この宇宙の森羅万象を記述するために必要な単位系は、特に自然単位系と呼ばれ、互いに独立した五つの物理定数を選択する事で、一つの単位系を構成することが可能という事を学びました。
ここで、「五つ」の意味する事は何か、考えてみました。
問1:万学の祖、アリストテレスの時代から発展し続けて、五つの物理量で自然単位系を構成することができるようになったのは、いつ頃のことか、誰の貢献があってのことでしょうか?
問2:将来、物理学が発展してゆくと、五つが四つへ、三つへと減少して行くと期待できるのでしょうか?
問3:最終的に一つの物理定数から単位系を定義・導出可能になると、あなたは考えますか?
以上、どれか一つでも、ご回答頂けましたら幸いです。
どうぞよろしくお願いします。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
>この宇宙の森羅万象を記述するために必要な単位系は、特に自然単位系と呼ばれ、、、
物理学者に有りがちな唯我独尊の世界観に陥らないために、果たして本当に自然単位系(プランク単位系ともいう)でこの宇宙の森羅万象が記述できるのかのツッコミを入れてみましょう。この単位系ではプランク定数(あるいはそれを2πで割ったもの)を1としています。数学では、ある有限な値を持つ数がある場合、その有限の数を単位として選んで、その有限の数の何倍かで他の数の大きを表現することができます。ところが、ある量が有限でない場合、すなわち、無限大か無限小の場合は単位として選べません。
例えばこの宇宙にある粒子の総数は有限なのか無限個あるのか、その違いによって、数学の構造は本質的に違ってきます。例えば、粒子の数が有限なら、数学的表現が級数で与えられますが、無限大なら、その級数は積分に移行します。そして、その違いにこだわりるのが、まさに数学者の数学者たる所以だとも言えます。
ところが、物理学者はその数学的な詳細よりも、それによって得られる現象に興味がある。その場合、物理学者は
「この宇宙の粒子の数が十分に大きい場合、それが有限であっても、無限であっても、我々が検証できる現象の性質は大して違わないであろう」
との楽観的な見込みでこの世界を分析して行きます。もちろん、物理学者は数学を知っていますから、有限か、無限大かで、ある計算結果が厳密な意味で違っていることは百も承知しています。でも、その有限な数が我々が取り扱っている大きさと比べて十分に大きいならば、それを無限大そしても、その違いは観測にかかるほどの大きさにはならずに無視できるはずだと思っている。逆に、万が一、関数の性質の特異性によって、それが有限であるか無限大であるかの違いが、目の前で起こっている現象に有意義に違いをもたらすことが見つかってしまったら、物理学者は大発見だと大喜びします。その可能性は否定できませんが、しかし、物理学者はそんな大発見がそこらにいくらでも転がっており、そんなに簡単にノーベル賞を貰えるとは思っておりません。
だから、例えば上の例では、物理学者は級数で与えられたものも平気で、積分に置き換えて計算したりします。なぜなら、積分計算では複素平面への解析接続などの生産的で強力な手法が使えるので、それを許さない級数よりも桁違いに計算が易しくなるからです。そして、厳密には級数の結果と積分の結果が違っていることを承知の上で、積分結果でこの宇宙のあり方を分析したりしています。そして、圧倒的に多数な状況で、その分析で有意義な結果が得られています。
ところで、上記プランク定数のは「作用変数」の物理的次元を持っていますが、その大きさは、我々の大きさで日常に観測されている作用変数の大きさと比べて、とてつもなく小さな大きさです。だから、我々の大きさから見ると、プランク定数は物理学者の正当な感覚では無限小と見做せる。事実、この定数が重要な役割を演じることが確認されたのは、人類が分子や原子というとてつもなく小さな世界の測定ができるようになってからです。その場合、そのスケールで取り扱われる作用変数の大きさに比べて、プランク定数の大きさが無視できないくらいの大きさになっています。そして、その場合には、ニュートン力学ではなくて、プランク定数が有限な場合として表現されている量子力学で論じないと、実験結果と理論予測の間に矛盾が起こってきます。
でも、物理の教科書では、一見まともに見える次のようなことが書いてある:
「プランク定数は有限な値を持ち、ゼロではないのだから、それを考慮に入れた量子力学の方程式が正しい。そして、その量子力学の結果を我々のスケールに適用するには、プランク定数をゼロとする極限操作をすればよろしい。その場合に、その極限値はニュートン方程式で得られた結果と一致する」
