プロが教える店舗&オフィスのセキュリティ対策術

商法の条文のなかに「賠償スル責ヲマヌガルルコトヲ得ス」という表現があります。古風なカタカナ文語体であることはさておいて、これを「賠償スル責ヲ有ス」と簡潔に表現しなかったのは何故でしょうか? 「賠償スル責ヲマヌガルルコトヲ得ス」という表現が含む内容は「賠償スル責ヲ有ス」とは完全には一致しないのでしょうか。言い換えると、「賠償スル責ヲマヌガルルコトヲ得ス」を「賠償の責任を負う」と訳してしまうと何か漏れが生じるのでしょうか。

A 回答 (4件)

3段階の論理構造の3段目であることを示している。

たとえば

第560条
1 運送取扱人は,荷物をダメにしたら,損害賠償責任がある。
2 1の場合であっても,運送に関し注意を怠らなかったなら,賠償の責を免れる。
3 2の場合であっても,注意を怠らなかったことを証明できなかったなら,賠償スル責ヲ免ルルコトヲ得ス。

第590条
1 鉄道会社は,事故を起こして乗客に怪我をさせたら,損害賠償責任がある。
2 1の場合であっても,運送に関し注意を怠らなかったなら,賠償の責を免れる。
3 2の場合であっても,注意を怠らなかったことを証明できなかったなら,賠償スル責ヲ免ルルコトヲ得ス。

第594条
1 旅館の主人は,客から預かった荷物をなくしてしまったら,損害賠償責任がある。
2 1の場合であっても,不可抗力の場合には,賠償の責を免れる。
3 2の場合であっても,不可抗力であったことを証明できなかったなら,賠償スル責ヲ免ルルコトヲ得ス。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。

お礼日時:2016/10/23 11:32

>「賠償スル責ヲマヌガルルコトヲ得ス」を「賠償の責任を負う」と訳してしまうと何か漏れが生じるのでしょうか。



いいえ、同じことです。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。

お礼日時:2016/10/23 11:32

「賠償スル責ヲマヌガルルコトヲ得ス」が出てくるのは2箇所ですね。


第590条  旅客ノ運送人ハ自己又ハ其使用人カ運送ニ関シ注意ヲ怠ラサリシコトヲ証明スルニ非サレハ旅客カ運送ノ為メニ受ケタル損害ヲ賠償スル責ヲ免ルルコトヲ得ス
第690条  船舶所有者ハ船長其他ノ船員ガ其職務ヲ行フニ当タリ故意又ハ過失ニ因リテ他人ニ加ヘタル損害ヲ賠償スル責ニ任ズ
第739条  船舶所有者ハ特約ヲ為シタルトキト雖モ自己ノ過失、船員其他ノ使用人ノ悪意若クハ重大ナル過失又ハ船舶カ航海ニ堪ヘサルニ因リテ生シタル損害ヲ賠償スル責ヲ免ルルコトヲ得ス


法律では同じ事を二重規定しないのが基本です。
第590条では民法等よりも運送人の立証責任を重くしているのですからこのような表現になります。
第690条で賠償責任が有ることを定めています。第739条では特約があっても賠償責任を逃れることが出来ないことを定めています。第739条で「有る」とすれば同じ事を二重に規定することになります。
    • good
    • 3
この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。

お礼日時:2016/10/23 11:31

賠償義務があり免責にはしないが


「賠償自体は発生しない」こともあるからでは。
    • good
    • 1
この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。

お礼日時:2016/10/23 11:31

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!