宇多田ヒカルさんの「花束を君に」について、投稿させていただきます。
情報を求めてというよりは、ご意見をお聞きしたくての質問です。
この曲は、歌詞の内容はともかくとして、日本語の言語表現としての疑問があり、ドラマが放送されていたときは、毎朝聞かされるのが私には苦痛でなりませんでした。
「虹色」を筆頭とする絢香の曲と同様に、全体として意味不明な歌になっています。思いついたフレーズを脈絡なしにただ並べていくという方法で作られているのでしょう。
この曲は首をかしげたくなる表現が多く、また「涙色の花束」とか「君の笑顔が僕の太陽」とか呆れてしまうほど凡庸な比喩も気になるのですが、今回は冒頭の一節に話を絞ることにします。
「普段からメイクしない君が薄化粧した朝」の「普段から」についてです。
「普段」という言葉は「いつもと同じようであること」「はじめからすこしも変わらないこと」を意味します。「通常・平常・平生」と言い換えることができます。
「から」の方について言うと、この単語は空間的にも時間的にも「動作の起点を示す」言葉です。辞書では「一連の動作の始まりを示す」と説明しています。
(以上、『日本国語大辞典』『広辞苑』を参照)
そうした本来の意味からすると、宇多田さんのこの歌詞には瑕疵があると言わざるをえない――というのが私の考えです。
例を示してみましょう。
「普段から話の長い校長が、今朝も延々と話した」
こういう使い方が妥当であり、耳にしたときに自然に聞こえます。
宇多田氏の曲では、歌われている「君」はその現在では「薄化粧」をしており、「メイクしない」普段とは異る状態にあります。「普段から」なら、今もメイクしていないことになりますし、薄化粧しているのなら、それは「普段とは違って」であって、「普段から」ではありません。
言葉の意味と歌詞の内容が食い違っているので、聞いたときに違和感があります。
「メイクしない」と「薄化粧」をつなげるような場合は、「普段から」ではなく「普段は」と言わなくてはいけません。
上の例文に適用するならば、
「普段は話の長い校長が、今朝はほんのひと言で話を終えた」
というような具合いになります。
宇多田氏のこの曲は「普段から~」ではなく
「普段はメイクしない君が薄化粧した朝」
と始まらなくてはならなかったはず――と私は考えます。
どうも宇多田さんは日本語の感覚に難があるのではないか、と思うのです。
みなさんはいかがお考えになるでしょうか。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
普段「は」の 一文字では曲に合わなかったのでは?
歌詞検索で見てみたが それ程の事では無い・・
むしろ童謡「雪」の方が違和感たっぷり・・・
♪猫はコタツで丸くなる♪って・・
俺も猫を飼ってるが 雪の積もってる時でも 外に遊びに行く・・
No.7
- 回答日時:
歌は世につれ、世は歌につれと申します。
人の好き、嫌いの中で、好きという感情を、理屈立って述べることはむつかしいと思いますが、嫌いな理由は、人はいくつも挙げてきます。
それゆえに、どんな音楽にも、究極的には、好きか嫌いかに集約されるのではないでしょうか。
議論になると、学生の頃は、私の友人の一人が、割り込んでこういうのです。
「え~と、それは価値観の違いだね。」と。
そんな言葉が思い起こされてしまいます。
私は、一応、『コールユーブンゲン』などで勉強したほうなんですね。私は、小学校・中学校・高等学校・大学と、何か音楽とは関わり合いはもってきましたが、自分の音楽的な視野は狭めないように、10代の頃から気をつけてきました。
『花束を君に』を聴き直してみて、この歌で心を動かされない人もいるのかな、と思うだけです。
音楽は、心で受け取るものだと思います。それが感性なんだと思います。
そして、宇多田ヒカルさんのこの曲は、アジア全体で高い評価を受けています。
でも、そんなことはどうでも良いことです。それを自分がどう受け止めたか、ということなんだろうと思うのです。嫌いなら嫌いと言えばよいのです。
それに、リテラシーを歌に追求したら、際限がなくなってしまうと思います。本当に歌にリテラシーなんていうものは、関係ないと思います。歌にはメッセージ性の強いものと、そうでないものがあります。海外の音楽でも、言語を理解できてよかったと思うこともありますが、仮に英語でさえも、意味が分からないもの多いものです。
残念ながら、私の知人にも宇多田ヒカルの嫌いな人がいますが、それはそれで、人の好き好きに戸は立てられませんし、嫌いなものにも、同様なんだろうと思います。ただ、私は、自分が良いと思ったもの、悪いと思ったものに、安易な妥協はしたくないだけなのです。
p.s.
