No.4ベストアンサー
- 回答日時:
「標準語」は明治時代に政府がつくった言葉です。
特に廃止したいうわけでもありませんから、まだ続けて使っている人もいます。しかし、国語学者は現在あまり使わず、「共通語」という言葉を使います。理由は、「標準」というと、これが一番正しいものだと聞こえて、方言などが価値がないかのように聞こえることもあるからです。奈良・京都などが文化の中心であったときは、そんな言葉も考え方もありませんでした。しかし、政治・文化・経済の中心であれば、言葉の中心もその土地に移るのは当然です。標準語と呼ばなかっただけのことです。しかし、明治時代にも東京の言葉が標準語だとは決めていません。当時の学者達の多くは、東京下町の言葉ではなく、「山の手」に住む教養ある人々の話す言葉を標準語とするという方針でした。江戸時代の武家、貴族、そして明治の高級官吏が住んでいたのです。そこでは「江戸っ子弁」は排斥されました。面白かったのは、「父母」を何と呼ぶかで、江戸時代に多かったのは「ちゃん」「とっつあん」「親父」「おっかあ」「母ちゃん」。それとは逆に山の手の「お父様」「お母様」「父上」「母上」。ここで文部省官吏たちは考え出しました。「おとうさん」「おかあさん」。このことばが当時通用していたかどうかは疑問です。山の手の言葉「お父様」「お母様」は全国に通用させるにはちょっと滑稽に思われたのでした。「そんでなあ、お母様」は想像しただけで滑稽でした。「にいさん」「ねえさん」「じいさん」「ばあさん」は使われた可能性はあります。そこから「父さん」「母さん」はいいとして、一応民法上尊属に当たるから「お」をつけて「お父さん」「お母さん」という造語が出来上がりました。文部省(当時)の「小学読本」に「おとうさん、おはやうございます」「おかあさん、おはやうございます」と有り、これが実用化の第一歩でした。
こうして、明治の「標準語教育」は全国に施されることになりました。
No.8
- 回答日時:
明治初期には同じ日本人同士でも言葉が通じないため、相当の苦労があったようです。
共通の言葉を作るだけで大変だった時代ですね。おまけに外国語と概念を日本語に焼き直す仕事がありました。明治中期から昭和前期にかけて、主に東京山の手の教養層が使用する言葉(山の手言葉)を基に「標準語」が作られていったようです。戦後は国主導の言語政策はなくなり、「標準語」という語感は国主導を思わせることから「共通語」という言い方も生まれました。従って厳密には標準語と東京の口語とは異なる意味合いですが、中央(現代では東京)の言葉を標準語とすることは歴史的に暗黙の了解となっているといったところです。
今後「首都が変わるごとに変わる」ことは理屈ではあり得ますが、明治初期とは異なり、標準化を進める時代的要請は現代では減っていると思われます。
No.7
- 回答日時:
最近は言葉の乱れを感じます。
東京は標準語が多い気はするが、いろんな人種が地方から移り住み、外来語・カタカナ言葉も混じるでしょうね。共通語というのもあいまい状態ですよね。全然という言葉の後に来るのは通常否定語を置くのが普通と聞いていたのに最近は肯定語を使って「すごい」とか「全体的に」(強調言葉)と一緒くたにしている人は多いでしょう。テレビのタレントさんの若者言葉はよくそれを感じます。よくそこで先生みたいな人との言い争い場面も見えますよね。
話変わって、文章段落もワードを使うと一段上げ下げが操作で崩れることも多いしね。ワードは国語文法語法に従うように見えて、時々機械が勝手な判断ですりぬけるしね。
古文を現代文に訳すときはややこしい状況になりそう。奈良や京都見学なら名所旧跡で古典の世界にも出るでしょう。私は神社仏閣巡りが好きです。祝詞や短歌を詠む場合もね。
話し言葉の場合は語法・文法の乱れがあってもワードの機械語操作になれるといつのまにか、違う方向にずれていつの間にやら間違うこともあるでしょうね。
すいません。質問の主旨と外れた気がします。これにて失礼します。
No.6
- 回答日時:
東京の言葉は、関東・東京弁。
下町の江戸の訛りと、周りの神奈川の言葉の影響が大きい。
語尾のそうじゃんとか、やっちまった、片す、つか、食わねえ、やんねぇなどアナウンサーは絶対使わない。
No.5
- 回答日時:
標準語=当然共通語である必要があります、首都との関係はありません。
東京の下町の言葉も一時は候補に挙がった様ですが、べらんめー調ではとても・・・ということで今で言う山手の言葉に基本を置いたように聞いています。
かなり以前ですが最も標準語に近いのは北海道と聞いたことがありますが、知る人に言わせれば台湾の日本語が最も標準語らしいそうです。
No.3
- 回答日時:
標準語というのは、国やNHKなどの国全体に影響力のある機関が定めたものを言います。
標準とする目安がある、ということです。国は表記や「てにおは」または日本語として使える漢字について標準的なものを定めていますし、教科書などの表記もそれに沿って文章が書かれています。小学校の教科書に「今日は、お父さんお家にいてはりますか?」のように方言で書くものはありません(小説からの抜粋を除く)
どのような言葉使いで教科書特に国語を教えるかについては言葉使いの用例があり、それが標準ということです。
NHKもアナウンサーのイントネーションなどに標準的な話し方があります。昔に比べれば訛りも許容されるようになりましたが「全国どこでも同じ意味にとってもらうためのイントネーション」は標準発音として決められています。
以上のことから、標準というのは「ある基準があり逸脱することを許さないもの」をいい、この標準の元になっているのは東京の山手言葉(皇居の新宿側、最高裁判所や靖国神社がある高台から西の言葉)とされています。
