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病気だけど治療費や手術費がない。どうしたらいい?

病気になったけれど治療費や手術費がないアメリカは日本と違い、任意で健康保険に加入する国だ。したがって保険に入っていないと、病気になった時に医療費が払えないこともある。マイケル・ムーア監督の映画『シッコ』のワンシーンのように、病院が手術を終えた患者を路上に放置するようなことも実際に起こっているのだ。ところで、国民皆保険制度がある日本とはいえ、その保険をもってしても治療費を支払う余力がない場合はどうなってしまうのだろうか。現役診療放射線技師でありファイナンシャルプランナーでもある、内田茂樹さんに話を伺った。

■日本には、治療費のためにお金を借りられる制度がある


「保険などを使っても治療費の支払いが厳しいという人には、『生活福祉資金貸付制度』という日本の優れた社会保障制度が力を貸してくれます。これは低所得者世帯や障害者世帯、高齢者世帯に対して、無利子あるいは低金利での貸し付けを行ってくれる制度です。ガンなどの大病の場合にも適用されます。貸付限度額は療養期間で変わりますが、1年を超えない場合は170万円となっています」(内田さん)

これほどまでに優れた社会保障制度があるという事実を知り、日本という国の素晴らしさを改めて垣間見た。返済方法などは、地区ごとに存在する社会福祉協議会に問い合わせるとよいという。

しかし、この方法だけだとしたら不安ではないか。他にもないか、内田さんに聞いてみた。

■年金を担保にローンが組めることも


「特殊な方法ですが、年金担保ローンという手があります。本来、年金を担保にすることは法律で禁止されていますが、独立行政法人福祉医療機構のみ認められています。保健や医療以外にも、介護、福祉、住宅改修、冠婚葬祭、生活必需物品に必要な費用のため、一時的に小口の資金を借りることができます。具体的には10~200万円を用立てることができます」 (内田さん)

いざというときには、助けてくれる機関があるということで、ひとまずは安心だ。しかし、病院によっては、患者にお金がないことを理由に、診察をしてくれないところもあるのではないか。病院選びにコツはあるのか、さらに聞いた。

■無料低額診療事業を行う病院も


「生活困難者を対象に、無料低額診療事業を行う病院があります。こうした病院は社会福祉法と法人税法に基づき、生活困難者が経済的な理由によって必要な医療を受ける機会を制限されることがないよう、無料または低額料金で診療を行っています。このような活動の見返りとして、病院は固定資産税などを減免処置してもらうことができます。低所得者以外にも、要保護者、ホームレス、DV被害者、人身取引被害者などの生活困難者、不法滞在の外国人にも適用されます」(内田さん)

病院も一事業ということは百も承知だが、そんな中、生活困難者を救うシステムを作り上げている点は日本のすごいところといってよいだろう。こういった病院は比較的多く存在し、大きな病院でも同様の受け入れをしているところがあるそうだ。ここまで来ると救済されない人はいない気もするのだが……。

「それでも首が回らない場合は、最終手段として生活保護制度があります。対象者の資産や能力など、あらゆる手段を尽くしても最低限度の生活を送れないと判断されたときに、生活保護が認められます。生活保護が認められますと、自己負担金なく必要な医療が受けられます。不正受給の問題や受給者の増大によって、最近は申請が通らないことも多く、市区町村の福祉課で確認をとることをおすすめします」(内田さん)

内田さんによると、ここまでして助からない人は、理論上いないとのこと。

日本という国は保険もさることながら、社会保障制度の体制もきちんと整った国である。この国においては、病院から路上に放置されるようなことは起こらないと思ってよさそうだ。

「教えて!goo」では、「病気になって働けなくなった場合の備えを何かしていますか?」ということでみんなの意見を募集中だ。

●専門家プロフィール:内田 茂樹
がんと闘う人と家族のためのファイナンシャルプランナー。がん研有明病院 画像診断センター診療放射線技師。がん専門病院の放射線技師だからこそできる、現実的で専門性の高いアドバイスに定評がある。医療とお金をテーマにしたセミナーや取材の実績も豊富。

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