I^2/(ρ)・μ0・ρ=μ0・{1/(2πr)}・I^2
これは古典的な電流の定義と一致します。
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「電子と同じ速度で等速運動する慣性系」に関しては、電子の相対速度による相対論補正は関係がなくなるのではないでしょうか?この問題は、相対論補正からビオ・サバールの法則の結果が導けるか、というような問題ではないかと思うのですが..... 生物系ですので、トンチンカンな質問なら申し訳ありません。
ありがとうございます。
あと、「磁場とは向きが90度違いますが電荷に与える力は同じ大きさで同じ向き」というところが
わかりません。向きが違っても「磁場」でしょうか。
ありがとうございます。
相対論補正(電荷密度の増加)からは、放射状の電場が渦巻き型の磁場に(見え方が??)変わることはどう説明されますか?
質問の仕方が悪かったかもしれません。まず、前提ですが、「運動電荷の相対論補正としての磁場」という話は:
実験室系に対するある電線電流の周りの(渦巻き型の)「磁場」は、その電流に対する静止粒子系に対しては(静電荷による放射状の)「電場」になる、
ということと理解しているのですが、それでよいのでしょうか。これが間違っていると話になりませんので。
丁寧な御説明ありがとうございます。
この御説明は、「運動電荷の相対論補正としての磁場」についての、「運動電荷と等速で移動している系にとっては運動電荷は静止電荷になるのだから、磁場と電場は座標変換で相互に変わる同じものだ」とか「ローレンツ力はクーロン力の相対論的な表れだ」という説明とは同じでしょうか、違うのでしょうか。
お忙しいところをおつきあいいただき、有難うございます。もう少しご教示いただければ幸いです。
「磁場と電場は座標変換で相互に変わる同じものだ」と「ローレンツ力はクーロン力の相対論的な表れだ」という説明を正しいとしておられると思うのですが、疑問(感想)と質問があります。
(1)実験室系で渦巻き状に観測されるのと同じ力の空間が、粒子系では放射状に観測される、というのがどうにも納得できないのですが。これは単に偏見でしょうか。
(2)「電子たちは動くが核は止まっているので電荷密度が変わる」という説明は、ガリレオの相対性でも同じであるような気がするのですが。導線系ではv/cは0に限りなく近いですから。「磁場は運動電荷の相対論効果」というのは、アインシュタインの相対性に限られますか?
毎回ご回答ありがとうございます。(2)はうっかりしていました。その通りでした。
(1)は、いまだ直感的には分かりませんが、「ローレンツ力とクーロン力は同じものの別のあらわれ」・「実験室系で磁場とみえるものが静止粒子系では電場になる」・「磁場は座標変換で電場に変わる」という言い方は正しい、と言われていると理解します。
このような、「磁場は運動電荷の相対論補正」という説明は、「磁力?磁気(モーメント)?磁場?の根本はスピンである」という説明とはどう関係しますか?スピンは座標変換によって現れたり消えたりしませんね?また、電子にスピンがあるということは、導線中の自由電子は「慣性運動?」する「静止粒子系?」にはなりえない、ということにならないでしょうか。
失礼しました。新しい質問を立てますので、またよろしくお願いします。