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是枝氏の作品を観終わると、どうしても、もやもやした感じが残ります。
(でもつい観てしまうんですけど、、)
カタルシスが感じられないというか、、
皆様はどうですか?

質問者からの補足コメント

  • HAPPY

    皆様、非常に解りやすく丁寧な説明で回答してくださってて、
    本当にありがとうございます!
    (私はこんなにキチンと書けないので羨ましいです!)

    ただ、全員にベストアンサーを決めちゃいたい位、悩んでしまいます、、w

      補足日時:2019/11/02 04:52

A 回答 (6件)

ほかのご回答の言い換えになってしまいますが、いわゆるスカッとすることを期待していらっしゃるのだとしたら、是枝作品が目指しているのは、むしろ逆です。

是枝監督はドキュメンタリー出身で、根底にある思いは「世の中の現実を知ってもらい、考えてもらいたい」だと思います。とはいえ、監督が見せたい「現実」はその「酷さ」というよりは、一見すると「酷いもの」の中にある「普遍性」だと思います。

例えば、私たちは日々、報道や情報番組で犯罪や虐待の事実を知りますが、多くの人は「酷い行為で、私には考えられない」などと感想を述べますよね。でも、それでは犯罪や虐待を遠いものとして遠ざけるだけで、解決には結び付きにくいですし、被害者も加害者も単なる哀れな存在として葬られがちです。

一方で、是枝作品が見せようとしているのは、「その酷く見える行為について考えるきっかけ」です。つまり、私たちの当たり前の日常の中にも罪はひそんでいるし、私も少なからず罪深いし、かといって、法的に罰せられる人の罪も私たちの罪深さと紙一重だし、それに、どこかでこの映画を見ているかもしれない、被害者だったあなたも、そんなにかわいそうではなかったのではないか。被害者としてのあなたの人生も、それなりにステキだったろうし、これからも、力強く生きていけるのではないだろうか、といったことです。

だから、是枝作品には、何かの犠牲となった子供が必ずといっていいほど登場します。そして、監督がブレイクするきっかけとなった『誰も知らない』のパンフレットや当時のメディアを通じて語ったように、世間で"地獄"であるかのように言われていた、虐待された子の毎日の中にも温かさがあったのではないか。地獄を一人で背負っていかずとも、いい未来がその子にもあるのではないか、といった類いのことです。

で、私個人としては、そういうところにも目を向けてくれている是枝裕和さんという人がいて、それを多くの人に向けて(それなりに)わかりやすく描いてくれているのが、とても頼もしく感じられ、ある意味、癒され、それゆえに、「スカッ」とはしませんが「スッ」とはするんですよね。

でもそこから私たち観客は考え続けないといけないのです。是枝作品によって私たちは宿題を与えられていて、素晴らしい作品を鑑賞して劇場をあとにしてからこそ、この思いをどう自分の毎日に活かせるかを考えないといけないわけです。つまり、あえて「もやもや」を抱え続けられるようにできているのが是枝作品なのです。でも、抱え続けても、それほど苦しくないような「もやもや」に、そして、もっと観たくなるような「もやもや」に仕上がってはいると私は思います。
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この回答へのお礼

是枝作品は「スカッ」とはしないが「スッ」とする<確かに
何気ない家庭の日常を淡々と映し出した光景、特に『万引き家族』
ではそういう描写に癒されました。

是枝監督がドキュメンタリー出身だとは知りませんでした。
それが、ああいう作風を生み出している要因なのですね。

児童虐待、貧困、赤ちゃん取り違え、離婚、ステップファミリー、
殺人事件etr...、、是枝監督はこれまでに様々な宿題を
観客に与え続けてくれていますね。
これからの社会はもっともっとこれ以上の問題が増えると
思いますが、それらをテーマにした是枝作品を観て、
これからも『もやもや』し続けたいです。

ありがとうございました!

お礼日時:2019/11/12 04:35

是枝裕和は, 単なる反日左翼のクズ.


映画監督といっても, 作品の中身は空っぽで, 観た後に何も残らない.
残るのは, 吐き気や嫌悪感だけ.
貴方のいう「もやもやした感じ」とは, 吐き気や嫌悪感, またはそれに近いものでしょう, おそらく.
大江健三郎のノーベル文学賞受賞が典型例だが, 文学や芸術の世界では, 反日左翼のクズが高く評価される.
過大評価というよりは, 間違った評価というべきだろう.
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この回答へのお礼

私の言う『もやもや』は、貴方の言うところの
吐き気や嫌悪感ではありませんでした。

ですが、今回この質問で、皆様が色んな回答を下さって、
こんな『意味のあるもやもや』なら悪くないな、と思いました。

銀幕を通して、様々な社会問題を観客に問い掛けてくれる
是枝作品を、私はこれからも応援したいです!

ありがとうございました!

お礼日時:2019/11/12 04:52

「観終わると」「もやもやした感じが残ります」とおっしゃっていますが、私の場合、見ている途中からすでにもやもやします。

そこで思い出したのが、夏目漱石の『文学論』の「序」です。

余は下宿に立て籠りたり。一切の文学書を行李の底に収めたり。文学書を読んで文学の如何なるものなるかを知らんとするは血を以て血を洗ふが如き手段たるを信じたればなり。

是枝監督は大学時代から映画三昧の生活を送ってきたそうで、監督となってからも「映画を以て映画を洗ふ」ような作品を撮っていると思います。それが、見て「もやもや」を感じる一因ではないでしょうか。血を以て血を洗ってもスッキリしませんよね。是枝氏は脚本も自分で(たぶん一人で?)書いているし、作品のいわば原像は監督の頭の中だけにあるのかも知れません。
比較対象として、「水を以て血を洗う」ような作風の監督はと言うと、たとえば黒澤明が思い浮かびます。彼は是枝氏と異なり、映像の仕事に就く前に多少寄り道をしています(洋画家を目指していた)。脚本も自分一人でなく、仲間数人と旅館に連泊して盛んに議論を戦わせながら共同で書いたそうです。そのせいもあって、黒澤作品は筋立てが明快なんですよね。カタルシスがあります。
明快だからこそ、複雑なことも表現できるし、神秘的なことも際立ってくるというか。単純明快ではなく複雑明快です。ただし、黒澤の全盛期の作品ですよ。歳をとってからの作品は明快ではなくなりました。