この主張は大抵の場合正しいのですが、実は、古典力学系のカオスの現象が発見されて、古典力学で共鳴特異性と呼ばれる現象が起こっている場合、その現象を量子力学では原理的に説明出来ないのです。この現象はちょうど量子の概念がプランクによって発見されたと同じ頃の19世紀末に数学者のポアンカレが発見しました。ポアンカレは、古典力学で非線形現象と呼ばれるものが起こる場合、その物理系の古典的運動方程式の解を解析的に探すために必要になる運動の恒量と呼ばれる量の幾つかが、共鳴特異性のために原理的に存在しなくなってしまうことがある、ということを発見しました。従って、その運動方程式を原理的に解くことができない系があるのです。そこで、ポアンカレはそのような系を非可積分系と呼びました。そして、そのことからくる現象的な帰結がカオスであることを発見しました。
その定理が成り立つための必要条件の一つは、古典力学では運動量が連続な値をとることです。ところが、プランクの発見により、プランク定数が有限の場合には、多くの系で運動量は不連続な値を取ります。だから、量子力学では上記ポアンカレの非可積分系の定理は適用できず、その系は原理的に積分可能となっています。ときどき量子力学の論文で、量子カオスなる言葉を使う人がおりますが、不連続な運動量を持つ量子系ではポアンカレの定理が成り立たないことは周知なので、そう呼ばずに、量子ケオロジーと呼ぶべきだという人もいます。ケオロジーはテオロジー(神学)のもじりで、ありもしないことをやる学問だとの揶揄です。
だから、皆がはじめに思っていたよりも、量子力学と古典力学の関係はもっと複雑だったのです。プランク定数を有限としておいた場合には全く説明出来ない現象がプランク定数に対して無限小の極限を取った時に起こっていたのです。その原因は、実は量子力学が発見された直後から知られていたのですが、プランク定数を複素数として複素平面に解析接続した場合、その値がゼロになる点が、数学で言う真性特異点になっていることが、鍵のようです。真性特異点の特徴は、それを無限小として極限を取った時に、その真性特異点に複素平面上のどの方向から近づくかでその関数の極限値が任意の値を取れてしまい、真性特異点上では全く不定になってしまうと言うものです。
また、数学の他の分野でも、ある量をひとまず有限としておいて、その後その有限値に対してゼロの極限をとると、その量が有限の場合に属していた集合の外側に出てしまい、有限値の場合とは全く性質の異なった新しい集合に属してしまう例が知られています。それは、デルタ関数や積分の主値と呼ばれる超関数です。デルタ関数は関数という名前がついていますが、それは関数ではなくて、関数の関数であることが現在解っています。実際、20世紀最大の数学者の一人とされたフォン・ノイマンは、デルタ関数が関数であるとすると、例えばデルタ関数の2乗が存在しないなど数学的に矛盾が起こってしまうので、こんなもの数学でもなんでもないと、ケチをつけた代物です。しかし、その後、シュワルツによって、それが関数の関数であるとすれば、数学的に完全に妥当なものであることが証明されました。ところが、多くの物理学の教書では、デルタ関数を導入するのに、ひとまずある有限な定数εを導入して、関数として真っ当に定義でしておいて、最後にそのεのゼロの極限を取って、デルタ関数を定義しています。この例では、εが有限だった時にはその量は関数で、その極限をとると、それはもはや関数としては矛盾したものになってしまい、その代わり関数の関数という新しい集合に属した量になっています。
さて、物理学に話を戻して、この宇宙の森羅万象の中には、間違いなくカオス力学として捉えないと理解出来ない現象があります。それは、プランク定数が実質的に無限小と見做せるような巨視的な物理系で起こっている現象です。この現象は、上でも述べましたが共鳴時異性に関わった現象です。実は、説明は省きますが、この共鳴特異性の問題は、なぜこの宇宙に、過去から未来に向かう時間の矢の存在しているのかと言う、時間の向きの対称性の破れの問題にも絡んでいます。そして、はじめに述べましたが、数学では無限小量を単位に取ることはできません。
確かに、プランク定数を有限とした自然単位系によって、この宇宙のとてつもなく多くの現象を分析することはできると思います。でも、だからと言って、この宇宙の森羅万象を記述するために必要な単位系は自然単位系であると言いうのは、最近の非線形力学系やカオスや共鳴特異性の進歩を全く無視した、独善的な主張になっていやしないか、憂慮しています。
猪突先生、下記の仮説が疑問です。
>ある量が有限でない場合、
こんな場合が、この宇宙の物理学で想定する必要があるのでしょうかね。
愚拙は、この宇宙に無限の値ととる物理量は無いと信じておりまして、その根拠は、もし物理量が無限の値を取れる様な宇宙であったら、天地創造の日数も無限に必要になってしまい、天地創造が七日では完了しないわけです。これは、勝手に自分で考えた訳では無くて、ゲオルグ・カントールの無限に関する考察を、べ勉強した結果ですから、確かな判断と思っております。
物理学で使う定数などが、無限の値をとるなんてことが他のケースを含めて有るんですかい?
