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図のようなダニエル電池で亜鉛板と銅板をそれぞれ異なる電解液に入れているのになぜ、亜鉛と銅のイオン化傾向を考慮するのですか?

「図のようなダニエル電池で亜鉛板と銅板をそ」の質問画像

A 回答 (5件)

それは難しそうで実は非常に簡単。

その理由は亜鉛板と銅板が導線でつながれているから、この際電球は無視して良い。
あなたは酸化還元滴定などの半反応を知っているでしょう。電気化学の場合それが「半電池」というものになります。実際は半反応と半電池は同じもので、半電池は「起電力」と同じだと思えば良い。半電池の還元電位は「標準電極」と比較すれば良いのです。水素電池が基本ですが使いにくいので飽和カロメル電池がよく使われます。そこで亜鉛側と銅側でその起電力を比較します。つまりこれが電位差で実際には電池の起電力はこの半電池の電位の差に等しくなります。イオン化傾向は定性的、半電池の電位が定量的で、両者は同じものです。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

お礼日時:2017/09/17 10:05

No1で回答したものです。


ここで、よく似ている『ボルタ電池』と『ダニエル電池』の大まかな違いについて説明したいと思います。

誕生順は『ボルタ電池』→『ダニエル電池』です。

ボルタ電池:H₂SO₄水溶液にZnとCuを浸し、導線で結ぶ。
ダニエル電池:素焼き板で区切って片方をZnSO₄もう片方をCuSO₄の水溶液にする。
       それぞれ対応するようにZnとCuを浸し、導線で結ぶ。

『ダニエル電池』は『ボルタ電池』の欠点を補うべく作られました。
ボルタ電池の欠点の一つは、極板が水素と反応するので、発生した水素(気泡)が付着して徐々に反応しにくくなるということです。
イオン化傾向(Zn>H>Cu)よりCuは酸に浸しても反応しませんが、Znは酸に浸すだけで反応します。
しかし導線でCuと繋がっている以上、直接反応せず、Cuに電子を奪われ、そこでH₂が発生します。(ボルタ電池の仕組み)

ダニエル電池はH₂が反応しないように、Cuが回収した電子を処理するのはH⁺ではなく水中のCu²⁺です。(Cuが析出します)
このとき、ZnSO₄とCuSO₄において前者の液はZn²⁺により、後者の液はSO₄²⁻によりそれぞれ電荷が偏ります。
そこで陰イオンのみを通す素焼き板を用います。(Zn²⁺やCu²⁺は通しません)(Cu極側のSO₄²⁻がZn極側に行きます)

これが放電するとCu極側のSO₄²⁻濃度が下がり、Zn極側のSO₄²⁻濃度が上がります。
つまり、より持続するダニエル電池を作るには事前にZnSO₄の濃度を薄くし、CuSO₄の濃度を濃くします。(よく問題で問われます)

ここで電極と極活性物質(実際の反応と関わりのあるもの)に注目します。
ボルタ電池:Zn板-Cu板、Zn-H⁺
ダニエル電池:Zn板-Cu板、Zn-Cu²⁺

つまり、電極は同じでも極活性物質が違うのでダニエル電池はその物質である金属イオンのイオン化傾向に注目しなければいけないのです。

長文ですが読んでいただければ幸いです。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

お礼日時:2017/09/17 10:05

ダニエル電池の基本となるのは、亜鉛を硫酸銅(II)水溶液に入れたときの反応です。


亜鉛は銅よりイオン化傾向が大きいので、亜鉛が亜鉛イオンとなるときに電子を放出し、それを銅(II)イオンが受け取って単体となって析出します。
 Zn + Cu^2+ → Zn^2+ + Cu
この反応で移動する電子をただ単に動かすのではもったいない、電流として取り出したのがダニエル電池です。

図のような装置を作り、亜鉛と銅を電線で繋がず置いておくと、
亜鉛電極板上では、亜鉛がどんどん亜鉛イオンになろうとして電子を放出したいのですが、
その電子を受け取ってくれる相手が亜鉛板付近にありません。
硫酸銅(II)水溶液中の銅(II)イオンは誰かから電子がもらえるなら電子をもらって単体になれるのですが、
その電子を与えてくれる相手が硫酸銅(II)水溶液中にありません。

亜鉛と銅を電線で繋ぐと、電子は電線を通って銅板上に向かって移動することができます。

すると、亜鉛板で亜鉛がイオンとなり、そのとき生じた電子が金属板・電線といった導体の内部を移動し*
銅板上で銅(II)イオンに電子が渡される反応が起きるようになります。
*電子の移動は、隊列の行進のように起きますので、
亜鉛板で発生した電子が一気に銅板にまで動くというのではなく、
亜鉛板で発生した電子はもともと金属の中にいた自由電子をじわりじわりと銅板上に追いやるように動いていきます。
そしてもともと銅板上にいた電子までも追いやられてしまい、銅(II)イオンへとさらに避難するような感じですね。

さて、この考えはボルタの電池も同じ。
亜鉛を硫酸水溶液中に入れたら、亜鉛がイオンになり、水素イオンが電子を受け取り単体になります。
 Zn + 2H^+ → Zn^2+ + H2
銅は水素よりイオン化傾向が大きいので銅を硫酸水溶液に入れても反応しません。
ですが、銅板は電気を通すことができます。
亜鉛板と銅板の両方を硫酸水溶液中に入れ、亜鉛板と銅板を電線で繋げば、
亜鉛で発生した電子が導体の電子を追いやって、銅板の電子も追いやられて水素イオンに渡されます。
そのため、亜鉛表面だけでなく、銅表面でも水素ガスが発生するようになります。

ボルタの電池の起電力は亜鉛と水素イオンの反応によって生じるので、亜鉛と銅(II)イオンの反応によって生じるダニエル電池の起電力とは異なります。
ですのでボルタの電池のように、亜鉛と銀の板を硫酸水溶液につっこんでも、ボルタの電池と同じく起電力は0.4Vほどを示します。
なお、亜鉛と水銀でボルタの電池のような構造にすると、今度は全く電気を取り出すことができません。
水銀表面では水素イオンが電子を受け取って水素ガスになる反応が抑制されてしまうためです。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

お礼日時:2017/09/17 10:05

真ん中の素焼き板は、ZnSO4とCuSO4水溶液の間で液の混合が起こら無いように工夫(でも少し混合します)していますが、


素焼き板を挟んでのイオンの移動は起こります。
亜鉛極側水溶液からはZn2+イオンが硫酸銅水溶液側へ、
銅極側水溶液からは(SO4)2-イオンが硫酸亜鉛水溶液側へ、
動していて電池の内部に当たる回路を作っています。

ボルタ電池では銅電極表面に水素が発生しましたが、
ダニエル電池では銅電極表面に銅が析出します。

半電池の起電力は過電圧等を考えなければ、ネルンストの式で決まっているので、
ボルタ電池もダニエル電池も銅と亜鉛の電極電位の差(つまりイオン化傾向の差)で等しいです。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

お礼日時:2017/09/17 10:05

溶液はおそらく酸性ですよね?


すると、イオン化傾向が Zn>H>Cu
なので亜鉛は溶けて Zn+ になります。
その時、亜鉛が放出した電子を処理するのはイオン化傾向がより低いCuとなります。
これは導線で繋がれているので、『電子の移動が自由』だから起こる反応です。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

お礼日時:2017/09/17 10:06

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