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がんが生じるメカニズムと、分子標的薬による治療について、細胞内シグナル伝達の観点から教えてください!

A 回答 (1件)

どこまでお答えできるか・・と思います。



●がんが生じるメカニズムについては、

がんは、正常細胞に癌遺伝子ができ、癌遺伝子の情報により、分裂し増殖する悪性細胞と言うことですが、
癌遺伝子の発生と増殖を許す理由としては次の3つの説が主流です。
①原型(げんけい)癌遺伝子の塩基変化
 人の遺伝子には、癌遺伝子とほぼ変わらない成長に必要とされる塩基配列の原型癌遺伝子があり、この原型癌遺伝子が放射線や化学物質などの発癌性物質によって傷がつき、その塩基の修復にミスを起こして癌遺伝子の塩基配列となる。
②癌抑制遺伝子の欠落(分裂を阻止する遺伝子の欠落)
 細胞の分裂を抑制する遺伝子として、rb遺伝子やp53遺伝子など20種余りの癌抑制遺伝子が発見されているが、このブレーキ役の癌抑制遺伝子にウイルス遺伝子が作る蛋白質が結合し分裂を阻止できなくなり、悪性度を増す。
③ウイルスの作用
 ウイルスの遺伝子が細胞の遺伝子に入り込み(挿入され)、癌遺伝子となり分裂し増殖する。癌遺伝子を作るウイルスを癌ウイルスとか腫瘍ウイルスと呼び、以下のものが知られています。
EBウイルス (Epstein-Barr virus) - バーキットリンパ腫・上咽頭癌 ・胃癌
B型肝炎ウイルス (Hepatitis B virus; HBV) - 肝細胞癌
C型肝炎ウイルス (Hepatitis C virus; HCV) - 肝細胞癌
ヒトパピローマウイルス16型(Human papillomavirus type 16; HPV-16)-子宮頸癌
ヒトパピローマウイルス18型(Human papillomavirus type 18; HPV-18)-子宮頸癌
ヒトTリンパ好性ウイルス1型 (HTLV-1) - 成人T細胞白血病

●分子標的薬による治療について

できた癌遺伝子は、増殖因子・膜表面に局在してチロシンキナーゼ活性を持った増殖因子のレセプター・膜内側のGTP結合蛋白質であるRasファミリー・細胞質に存在しているセリン/スレオニンキナーゼ・核内転写因子などの機能を持つと言われ、これらは、増殖因子の刺激を受けて細胞が分裂するときに、その信号を膜表面から核内に伝達する遺伝子群とされます。
そこで以下の分子標的薬が開発され使用されています。

①がん細胞の細胞膜上での情報のやり取りを妨ぐ薬。(シグナル伝達阻害剤)

②がん細胞内部の情報伝達を妨ぐ薬。(シグナル伝達阻害剤) 代表的なものにイレッサ

③核内の異常な転写因子が活性化するのを阻止してがんの増殖を抑える薬。(転写因子活性阻害剤)

④がん細胞は新たな血管を作り栄養を取り入れます。血管新生に関与するタンパク質を阻害して血管新生を妨ぎ兵糧攻めにする薬。(新生血管阻害剤) 代表的なものにアバスチン

⑤がん細胞は転移の際に周囲のコラーゲンなどを分解するタンパク質を出します。このような転移に関わる因子を阻害する薬。(転写因子阻害剤)

⑥がんを最終的にやっつけるのは活性型キラーT細胞ですが、その働きを癌細胞が抑制しているのを解く抗体医薬品。(免疫チェックポイント阻害剤) 代表的なものにオプジーボ

などが開発されています。

しかし、これら阻害剤で縮小はするものの癌は解決できないことから延命が主目的です。
癌を解決するには免疫の活性化が全てです。免疫療法に目を向けねばなりません。
オプジーボはある意味で免疫療法ですが、やはり白血球にダメージを与えるため、間質性肺炎も生じることから真の意味の免疫療法ではありません。
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