もし、まだこのサイトにアクセスしていらしたら、この愚拙の疑問を解消しておくんなまし。
No.25
- 回答日時:
#24です。
ちょとつ先生、大工のもくぞーさん、おはようございます。
落ち着きました。
僕は、朝起きて、布団をたたんで、燃えるごみを出して、朝ごはんを作って食べました。
これから他の用事を済ませてから、実家に帰ります。母、姉に連絡してあります。
ちょとつ先生、大工のもくぞーさん、いろいろありがとうございました。
さいころさん、いろいろありがとう。なんとかなったよ。
D_Rさんは僕のことを彼と書いて男の人としてみてくれた。
No.23
- 回答日時:
#22です。
ちょとつさん、もくぞーさんこんばんは。お二方がr345さん、やルパンの子孫さんと書いてくださっていたおかげで戻ってこれました。怖かったです。もっと落ち着くのを待ちます。
No.22
- 回答日時:
んで、少し落ち着くとゾッとする。
no.21がすげーすげー言ってるとき、あーミミズくらいならプチってしちゃってもいいなーなんて感じになってしまってた気がする。もし、ものすごくすごいことに出会ってしまったら?善悪をヒョイっと飛び越えてしまうかもしれない。だから、どっかで絶対的な善悪はある。って言ってたんだな。落ち着こう。
No.17
- 回答日時:
#16関連で。
老婆心で聞くんだが、r345さんはダーウィン『種の起源』そのものを読んでいるんでしょうか。まさか、それは読んでいないけど、『ダーウィン『種の起源』を読む』北村 雄一 著は読んだなんて状態じゃないでしょうね。もし、ダーウィンを読んでいるんなら、それで安心ですが、勝手な心配をして御免なさいね。
そもそも、自然科学の古典中の古典の一つであるダーウィンの『種の起源』は解説書のおかげで読み継がれてきた本じゃない。解説書がなくても、これから何百年も読み継がれる本だ。それに対して、『ダーウィン『種の起源』を読む』北村 雄一 著は私は読んでいませんが、その本が幾百千とあるダーウインの解説書と同じように、直に誰も読まなくなってしまう本であることは間違いないと思います。
蛇足ですが、その解説書がどれほどの価値があるのかを調べる方法として、発行から数年後に古本屋に果たして出ているか、さらに出ていたとして、いくらで売られているかを見てみると良いです。学術関係の本は寿命が比較的長いので、巷の新本屋で売られているゴミと比べれば古本屋に出ている割合は高いです。でも名著でなかったら、そんな学術関係の本も20年30年と経った頃には、古本屋から消えているのが普通です。また、たまたま古本屋に出たいたとしても、二束三文で売られています。流石プロ、名著を見抜く古本屋の親父の目は鋭いですよ。
ついでの蛇足ですが、昔日本を引き払って渡米するときに、それまでに買った本を古本屋に家に来てもらって売り払ったときに、流石プロと感心したのです。本棚から取り出した本を左右に振り分け、右にどんどん本を積み上げ、時々左に少しづつ積み上げていった。そして、左の本には一冊いくらと値を付け、右のは一山いくらと値を付けたのです。かつてのベストセラーやほとんどの文庫本は一山いくらでした。左に選り分けられた本は、私自身名著だと思えた本ばかりでした。そちらに選り分けられた本は文庫本ばかりではなかったのですが、同じ文庫本でも岩波文庫は一冊づつ値段を付けていました。
また、今から20年以上前に来日中にたまたまある古本屋にいた時の光景が面白かった。ある学生とおぼしき若者がコンピュータの解説本を数冊持ってきて、古本屋に買ってもらおうとしていました。かわいそうに、その若者は古本屋の親父に怒られていました。曰く、
コンピュータの解説本なんか、2年もすれば誰も読まないの!こんなものゴミだ。ゴミをうちに持ってこられても困る。
愚拙も、最近、クラシックの大切さを改めて認識するようになりました。
猪突先輩みたいに物理学を生業にしているご仁は、最新の論文をよまなけれならないでしょうし、結局、多くがゴミなんでしょうけど、我々素人は、学問の消費者側に立っているわけであって、賢い消費者としてはクラシックを中心に消費するべきだよね。
とくに、哲学とか文学とかはクラシックに限るね。
自然科学と違って人類集団の思考の蓄積の上に立脚してる訳じゃなくて、所詮一人の人間の大脳新皮質の活動結果にすぎないわけで、2500年前の人が思いつたアイデアも、現在の哲学者が宣う(のたまう)ありがたいご宣託も、それほど違う事は無い。
残された時間が少なくなってくる晩年になって、クラシックの大切さに気が付くってことも、残念ながらありますね。
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