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ナチスドイツは自らを優秀なアーリア人と称していましたが、アーリア人とはイラン人のことを指すのが普通です。

ゲルマン人と称するならわかるのですが、どうしてアーリア人(イラン人)なのでしょうか?

言ってみれば、日本人が、「我らは優秀な漢民族」と称するくらい滑稽なことのように思うのですが。

A 回答 (1件)

「アーリア人」なる語は、言語の系統分析から派生した言葉です。



<インド・ヨーロッパ(ゲルマン)語族に属する諸言語の起源は
印欧祖語であると考えられている。その祖地は5,000–6,000年前の
黒海・カスピ海北方(現在のウクライナ)とするクルガン仮説と、
8000–9500年前のアナトリア(現在のトルコ)とするアナトリア        
仮説があるが、言語的資料が増えた紀元前後の時代には、既に
ヨーロッパからアジアまで広く分布していた。>

https://ja.wikipedia.org/wiki/インド・ヨーロッパ語族

この言語的な変遷が19世紀に入ると、民族的種族的な系譜に転換され、
白い肌のヨーロッパ人は「アーリア人」から分岐し発生したとする
説として広まりました。その「アーリア人」は「戦う貴族」として
土着蛮族を征服しながら移動し、文化をもたらしたと主張する人々が
出ました。更に意味付けを変えて「アーリア=尊貴(仏、les hommes
honorables)」とし、民族には「白」「黄」「黒」の3種が居て、
トップは「白」で、その中でも「アーリア」が最高の者とされました。

ナチはこれを受継ぎ急進化過激化し、自分ら「ドイツ人」こそが
「アーリア人」であり、征服されるべき劣等民族を「非アーリア人」後に
「非アーリア人=ユダヤ人」としました。
「ユダヤ人」は「アーリア人」の純血を汚し、堕落させる「陰謀・寄生の
民」とされ「絶滅を!」との惨劇につながります。

Wikiのフランスの風刺画には、
アーリア人のタイプ「ヒットラーの様に金髪で、ゲーリングの様に
スリムで、ゲッペルスの様に大きい」とあります。

https://de.wikipedia.org/wiki/Arier

まとめると、言葉が生まれた本来の意味から転化して使われるように成り、
「アーリア人」がナチズムで使われる時は「アーリア人(言語)=ウクライナや
トルコ周辺の種族の言語を話す種族」を意味する事はもうありませんでした。

<日本人が、「我らは優秀な漢民族」と称する>を無理に言換えると、
漢民族(文化・体制)→中華→中心(中国/アメリカファーストの様に)で
「我らは世界の中心民族」の様なものでしょうか。
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