No.3ベストアンサー
- 回答日時:
既にお二人が妥当なご意見を述べていらしゃいますが、付け加える形で述べます。
「広辞苑」は戦前に編集が開始された辞書で、百科事典や古語辞典の要素をも兼ねたものとして、多くの人に利用される一冊完結の大辞典として、戦後いち早く出版されたものです。しかも、出版社が「岩波書店」だったため、辞書の代表的な存在になりました。テレビのクイズ番組などでも、『「広辞苑」に出ている言葉10個を答えよ』などと使っています。
この辞書の特徴の一つ、辞書の用例にはその時点でもっとも判明しているもっとも古い用例をあげようと試みたこと。結果的にその語が使われ出した古い(初出)用例を重要視したこと、そしてもうひとつ今まで殆ど問題にされなかった、「自動詞・「他動詞」の弁別を試みたことです。対して学校文法を学ぶ生徒に不便になったのは、時枝文法を支持する著者の態度から必然的に「形容動詞」を認めなかったことです。
「大辞林」「大辞泉」は兄弟のような存在で、松村明氏が編集者代表。例文まで似通っています。特徴は「可能動詞」が存在する動詞にはそれぞれに「可能形」があげられていること。「広辞苑」に比べられることが多いが、現代語中心であまり個性的ではありません。ただ、「大辞泉」は「デジタル」銘打っているだけのことはあり、ネット上の利用が多く、その分、部分的な改版が常時行われているようです。
やはり注目は「日本国語大辞典」で、その巻数からいって、個人で持つ人は少ないでしょう。また改版も大変ですから、現在第二版、その「精選版」が一般に参考にされているようですが、やはり、本来の大辞典の比ではありません。殆ど図書館でしか見られないでしょうが、「ジャパンナレッジ」という形で、(他の著名な辞典類とセット)利用可能です。月額1620円(パーソナル)または、2160円(パーソナル+R)です。中身の辞書はびっくりするくらい種類も、大きさもあります。外国語も多彩です。「日本国語大辞典」だけで十分なくらい。
辞書に戻って、広辞苑の「自他の区別」その後の「日本国語大辞典」をはじめ、幾つかの小辞典も後を追うようになりました。「自他の区別」の問題は、機会をみて述べましょう。
No.2
- 回答日時:
『広辞苑』(1955年初版)のステイタスとブランドは、紙媒体の辞書が主流の時代に築き上げられたもので、それが継承されています。
『広辞苑』は、当時、一般家庭の書斎に一冊置いておく中型国語辞典として、内容がしっかりしたものだったのです。
この『広辞苑』に対抗して出版されたのが三省堂の『大辞林』(1988年初版)で、中型国語辞典の双璧とされています。
小学館の『大辞泉』(1995年初版)は、メディア用語やインターネット用語の収録に積極的で、コトバンクにデジタル版を提供していることからも、ネットでの活用を意識した辞書だということがわかります。
なお、『精選版 日本国語大辞典』を『広辞苑』と比較するのは、辞書の規模が違うので、比較すること自体が気の毒かと思います。『精選版 日本国語大辞典』は紙媒体だと全3巻(2,192頁*2,160頁+2,128頁=合計6,480頁)、『広辞苑』は全1巻(第7版は3,216頁)。オンラインだと気づかないでしょうが、紙媒体で購入するとなると、1冊で済むか3冊もあるかという違いは、大きいですよ。
また、『日本国語大辞典』は現代語専用の辞書ではなく、古代から現代まで、意味が古い順に説明を載せているので、現代語辞書として使いたい人にとっては、少々不便なこともあります。辞書の特徴をよく理解して使わないといけません。
ちなみに、精選版ではない『日本国語大辞典』をよく使うような人からすると、精選版は中途半端という感じです。『広辞苑』などの中型辞典よりはよほど使えますが、『日本国語大辞典』に求める機能としては足りない、という感じです。
国語辞書というのは、これまでに発行された辞書をすべて調べて、それをたたき台として、改善したり独自色を出したりするものです。
どの辞書が使いやすいかは、その人の好みにもよるし、目的にもよります。
現代語やネット用語に馴染みやすいのは『大辞泉』、ややクラシカルな現代語から古語まで俯瞰するなら『広辞苑』。
オンラインで提供されている場合は、物理的な分量は気にしなくて良いので、収録語数が多い辞書のほうが便利でしょうが、紙媒体や電子辞書として所持する場合は、ページ数やデータ容量との兼ね合いも大事でしょう。
『広辞苑』が最良とは思いませんが、『広辞苑』があったからこそ、現代の様々な中型国語辞典の発展があるのだと考えれば、レジェンド扱いも自然なことかと思います。そして、何度も大幅な改定を加えることによって、そのブランド力が落ちないような努力もされているのです。
No.1
- 回答日時:
好き好きなんだからそれでよいのでは。
それにしてもバイブルとは、岩波の営業さんですか笑。『大辞泉』は新語に敏感でネット世代には身近な単語も大量に受け入れているが、それだけに頻度高く改訂しないとすぐに時代に遅れるというアキレス腱を持っている。一発受け狙いの吉本の芸人みたいに次々と入れ替えないとダメね。それなのに経営が難しいからかまだⅡ版しか出てないけどね。有る意味無責任だ。
その辺りは、岩波は言語の盛衰をよく見ているから、一応これだけ抑えれば常識ある大人の用語として大丈夫的な安心感がある。もうⅦ版だっけそろそろ磨き抜かれて風格も出てきているんじゃないかな。
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