お礼欄の、ドラマの内容の解釈については、私と違った解釈を反論に立てる必要なんて意味がない思います。
ネットの解説を引用し「化粧が死を意味している」。なるほどと思い、それは特筆に値すると思いました。主人公と花森氏の関係をあえて違った見方で指摘し、反論する意図が分かりません。「化粧をする」という言葉について、「死」をなぞらえているのであって、「性別」にポイントを置くべきではないでしょう。その程度の解釈すらも、意義を立てる必要はないでしょう。
しかし、宇多田ヒカルの歌が、嫌いなら、それでいいのではありませんか。
そんなことに咎め立てはしません。
でもね、現代人のリテラシーがどうのこうのという大義名分なんていりません。リテラシーとは文字が読める・読めないという能力のことです。殊、音楽に関しては、関係ないと思います。
それから、カテゴリ間違いは気をつけてくださいね。
以上です。
重ねての回答をありがとうございました。
好き嫌いは個人の心情の問題ですから、議論の対象にはなりにくいですね。今回の質問では、それについては私はまったく問題にしていません。
「普段から」という言葉の使い方が、日本語としておかしいのではないかと問いかけたのが私の質問でした。
ところが、前回も含めて、長々と書いていただいたにも関わらず、この質問に対する応答というものが一つもなかったのが残念でした。
なんの根拠を示すこともなく「なかなかの名曲」だと断定されていましたね。
ご自分が気に入れば、「名曲」だと思われるのでしょうか。
もしかしたら、売れていれば「名曲」だとお考えなのかもしれません。アジアでは云々とお書きでしたし――。
なるほど。
そういう価値観をお持ちの場合、youtubeでの再生回数なんかもいい指標になるでしょうね。
ピコ太郎の「PPAP」が、ユリア・ハマリが歌う「マタイ受難曲」第2部のアリアより100倍も名曲であることになってしまいますけど――。
>>でもね、現代人のリテラシーがどうのこうのという大義名分なんていりません。
>>リテラシーとは文字が読める・読めないという能力のことです。殊、音楽に関
>>しては、関係ないと思います。
「リテラシー」という言葉のそのような解釈は大昔のことです。
そんなご理解しかお持ちでないとしたら、「情報リテラシー」とか「メディアリテラシー」とかいう言葉が現に存在していることをどう説明なさるのでしょうか。
声楽に何らかの「関わり合い」をお持ちの方のようですが、声楽において「歌詞解釈」は極めて重要な面のひとつです。
音楽に関して「リテラシー」が「関係ない」という主張には、だいぶ無理があるように思えます。
>>お礼欄の、ドラマの内容の解釈については、私と違った解釈を反論に立てる必
>>要なんて意味がない思います。
あなたの見解が見当はずれだったから指摘させていただいたまでです。
ネット上の見当はずれの記事を鵜呑みにして、すぐそれに同調してしまうのでは、「情報リテラシー」について大いに疑義があることになります。
ネット情報は、基本的に玉石混淆です。
その的確な判断ができないことを「情報リテラシー」が低いといいます。
リテラシーについては、大いに注意なさることをお勧めします。
No.6
- 回答日時:
私の書き込みで、同意を得るのはむつかしいかもしれませんが、私自身も、これを書くにあたって知らなかった部分が分かりましたので、書かせていただきます。
変な解説が、その作品の持ち味を汚さないように気をつけたいと思います。さて、この歌は、『とと姉ちゃん』は、2016年4月からの半年間、放映されたNHKの朝ドラで流れた曲で、このドラマのために作られた曲だそうです。宇多田ヒカルの5年半ぶりの発表としても、話題になりました。
この話の主人公は、若くして父親をなくし、母親と妹二人を支えながら、昭和の時代生きた女性の話です。二度も結婚のチャンスがあっても、結局、家族や会社のために、独り身で生涯を送ります。『とと姉ちゃん』は、『暮しの手帖』の大橋鎭子さん姉妹と、伝説的な編集長・花森安治さんの話です。花森安治さんというのは、多彩で、戦前は政府系の広報活動をされていた方で、戦後、大橋さんと共に、出版活動を通して、時代の波を作った人です。
宇多田さんが、この歌を作る時点では、明確なドラマ自体は知らなかったとは思います。
ネットの解説をみとると、その相手は、花森安治さんのことを指すらしいのです。花森さんは、『暮しの手帖』の執筆中の倒れ、そのまま、別れることになって、その葬儀に際した内容である、と解説をされています。
ここのカテゴリに関連する内容を付け加えるなら、花森さんは、もし自分がいなくなっても、困った時には、君(大橋鎭子さん)の右肩に声をかけたら、答えを出してあげる、と言い残します。(私の記憶が確かなら)
ただ、この歌は、宇多田ヒカルさんは、母である藤圭子さんを、 2013年8月22日に自殺で失った後、葬儀のときの思いを、歌に込めていたそうです。
「愛おしい人 愛おしい人
どんな言葉並べても
真実にはならないから
今日は贈ろう 涙色の花束を君に」
そのように考えると、「普段からメイクしない君が薄化粧した朝」というのは、亡くなった方のことを指しているようです。
「普段からメイクしない人が、(今日は、その人との別れに際し)、薄化粧している」
