話題の出来事のQ&Aをウォッチ(観察)しながら、コラム形式で皆様に紹介していくサイト

「松竹梅」はなぜこの順番なのか?なぜ梅は松や竹より格下なのか?

「松竹梅」はなぜこの順番なのか?なぜ梅は松や竹より格下なのか?前回、今が旬の梅の花、そして梅の実に関する驚き情報をまとめた「昔の花見は梅でしていた!今が旬の梅についてリサーチしてみた」という記事をリリースしたが、今回は等級で使われる「松竹梅」において、なぜ梅が上中下の下として称されるのか、その理由についてガーデンデザイナーの杉尾清志さんに教えて頂いた。

■「松竹梅」はなぜ松、竹、梅という順番なのか


「松は、1年中枯れずに緑の葉を付けている常緑樹です。また、1株に雄雌を有することから、日本では古くより神の宿る神聖な樹木として、不老不死の象徴とされてきました」(杉尾さん)

竹も、松と同じ常緑樹で、強い根を這わせて雪にも折れず、次々と新芽が芽吹く様子から子孫繁栄の象徴とされてきた。葉は薬草として、タケノコは食用、器や家具など様々に役立つことから、昔から人々の生活に重要な樹木だったと杉尾さん。

「梅は古木になっても、早春にどの花よりも、先に花を咲かせるので、長寿の象徴とされてきました。何よりあの独自の香りが尊ばれ大昔から大切にされてきた樹木です。現代でも実は梅干しの他、乾燥させて薬としても使われています」(杉尾さん)

諸説あるが、松も竹も梅も縁起の良さという意味は同等の言葉だったが、最初に平安時代に不老長寿を表す松が、門松として飾られはじめたそうだ。

「竹が室町時代に加わり、梅が江戸時代なので、松竹梅という順番になったのです」(杉尾さん)

■なぜ梅は松や竹より格下という意味になってしまったのか


松竹梅という順番になった理由はわかったが、なぜ梅は格下扱いになってしまったのだろう?

「諸説あるようですが、江戸時代の何時頃からか寿司屋や蕎麦屋で『特上、上、並』を『松、竹、梅』の等級としたようです。この序列が一般的な認識ではないでしょうか」(杉尾さん)

杉尾さんの情報では「松竹梅」の等級で値付けしている店舗が実際にあり、それがもとという説があるという。当時は、「松竹梅」事態に優劣がないのが庶民の認識の前提にあり、単なるコースの名称だったようだ。現代でも、「梅コースでお願いします」と言えば接待された人も、きっと嫌な気分にはならないはずだという。

「江戸時代でもやはり、その辺りの心情を考えて付けられた等級なのでしょう。『並をお願いします』より『梅をお願いします』のほうが華があるように聞こえます」(杉尾さん)

また、声に出すと「ショウチクバイ」が一番響きがしっくりくるので、韻の持つ雰囲気を重んじる日本人ならではの感性ではないかとも杉尾さんは考えているそうだ。響きだけではなく、江戸っ子のおしゃれな気遣いさえ感じると、さらに続けてくれた。

■メニューにはランクがあれど、お客様は皆同じという江戸っ子の気概


「当然、食材によりメニューにはランクが付けられます。ただし、お客様には序列を付けないという江戸っ子職人さんの気概を感じます。当時の粋な呼称として、蕎麦や寿司の地位を高めることにもなったのではないでしょうか」(杉尾さん)

「松竹梅」とは、そんな江戸っ子の「粋」なセンスから生まれた等級と考えると、外食のブランド価値を長年高めてきたともいえる言葉だ。現代でもカフェなどでカップサイズを「ショート」とか「グランデ」と注文するのは、単に「小」や「大」と呼ぶのとは違うと杉尾さんは分析する。

梅をはじめ、植物にまつわる言葉や文化などを掘り下げると実に奥深い。改めて日本人ならではの感性も認識することができた。

●専門家プロフィール:杉尾 清志
ジャルダン・ファヴォリ代表で、ガーデンデザイナー。土壌・日照・水はけ等の調査から始めるナチュラル・ガーデンを中心に、デザインから管理やメンテナンス、一般造園業務全般を提供している。

この記事についてどう思う?

BAD

NICE

みんなの反応

22

みんなの反応

75

教えて!goo 教えて!gooで質問する

人気記事ランキング

人気のコンテンツ

更新情報をチェック

カテゴリ