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房室結節はなぜ、心室へのシグナルを0,1秒遅れさせているのですか?

A 回答 (1件)

ある意味、私の専門ですので、大学レベル程度で答えます。



心臓は、まず、心房が収縮してから、血液を十分に心室へ送り出します。そのとき、心室も同時に収縮すると、心室の筋肉の方がはるかに圧力が強い、心室と心房の間に弁膜がある動物ではそこが閉まってしまい、心房からの血液は送ることができません。

それが、十分にリラックスして収縮する力が抜けているときに、心房が先に収縮すると、心房の血液が少量の力、圧力で心室へと送られる、その時間が必要なのです。適度に心房から心室に送られている血液があれば、それを心室が収縮することで右心室ならば肺へ血液を送り出せますし、左心室ならば全身へと送り出せる、そういう仕組みです。

腸の蠕動にも似ている仕組みがある、管状になっている腸が、少しずつ頭側から肛門側へ収縮していくことで、腸内の消化された内容物が移動する、同時に全部収縮すると、同じ場所で動かないか逆流してしまいます。心臓のない生物では、血管みたいなものだけがある動物もいて、腸蠕動のように順々に収縮する場所を前から後ろへ移動することにより心臓みたいにポンプ機能を働かせるものもいます。

房室結節があるのは心房と心室に分かれている動物ですので、1心房1心室の魚類も全身から戻った血液が心房に充満してから先に心房が収縮することで心室へと有効に血液が送り込まれる、その後、心室へと血液が移動したところで心室が収縮することで全身へと血液が移動できるのです。くどいようですが、心房と心室が同時に収縮すると、心房の方が力が弱いので心室へと血液を送ることができない、十分にポンプ機能が使えない状態になります。

http://gakusyu.shizuoka-c.ed.jp/science/chuugaku …
>様々なセキツイ動物の心臓のつくりを比べてみましょう。

この図を見ても心室の筋肉は非常に厚く書かれている、それに対して心房の筋は血管並みに細い、その間に弁膜があれば、逆流しないので、心房の収縮が先になれば心室へと血液を送ることができるのが想像できるかも知れません。

難しいことを書いたかも知れませんが、心室細動みたいなときには全身にほとんど血液が送られない、心房だけが動いていても全身へは血流を確保できませんので命が危険、電気ショックなどの除細動をすると、心房が先に収縮、その後、時間差を房室結節で発生することで心室が収縮できるようになり、ちゃんと機能するように戻るわけです。

房室結節の異常により房室ブロックになるのも左側が起これば非常に危険ですし、右だけですと心電図波形は凄い変化ですが、気づかないこともある、先に左の心室が収縮し、それに遅れて右心室も収縮するので正常に近い機能を示すこともあるものです。

この手の実験なども私の研究対象だったときもあるので、詳しく書きましたが、要するに、先に心房を収縮させないと効率的に心室へと血流を確保できないから時間差ができるようになっているのではないか、それが、房室結節の重要な使命、役割だと思われているのではないでしょうか。刺激伝導系という言葉が検索するキーワード、房室結節はペースメーカーの中でも大事なものなのです。
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この回答へのお礼

わざわざ詳しく書いていただきありがとうございます(`・ω・´)
説明がわかりやすく楽しくスラスラと読み進めることができました笑
理由もわかりもう心残りはありません!ありがとうございましたo(^-^)o
♪(´ε` )

お礼日時:2018/10/07 21:45

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