「普段からメイクしない君が薄化粧した朝」、尽きせぬ言葉や思いを花束としてして贈ろう、
という内容です。日本語として通じているでしょうか。それは、一度しかないことです。
歌としては、
「普段からメイクしない君が薄化粧した朝」
「ふだんから~」と、次の言葉に注意を引くために「から」がついているわけですね。
曲としても、レミレソシ~ となっているのに、最初の出だしで、「ふだん[は~] を、2音に、文字1つを分解して[uwa] となってしまったら、その味わいが消えてしまいます。
http://bit.ly/2fn556J 楽譜と歌詞
http://bit.ly/2vcOvMn 歌詞
私は、なかなかの名曲だと思います。
ご回答くださり、ありがとうございます。
いろいろありますが、とりあえずひとつ書きます。
(以下敬称は略させていただきます)
花森安治については見当が違うと思います。
彼の死は物語の終盤に出てくる一つのエピソードに過ぎず、ストーリーを動かすモメントにはなっていません。
確かに物語に出てくる死に触発されてこそ作られた歌でしょうけど、それは花森ではなくて、主人公の父親の死ですね。
頑是ない少女が「とと姉ちゃん」になったのは、死の床での父親からの依頼があったからでした。それが物語の原点です。
ただ、歌自体としては、花森も父親も「君」ではありません。
「メイクしない」ことが、その人にとって特筆すべきことであるような人は、男性ではあり得ないからです。
花森安治にはスカートを履いていたという「伝説」がありますが、「普段から」化粧をしている男性は存在するかもしれません。しかし、メイクしないことがその人についての特徴であるような男性というのは、今の日本には存在しえないのですね。
私の言っていることがお分かりになるでしょうか。
No.4
- 回答日時:
言っている意味は分かるのですが、要点だけまとめて質問して欲しいと思います。
それになんでこのカテゴリなの??(汗)
質問者さんへの答えとしては、
おかしいというのは理解できるけど、その言語的な理由が違うでしょう。
言っていることで正しいんですけどね。気になります。
「から」を使うのなら、「まで」に当たるものが必要だろうし、
>普段から話の長い校長が、今朝も延々と話した
は直前の辞書の「から」の説明を読んで後だと不自然に聞こえる。
「普段」は起点を表すことができませんよ。継続的な意味があると思います。ある一時点を表すことができません。どんなときも、普段は、とするべきです。ここだと、普段も、かな。もっといい言い方なら、普段を当てることなく、いつもと言えばいい。
日本語って難しいですね。宇多田に限った事じゃなく。
ご回答ありがとうございます。
ちなみに、「普段から」という言葉は極く普通の日本語であり、様々な場面で使われています。それは、ほんのちょっとネット検索をしてみるだけで、分かる事実です。
私は、その言葉の使われ方の一つに疑問を呈しただけで、この言葉の存在を否定する意図はありません。
No.3
- 回答日時:
帰国子女だから正しい日本語について疑問があることもあるでしょう。
英語の表現を日本語に変えた感があるとか?
作詞者が伝えたいことって理解できる人とできない(したくない)人がいると思います。
僕はこの『花束を君に』は何も気にならない。というか興味がないので何とも思いませんが、
質問者さんは言葉の意味を大切にしたい(?)のか辞書から意味を引用して異議を唱えてます。
とても理屈っぽい人という印象です。(私の印象など聞いてません!的な反応しそうです)
僕なりに簡単に検索したらこんな意見があるところを発見しました。
http://firstofstar.hateblo.jp/entry/2016/12/25/% … あれ?長いな。。
宇多田さんの日本語に難がある? それはそうかも知れません。
でも、自分なりに理解して共感している人もいるので別にいいのかな?とも思います。
No.2
- 回答日時:
私の考えでは、音楽には曲があって、詩があって、リズムがあってそれを融合させたものであると思います。
小説ではないのでキッチリ筋が通ってなくてはならない、というものではないと思いますよ。
中には韻をふんだ歌詞があって、筋書きに何の脈絡もないものまであると思います。あくまで歌詞ですから小説ではないのですからね。聴いていて心地よければ良いのではないですか?それが気に入らなければ、聴かなければいいと思います。
因みに私は宇多田ヒカルが好きというわけではありません。
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いろいろご回答いただきありがとうございました。
歌の言葉に脈絡がなくてもいいというような考え方は、現在の日本にのみ特有のとても奇妙な考えではないかと思います。
何より、これまで名曲と言われてきた曲の多くに思いをはせれば、分かります。
歌は聞き流すもので、意味を云々するものではない、というような捉え方は、今回取り上げた曲のような、最近の日本に流通している歌の数々に慣れきってしまった故ではないかでしょうか。
もちろん、素敵な歌も沢山ありますが、歌を受け止めるリテラシーの劣化が危惧されてしまう現状だと思われます。