プロが教える店舗&オフィスのセキュリティ対策術

最初に私を出迎えたのはどうしようも無い曇天と夜鷹にしては大きい陰影と愛想の無い猫だった。
東北の日本海を見たかった訳でもなく社用のついでに足を延ばしただけでこれと言った目的も無かった。
何か案内でもないかと駅舎に戻りパンフ台横の地場産民芸品などを並べたガラス越しに異様な物を見つけた。
王冠の形のようなそれにしては粗末なそれにしては小さい円形塔状の木工品で古めかしいようなそれにしては最近まで使用してしたような工芸と言うには手の込んだもので私の既知の木材では無く杢目が異様に入り組んだ一体青樹の時どんな枝振りだったか想像も付かない何か幾何学を無視したような線形を持つ幹材を使用し黒々とした光沢を見せている。
不思議に被って見たいと言う衝動に駆られたがそれよりもっと大きな感情の動きがあった。
ここに着いてからずっと心の中で引っ掛かっていた、「私は一度ここに来ている」
だった。
初めて来たはずだ、こんな処仕事でも呼ばれないし旅行で来るはずも無いし見覚えのある風景も無いし見たことある建物も無いし知り合いも居るはずも無い。
なぜそう思ったのか、私は否定したかったが理解はあった、王冠が思い出させた。
私は私ではない。私は還るべきか、祖先の海に。

A 回答 (1件)

デジャブがどうしたって?

    • good
    • 0
この回答へのお礼

デジャブではありません。

(どうもありがとうございました)

お礼日時:2017/10/01 21:59

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!