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昨年の新聞で<宇宙 あと1400年安泰>との記事を読みました。
東大・国立天文台などの観測・分析によると、暗黒部質はそれほど偏って分布してないとのこと。
今までは、宇宙の<急激な膨張よって引き裂かれてしまう可能性が指摘されていた、そうです。
この観測・分析の結果、<急激な膨張により宇宙がバラバラになる>ことは、当分ないそうです。
質問は、宇宙が<引き裂かれてしまう>とはどいうことですか?
1.星団などが地域的に集合してしまう、ことですか?
2.行来きのできない(影響を相互に送受できない)宇宙がいくつかできる、ことですか?

A 回答 (3件)

長文失礼します。



現在の宇宙の膨張は「空間」が膨張しているものです。
物質がどうこうというものではありません。

よく風船を膨らませたときの、風船の表面に描いた銀河の振る舞いがたとえに出されますが、
あれとおなじことです。

現在宇宙の膨張は加速されていると言われ、このまま加速が続くと宇宙の未来にも大きな変化を与えます。
この文脈の中で「宇宙が引き裂かれる」という言葉が使われるわけですが、
「宇宙が引き裂かれる」にはいくつかの意味が内包されています。

①<宇宙がブロック化してしまう>
 将来宇宙の膨張が加速していくと、観測不可能な領域がどんどん増えていきます。
 現在も150億光年より向こうの宇宙から発せられた光は空間の膨張の方が光の速度より速いので我々に到達することができません。
 このため「我々の宇宙」としては認識されません。
 光は物質や重力などの影響は受けませんが、空間の影響は受けます。
 重力の影響下で光が曲がったり遅くなったりするのは、重力の影響を受けることと重力の影響によってゆがめられた時空の影響を受けることが等価だからです(一般相対性理論)。
 このため、宇宙の膨張が加速すると、現在は観測可能な領域も将来的には光速の壁の向こう側に消えていってしまいます。
 最終的に、我々のいる局所銀河群くらいが観測可能な宇宙のすべてになってしまうとも言われています。
 もっともその時には銀河系とアンドロメダ銀河の衝突も終わり、この領域には巨大な楕円銀河が一つあるだけとなっています。
 つまり、宇宙には我々の銀河が一つあるだけ、という図になってしまうのです。

 これは、加速膨張の宇宙が続く限り確実にやってくる未来です。


②銀河団の孤立という問題もありますが、この質問と直接関係ないので省きます。


③<すべてのものが空間の膨張の力に負けて引き裂かれていく>
 先ほど述べたように、宇宙の膨張とは空間の膨張です。
 物質やエネルギーとは無関係に行われています。
 それは一言で言えば「座標の目盛が拡大していく」現象です。
 そしてそこにある物質は、座標系に貼り付けられたままお互いの距離を大きくしていきます。
 物質が移動しているのでなく、空間の膨張に伴って物質の相対的距離が変わっていってるだけです。
 我々人体もこの空間膨張の影響を受けています。しかしその力は、
  ①空間的スケールが非常に小さいこと
  ②人体を構成する様々な物質同士の結合の力の方が桁違いに大きいこと
 のため、全く無視できます。
 ところが、将来空間の膨張が加速され、より大きな力で引き裂く力が働くようになると、
 いずれ重力でも、電磁気力でも、強い力でも対抗でき無くるときがやってきます。
 重力は天体を構成する力ですから、天体が維持できなくなります。
 電磁気力も強い力も原子や原子核を構成する力ですから、原子核や原子、分子、およびそれを土台にしている物質も崩壊していきます。
 さらに空間膨張の力が強くなれば、クオークのような複合粒子に働く力も凌駕するようになります。
 最終的に残るのは内部構造を持たない光子や電子などの素粒子とエネルギー、それらだけが漂う宇宙となっていきます。


物質の運動でなく空間の拡大が宇宙膨張の本質のため、このようなことが起こるのです。
そして最終的にどんな未来が待っているかは、現在の加速膨張宇宙が将来どうなっていくのかにかかっています。
急激に加速されていくようなら宇宙は早々に引き裂かれてしまいますし、
いずれ加速が止まるなら、宇宙は物質の寿命による終焉までの時間を与えられ、熱的死ということになります。(それはそれでやはり暗い未来ですが)
それを決めるのは宇宙の膨張の勢いと宇宙内部の総質量と言われています。
そして宇宙内部の総質量の9割以上はダークエネルギーとダークマターによって占められていると言われており、それらは「暗黒」という名が被せられているとおりほとんど全くの未解明です。
だから科学者は血眼になって解明を試みているのです。
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この回答へのお礼

早速のご回答ありがとうございました。
膨張による宇宙の未来について、壮大かつ極微な説明を頂きました。
<急激に加速されていくようなら宇宙は早々に引き裂かれてしまいます>ですね。
ただし、まだ気持ちがしっくりいません。宇宙の膨張が、「暗黒部質はそれほど偏って分布してない」とは、直接関係してないように思われますが。ただし、暗黒物質が偏って分布している、たとえばある所では暗黒物質が薄く存在していると、膨張の速さが他より高くなる、などに宇宙の空間が偏り、宇宙が引き裂かれる、というようなことなのかな、と思っていますが。

お礼日時:2019/03/12 16:31

どちらもあり得たでしょう。

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この回答へのお礼

早速のご回答ありがとうございます。
<どちらもあり得た>のですね。
研究結果は、暗黒物質はそれほど偏って分布してない、とのことですが、それにより、宇宙は今後(われわれ人類が滅びた後でしょうが)どのようになってゆくのか、興味が尽きませんね。

お礼日時:2019/03/12 19:11

その記事は私は読んでいないのですが、おそらく宇宙は将来どうなるかということなんでしょうね。



将来、宇宙が引き裂かれてしまうというのは、ビッグリップ説と呼ばれています。
宇宙は現在膨張しているというはご存じのとおりです。
1990年ごろまでは、宇宙の膨張は重力の影響でスピードが落ちていると思われていたんですよ。
ところが、宇宙のかなたの超新星を調べたところ、約60億年前からむしろ加速度的に早くなっていたことがあきらかになりました。

さあ、この加速度、これを起こしているというダークエネルギー、これがもっと加速度的に強くなっていったらどうなるかです。

重力エネルギーを凌駕すると、重力でまとまっていたものが分解されます。
銀河系や太陽系もバラバラになり、地球もその形を保てなくなり、バラバラになります。

さらにダークエネルギーが強くなり、電磁力を凌駕するようになると、物質が分解されてしまいます。
分子はさらに原子に、さらに原子が原子核と電子に分解します。

さらにダークエネルギーが強くなり、強い力を凌駕すると原子核も分解されクォークに分解されてしまうんですよ。

まさに、宇宙が引き裂かれる状態となるのですね。

宇宙の将来がどうなるかという説には、
広がってしまいわずかな放射が残る暗黒の宇宙になるというビッグフリーズ説、
ある段階から膨張から収縮に転じ、最後は超高温の一点になっておわるというビッグクランチ説があります。

宇宙の終焉(ウィキ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%87%E5%AE%99 …
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この回答へのお礼

早速のご回答ありがとうございます。
<強い力を凌駕すると原子核も分解されクォークに分解されてしまう>ことがありえるのですね。
したがって、宇宙が<引き裂かれてしまう>というより、(宇宙の)の物質が引き裂かれてしまう、の方がより分かりやすい表現ですね。あるいは、(宇宙の)物質がバラバラになる、の方が躓かないですね。

お礼日時:2019/03/11 17:15

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