しかし、標準語と東京弁が同じとはいえません。東京弁も皇居の東側はいわゆる江戸っ子言葉でこちらのほうが伝統的な「東京弁」だともいえるからです。また、新宿側も新宿を超え中野やその先になると武蔵弁訛りが出てきます。これらは埼玉県や神奈川県の西部にも広がる方言なので、標準語のお手本になった言葉は「東京の山手言葉」というごく狭い地域の言葉だけなのです。
共通語というのは「標準は特にないが、それだと意思疎通に困るから共通して使われる言葉」ということになります。日本は明治期になって、標準語を作り全国で教育したので近代においては「共通語」はありません。
日本でも近代以前なら共通語に当るものはありました。江戸時代は参勤交代で各地の武士たちが江戸市中に集まるため、言葉が通じないと困ったからです。その共通語の役割を果たしたのは、武士であれば狂言、庶民であれば浄瑠璃だといわれています。
江戸初期は当然ながら各地の訛りの隔たりは大きく、意思疎通をするのに武士は狂言の言い回しや単語、さらには発音を利用し、庶民は浄瑠璃の言葉を利用したようです。
江戸中期になるとこれが江戸共通語(ただし武士と庶民は土台が違う共通語)に発展していき、歌謡などの節回しも発音のお手本として用いられるようになったようです。ですから国元で狂言と歌謡の節回しを習っておけば、江戸に言ってもそれほど困らなかったでしょう。これは江戸に集まる人々が自然と狂言などをお手本としたもので、幕府が「標準的なものは狂言を参考にせよ」と決めたわけではありませんので、標準語とはいわず共通語といいます。
>これらは奈良、京都、といったように首都が変わるごとに変わるものなのですか?
はいその通りですが、奈良・京都・橿原などは同じ地域ですから、それほど言葉は変化しなかったでしょう。特に京都は江戸が首都機能を持つまでは首都として機能してきたので、江戸時代以前の共通語は京ことばだったと考えてよいでしょう。
その証拠に戦国時代に来たポルトガル語やスペイン語の辞書の単語は京ことばを日本語として載せています。また言葉は「中心地で新しい言葉が生まれるとそれが地方に伝播する」という特性をもっており、京都から等間隔の九州地方と東北地方は同じような言葉が同じ意味で現代でも方言として生き残っていたりします。
ですから江戸時代以前の共通語は京言葉であり、それを地域の人々が伝えて使っていたと思っていいでしょう。日本で言葉が大きく変化したのは、関西首都時代・江戸期の共通語時代・明治後の近代的標準日本語時代の3期であると考えていいと思います。
なお、蛇足的に書いておきますが、中国は長安・南京・北京などに何度か首都が変わっていて、その時々の支配者も必ずしも漢人ではありませんでしたので、首都の言葉も相当に変化したようですが、そのために漢字という「どんな発音で呼んでも字の意味が同じなら伝わる」言語が生き残ったようです。今でも北京語と広東語は発音では全く通じませんし使う単語も異なりますが、漢字で書いた文章はどちらも意思疎通ができる、ということです。
No.2
- 回答日時:
>東京の言葉=標準語ですか?
基本的にそうです。下町のことばを基準にしたようです。江戸はもと小さな漁村でしたが300年かけて全国から人が流れ込んでできた町ですから、そこで使われる言葉には基準にしても良い条件があったものと思います。
>首都が変わるごとに変わるものなのですか?
標準となる言葉は、必要があって作られます。必要が無ければ当然ながら作られません。明治時代は西洋列強に対し如何に日本を守るか、と言う危機感の中で生まれてきますので、なんとかして日本人全体の意思疎通を速やかにして統一した行動がとれるようにする必要があった訳です。国防が最も急務である時に、上官は東北弁、部下は薩摩弁、と言うのでは大砲一発も撃てませんからね。
このような全国を巻き込む未曾有の危機は、それ以前には無かったので、標準語の必要は生まれなかったと考えられます。
>標準語と共通語の違い
ご質問の趣旨であれば、同じものと考えて良いと思います。
No.1
- 回答日時:
標準語:政府機関や公的な団体によって、人為的に整備された言語。
共通語:マスコミや広範な人の移動などを通じ自然に形成された、地域や集団間で共通に用いられる言語。
ただ、実際には、標準語という言葉と共通語という言葉は、きちんと使い分けがされないことがあります。
>東京の言葉=標準語ですか?
これは違います。
ただ、明治時代において、日本の標準語を東京の山の手言葉を元につくろうとしたために、東京の言葉と標準語というのは、近い関係にあります。(東京と言っても、下町の言葉ではないです。)
ただ、現在、標準語として、公的に定められているものはありませんので、厳密に言えば、現在の日本に標準語はありません。現在の日本で「標準語」と呼ぶものは、「国家が人為的に言語を整備すればこのような言語になるだろう」と言える日本語、ということになります。それを敢えて具体的に何なのかと言えば、NHKのアナウンサーがニュースで使う言語ということになります。
「東京の言葉=共通語」というのも違います。しかし、日本で共通に用いられている言葉は、もともと東京の山の手言葉をもとにした標準語が元になっているので、日本においては、
東京の言葉 と共通語は 似ておりますし、共通語と標準語もほぼ同じです。
「標準語というのは、奈良、京都、といったように首都が変わるごとに変わるものなのですか?」という問題は、そのように首都が変わった場合に国家がどのような言語政策をとるかにかかわるので、わかりません。
過去の奈良時代や平安時代に、標準語が定められたかは、私の知る限りでは、そういったものは無いのではないかと思います。(歴史に詳しいわけではないので、私には断言できません。)
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