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農地をA社に売却したとします
農業委員会の許可が出る前なので仮登記で売買は成立しました。
10年後そのA社が倒産してその土地には資材が放置されたままだったとします
調べてみると仮登記のままで本登記されていませんでした
この場合、この資材の撤去は元の所有者(A社に農地を売った人)が責任を負うことになるのでしょうか

A 回答 (1件)

結果的にそうなると思います。



農地の所有権移転は,農地法所定の許可が効力要件になっています。当事者間で売買契約書を交わしたとしても,農地法の許可を得ない限りは売買契約の効力が生じないので,農地の所有権は移転しません。だから登記しようにも仮登記しかできないわけですが,その仮登記も,契約が農地法の許可があったときに効力が生じるという停止条件付売買契約であれば「条件付所有権移転仮登記」ですし,所有権移転する権利だけを保全しておく売買予約契約であれば「所有権移転請求権仮登記」です(そのどちらも不動産登記法105条2号の仮登記)。単純な「所有権移転仮登記」(不動産登記法105条1号の仮登記。こちらの仮登記は,効力は生じているものの不動産登記法所定の書類等が提出できないために仮登記しかできないというもの)はできません。

2号の仮登記をしても所有権移転の効力は生じていないので,農地の所有者は,農地の売主に残ったままです。契約の効力(契約の当事者を拘束できる)として占有を買主に移したとしても,その買主は所有者である売主の許可を得て,所有者に代わって占有しているだけ(ということになってしまう)です。その農地上に放置されている資材の所有者は買主にあるので,その撤去等に関する責任は買主にあるものの,その会社が倒産してしまっているのであれば,責任の追及は困難かもしれません。そこで次点の責任者として浮上するのが土地の所有者です。自己の所有地に資材を置くことを許したのは所有者だということで,そのことによる責任を負うことになるでしょう(そのあとのことは,買主と売主がケリを付けるべきことになります。A社が破産しているのであれば破産管財人に話をして対応を図ることになるでしょう)。

売主は,仮登記の際にだけ登記にかかわるわけではありません。仮登記の本登記の際にも売主の協力は必要(売主が登記義務者になるから)なので,売主が知らないうちに本登記がされているなんてことは通常はありません,そういうことができるための書類を渡しておくことも考えられますが,それは売主の危機管理能力の欠如の問題ですから,それに起因する責任は売主が負担すべきものです。

ということで,最終的な責任は別問題として,とりあえずは農地の売主が責任を負うことになるでしょう。
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この回答へのお礼

なるほど、よくわかりました

ご回答ありがとうございました

お礼日時:2019/08/31 21:16

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