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強磁性体/超伝導体接合に磁界を加えたときに、電子のスピン偏極が生じる原因が理解できないのでを教えてください。
よろしくお願いします。

A 回答 (1件)

 伝導電子のスピン偏極自体は、強磁性体/超伝導体接合とは無関係です。

おそらく、その接合を使って強磁性体の電子のスピン偏極度を測定する話しじゃないですか?この場合の強磁性体はおそらく金属のことだと思うので、その仮定で話をします。
 まず、電子スピンはスピン量子数1/2なので、上向き(up)と下向き(down)の2方向しか取れないのですが、上向きと下向きの区別は磁場方向に対してのものなので、そもそも磁場が無いとスピン方向が定義出来ません。
 次に、磁場をかけると、スピンと磁場の相互作用の効果で、上向きスピンを持った電子のエネルギーは下がり、下向きスピン電子のエネルギーは上昇します。そのために、それぞれの電子のバンドがエネルギーに対しシフトします。通常の強磁性体では、バンドが下がるとフェルミ面(伝導電子を供給するエネルギーのレベル)の状態密度が増す=出てくる伝導電子の数が増え、バンドが上がると伝導電子は減りますから、その電子の数の比でスピン偏極度が決まります。希に、かけた磁場とは逆方向にスピン偏極する物質も有ります。
 また、理想的な強磁性体と言うのは、物質内が一様に磁化しているものですが、実際の強磁性体は磁場をかけないと、磁区と呼ばれる小さな複数の領域に別れて領域ごとにばらばらな方向に磁化されています。それで、実際の実験では強磁性体に十分な強さの磁場を加えて磁区を一つにし、伝導電子の偏極スピン方向を揃える必要も有るわけです。
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