A 回答 (3件)
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No.1
- 回答日時:
●抗原提示細胞(マクロファージ)
抗原のカケラ(抗原決定基)を細胞膜上に提示し、ヘルパーT細胞に教えるのが仕事です。
いわば、人相書きを掲げて回る宣伝係の役目。
●ヘルパーT細胞
免疫における「記憶」の仕事を受け持つのがT細胞です。
つまり抗原の性質を覚え、その情報をB細胞に与えてやるのが主な役目ということです。
つまり免疫機制の機序として順番に並べると、
マクロファージ(ヘルパーT細胞に抗原の特徴を見せる)
↓
ヘルパーT細胞(抗原の特徴を覚え、B細胞に伝える)
↓
B細胞(ヘルパーT細胞から得た情報を元に、抗体を生産する)
ということになります。
No.2
- 回答日時:
どの程度のレベルで理解されようとしているのかは分かりませんが、大学の講義レベルで要約すると以下のようになります。
まず、抗原提示細胞によって取り込まれた抗原は、酵素の働きで分解され、その断片がMHCクラスII抗原と共に細胞膜表面に提示されます。
※MHC(Major histocompatibility complex)
MHCは、主要組織適合遺伝子複合体を意味し、これはクラスI抗原はHLA-A,B,C、クラスII抗原はHLA-DRの遺伝子によって支配されています。ほとんどのT細胞は遊離抗原を認識することはできませんが、このクラスII抗原が抗原提示細胞上に抗原と共に提示されることによって、T細胞は抗原とMHC抗原を同時に認識し、初めて抗原の認識が可能となります。
ここで、注意しなければいけないのは、上記のような抗原提示細胞はマクロファージに限らないということです。マクロファージは、上記の手順で抗原とMHCクラスII分子を共に細胞表面に提示することにより、MHCクラスの合致したヘルパーT細胞がそれらを認識し、下記に述べる手順で、同じくMHCクラスII分子の合致したB細胞の分化を刺激促進します。
ですが、B細胞も細胞膜に存在する膜結合型免疫グロブリン(mIg)に抗原が結合し、細胞内で分解して、抗原をMHCクラスII分子と共に提示します。ですが、これのみではB細胞の分化は起こらず、ヘルパーT細胞の作用が加わることが必要となります。
抗原を貪食したマクロファージは、細胞表面上にMHCクラスII抗原を提示する際に、インターロイキン1(IL1)を産生・分泌し、ヘルパーT細胞を活性化させます。ヘルパーT細胞はMHCクラスII分子の合致した(ヘルパーT細胞は、その細胞表面にMHCクラスII分子と処理抗原に対するレセプターを持つ)抗原提示細胞上の抗原を認識し、細胞性免疫の経路を活性化させるほか、同一の抗原を細胞表面にMHCクラスII分子と共に提示している活性化B細胞に結合し、インターロイキン2(IL2)、インターロイキン4(IL4)、インターロイキン5(IL5)を分泌して、B細胞の分化をさらに促進します(B細胞の膜表面にはこれらのインターロイキンに対するレセプターが存在します)。これらインターロイキンの作用により、活性化B細胞は分化・分裂のシグナルを受け、細胞周期を回転させる様々な作用(プロテインキナーゼC、cAMP等)により、分化し、抗体産生細胞(形質細胞)へと分化し、抗体を産生するようになります。
またT細胞由来のインターフェロン(IFNγ)もIL4やIL5と共にB細胞に作用することにより、B細胞を形質細胞に分化させることが可能となります。もちろんこれ以外にも補体成分C3等もB細胞表面上のC3レセプターに結合することによって、このレセプター自身がB細胞の成長因子として作用します。
どうにも複雑になってしまい、できることなら図示するのが一番なのですが、参考図書として、以下の著書を探してご覧になられるとよいかも知れません。
「最新医科学の焦点 免疫系の認識機構」- 垣生園子、市村義久 訳
(南江堂) 書籍コード ISBN4-524-21907-2 C3047
No.3
- 回答日時:
他の方との重複がありますが、簡単に説明したいと思います。
まず、抗原提示細胞とヘルパーT細胞、そしてB細胞についてそれぞれまとめてみたいと思います。
抗原提示細胞(antigen-presenting cell, APC)
非自己抗原、例えばカゼのウイルスなどが体の中に入ってくると、細胞に感染するものもいれば、マクロファージに食べられてしまう(貪食される)ものもいます。
このマクロファージは、食べたウイルスのかけら(抗原断片)をヘルパーT細胞に提示します。
この過程を抗原提示といいます。
抗原提示細胞にはマクロファージ以外に、樹上細胞やB細胞などもあります。
ヘルパーT細胞
抗原提示を受けたヘルパーT細胞は、抗原断片を非自己と認識します。そして、抗原をやっつけるために働きだします。
具体的には、サイトカインという化学物質を出します。このサイトカインはマクロファージやB細胞、キラーT細胞を刺激し、活性化したり増殖させたりします。
B細胞
B細胞には2つの大きな働きがあります。
1つは、上述の抗原提示細胞としてのはたらきです。
もう一つは、ヘルパーT細胞からサイトカインを受け取った後に起こる抗体産生機能です。
つまり、B細胞が抗体を産生するためには、ヘルパーT細胞からサイトカインが送られ、それによりB細胞が活性化される必要があります。
また、ヘルパーT細胞においてサイトカインが産生されるためには、抗原提示細胞によってその抗原の情報が伝えられることが必要なのです。
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