話を戻して是枝監督についてですが、すでに他の回答者さんもおっしゃってるように、ドキュメンタリー出身ということも影響しているでしょう。ドキュメンタリーは、いわば夾雑物がたくさん写り込みます。さきほど「作品のいわば原像は監督の頭の中だけにある」とは書きましたが、是枝作品は劇映画として原像通りの世界を作り上げるというより、自然や社会の雑多な様相も併せて写した映像になっています。
それでは、いわゆる「社会派」かと言うと、監督は「自分では社会派だという意識はなくて」と語ってるんですよね。独特の作風をもっていて、ファンも多いし評価も高いようです。
ということで、是枝作品は筋立ても絵作りも「もやもや」の要素がありますが、それがいいところでもあると言えるでしょう。
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この回答へのお礼

夏目漱石や黒澤明の逸話も絡めて、是枝作品への『もやもや』の
原因を、スレ主様独自の視点で解明して頂き、ありがとうございます!
凄く納得できる内容でした。

これからも多くの是枝作品に触れ、登場人物達と共に悩んだり、
怒ったり、感情移入しながら是枝監督の伝えたいメッセージを
受け取り、多いに『もやもや』したいと思います!

お礼日時:2019/11/12 01:56

私も全部観ているわけではないのですが、是枝裕和作品はその「もやもや」を意図的に残すように作られている気がします。


全て映像や言葉で語り、説明し、作り手の解釈を押し付けたりする、カタルシス目的の娯楽作ではないです。
家族をテーマにした作品が多いですが、
当たり前の日常を切り取ってスクリーンに映しだし「この家族はこの後どうなったでしょう?」という投げかけで終わるパターンです。
そういう意味では(あくまでも個人的に)「三度目の殺人」は意欲作ですが失敗だと思います。(アレはちゃんとわからないといけない物語です)
「誰も知らない」を始めて観た時の衝撃は忘れられません。
ネグレクトはいけない、と等と安っぽく語るのではなく、
その環境に置かれた子供達の何気ない自然な「日常」をまるでドキュメンタリーのように、じっと静かに捉え観客に訴えます。
大きな事件や展開もないのに、観客は観ているのではなく、気付いた時にはすうっとその世界に入り込んでいる・・映像の持つ力なんだと思います。
(そういう意味ではジブリのアニメも同様の力がありますよね)
特にいつも子供達の演技ではない「演技」が素晴らしいです。
「万引き家族」も色々言われてますが、安藤サクラさんの取調室のシーンも素晴らしい演技ですし、
「誰も知らない」に繋がりそうなラストシーンは胸が締め付けられます。
「何とか出来ないのか」「声をかけてあげたい」・・そういう観客の思いこそが作品の意図なのではないでしょうか?
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この回答へのお礼

是枝作品を全ては観ていませんが『万引き家族』のオチ
(家族はバラバラ、虐待されていた少女は元の親に戻されてしまう)
が一番「もやもや」(というか胸が痛い思い)してしまいましたね。
観ていた映画館で「何これ!最悪じゃん?!」
と叫びたくなりました、、

『そして父になる』はリリーさん演ずる父親に感情移入して
福山さん演じる父親にはイラッとしました。
「血縁であることがそんなに重要なのか?
それって子供の気持ちを踏みにじってはいないか?」
と深く考えさせられました。

『海よりもまだ深く』ではラストの主人公夫婦の台詞
「こんなはずじゃなかったのに、、」で泣いてしまいました。
実は私自身が現在、夫と別居中で離婚を控えているから
なんですけどね(苦笑)

でもこれからも「もやもや」しつつも是枝作品を沢山
観ていきたいです、、ありがとうございました!

お礼日時:2019/11/12 02:21

「海街diary」のような原作のあるものはあまりなく、ほとんどが是枝監督の原案原作脚本のオリジナルです。


 多くの作品のエンディングが私達にその判断を求められているような気がします。そして観終わったあとに、同伴した人、映画の感想サイト、そしてこのようなサイトでの質問などで自分の感想と他人の感想を話し合うような感じに仕上がっています。
 ようするに「オチは皆さんにおまかせします」ってかんじですね。
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この回答へのお礼

解決しました

こういうサイトで、他人様と自分の映画の感想を交換する、、

是枝監督の狙いはそれだったんですか、深いですね!

回答頂きありがとうございました!

お礼日時:2019/11/08 02:52

全部は観ていないのですが…。


絵はきれいなのですが、ファンタジーとしてはロマンがないというか、そのもやもやのお気持ちはわかるのですが、
なんだろう、エヴァンゲリオン以降のアニメって、哲学語りすぎ、のような。
もっと気楽に観たいのですが。
質問者さまのご意見とずれていたらごめんなさい。
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この回答へのお礼

Thank you

エウ"ァ以降のアニメだと『蒼穹のファフナー』『少女革命ウテナ』
『機動戦艦ナデシコ』etr...他にも色々ありますが
エウ"ァの影響受けてんな~と思いながら当時観てました笑

気楽にアニメ観てスカッとしたい時もありますよね!

回答頂きありがとうございました!

お礼日時:2019/11/08 02:45

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