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 砂糖は液体まで状態変化して、それ以上は熱分解してしまうのでしょうか?それとも砂糖の気体ってありえるのでしょうか。それとも有機物はすべて状態変化しないのでしょうか。無機化合物しか状態変化しないのでしょうか。状態変化する物質としない物質の境目を教えて下さい。

A 回答 (5件)

> 砂糖は液体まで状態変化して、それ以上は熱分解してしまうのでしょうか?



大気圧下で実験すると,通常はそうなりますね。気化する前に分解します。なお,カラメルの臭いは気化した砂糖の臭いではなく,砂糖が熱分解することによって生じる,より低分子量の揮発性有機化合物の臭いです。

> それとも砂糖の気体ってありえるのでしょうか。

外気圧を下げていけば,融点や沸点は下がります(「クラウジウス-クラペイロンの式」という式で記述されます)。この原理は減圧蒸留などに応用されますね。一方,熱分解温度(分解点)は外気圧を下げてもほとんど変わりません。熱分解は化学反応の一種だからです。

砂糖を高真空下に置き,もし沸点が分解点よりも下回れば,砂糖の気体が得られます。理論的には砂糖の気化は必ず可能ですが,技術的に可能かどうかは,実際に計算して見ないとわかりません。

> それとも有機物はすべて状態変化しないのでしょうか。無機化合物しか状態変化しないのでしょうか。状態変化する物質としない物質の境目を教えて下さい。

状態変化はすべての物質で起こります。世の中にあるすべての物質が,状態変化を起こします。

> 可逆的であるかどうかが、状態変化と化学変化の境目

学校ではそう習うのですか? 可逆な化学変化もあるので,あまり正確な覚え方ではないですね(例えば高校範囲では 2 NO2 → N2O4 など)。
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この回答へのお礼

大変よくわかりました。すべての物質はある条件下では状態変化するのですね。そうすると例えば「紙」などにも融点や沸点があるということになりますよね。

お礼日時:2004/10/27 18:05

有機化合物にも状態変化はあります。


marumetsさんがお書きのように、エチルアルコールやメタンなどの有機化合物は冷却すれば固体になりますし、沸点も存在します。
いま、混乱されているのは高分子化合物の取り扱いではないでしょうか。
気体になるということは、お互いの分子間力(分子と分子との間の結合力)を熱運動によって切断し、分子が1個ずつバラバラになって、空間内を飛び回ることです。
同族(同じような)分子でも、分子量が大きくなるに従って、分子間力を形成する点が増えますし、1分子当たりの質量も増え飛び回るのに大きなエネルギーが必要になるので、1個1個がバラバラになるためには、それこそ沢山のエネルギーが必要となります。
それ故、分子量が大きくなるに従って沸点は上昇していきます。
また、気化しにくいので分圧は低下していきます。
ところが、分子を形成している化学結合、例えばC-C結合を切断するためのエネルギーは分子量を変化させても大きな変化はありません。(厳密な議論をすれば少しは違うかも知れませんが、ここでは無視しましょう。)
それ故、分子量が大きくなると沸点は熱分解温度よりも、ずっと高くなってしまいます。
(高分子は分子同士が絡み合っているので、バラバラにするには、益々大きなエネルギーが必要です。)
このへんの事情もmarumetsさんがお書きですね。

よって、高分子化合物では沸点は観察されません。
また、一般的に気体にはなりません。
(勿論、高分子にまで到達していない、中くらいの分子量のものは減圧したりすれば、沸点が観察されるものもあるかも知れませんし、ごく微量に気化しているものもあります。)

さて、液化についてですが、高分子化合物は熱的性質から熱可塑性高分子と熱硬化性高分子とに分ける分類の仕方があります。
これは、加熱すると溶融して可塑性(粘土のように力を加えると変形し、形を変えることが出来る性質)を示すものと、化学反応を起こして硬化してしまうものです。
プラスチックとは可塑性を示すものという意味だったと思います。
ポリのバケツなどはこのような性質を利用して作られます。
紙の素材であるセルロースも分子構造上は熱可塑性的ですが、セルロースは軟化して、可塑性を示す温度が高くて、(勿論沸点はそれ以上に高い、)可塑性を示す前に熱分解してしまいます。

セルロースの分子量を小さくしていった物が砂糖だと考えると沸点も軟化点も熱分解温度以上だったものが、分子量を下げることによって軟化点(この場合は融点)が熱分解温度以下に下がってきた。しかし、沸点はまだまだ熱分解温度以上だと考えればよいのではないでしょうか。

ちなみに、融点とは結晶が溶ける温度だと理解しています。
高分子化合物の中には結晶が存在しないものもあるため、それらは、軟化しても、その温度を融点とはいいません。
また、結晶性の高分子でも、結晶が溶けるだけでは粘度が非常に高いので、溶融して成形する場合は融点よりもかなり高い温度で成形します。
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この回答へのお礼

詳しい説明ありがとうございます。奥が深いですね。だけどすっきりしました!

お礼日時:2004/10/28 23:57

あ,先生でしたか。

失礼しました。

> そうすると例えば「紙」などにも融点や沸点があるということになりますよね。

そうですね。紙の繊維であるセルロースも,低分子の物では融点や沸点を観察できるかもしれませんね。

納得できました?
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この回答へのお礼

納得です。本当にありがとうございます。

お礼日時:2004/10/28 23:51

>それとも有機物はすべて状態変化しないのでしょうか。



そんなことは、ありませんよ。
だって、メタンやエチルアルコールも有機物でしょ。

>状態変化する物質としない物質の境目を…

お尋ねの「状態変化」を融点、沸点という観点からみると、その分子の熱分解温度が融点又は沸点より低いか否かで決まるのではないでしょうか。

一般に有機化合物の分子内結合(C-C,C-H,C-O等)は、無機化合物のそれに比べ弱いこと、また、分子間力は分子量が大きくなるに従い増大することから、有機物で分子量の大きいものには、融点又は沸点に達する前に熱分解や重合してしまうものが多いのではないでしょうか。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。授業でどう説明しようか悩んでました。

お礼日時:2004/10/27 18:09

何をもって「状態変化」とするかが問題です。


砂糖を熱すると、一度溶け、さらに熱し続けると鍋にこげつきます。
たとえば、藁を燃やすと、一部は煙となり一部は灰になります。藁は有機物ですよね。
気化するかどうかが状態変化の分かれめであれば、有機物と無機物で状態変化の境目とすることはできません。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。可逆的であるかどうかが、状態変化と化学変化の境目だと思うのですが…。

お礼日時:2004/10/26 19:59

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