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Zeitに連載されたJürgen Habermasの記事「何故ヨーロッパに憲法が必要なのか。」からの文章です。
1)Denn damit wird der voluntaristische Charakter einer Staatsbürgernation verfehlt, deren
kollektive Identität weder vor noch überhaupt unabhängig von dem demokratischen Prozess, aus dem sie hervorgeht existiert.
この文章の「aus dem sie hervorgeht」のdemの先行詞は「dem demokratischen Prozess」で
「sie」は「Staatsbürgernation」なのでしょうか。

2)In diesem Kontrast von Staatsbürger- und Volksnation spiegelt sich auch die große
Errungenschaft des demokratisch Nationalstaats, der ja mit dem Status der
Staatsbürgerschaft eine völlig neue, nämlich abstrakte, durchs Recht vermittelte Solidarität
erst hervorgebracht.
「der ja mit dem Status der Staatsbürgerschaft eine völlig neue, nämlich abstrakte, durchs
Recht vermittelte Solidarität erst hervorgebracht.」がいまいちよくわかりません。「国家市民という地位を持って完全に新しい、すなわち抽象的な、法によって仲介される団結を生み出した。」でしょうか。

3)Diese Identitätsformation verdankt sich einem schmerzlichen Prozess der Abstraktion,
der lokale und dynastische Loyalitäten schließlich in dem Bewusstsein demokratischer
Staatsbürger, zur selben Nation zu gehören, aufgehoben hat. Wenn das zutritt, gibt es aber keinen Grund zu der Annahme, dass die Formierung eines solchen Typs staatsbürgerlicher
Solidalität an den Grenzen des Nationalstaates Halt machen müsste.
この文の「sich」は、「Diese Identitätsformation」を指しているのでしょうか。また「dynastische
Loyalitäten」は分かるのですが、「lokale Loyalitäten」は何を指しているのでしょうか。またこの文章の「aufheben」の意味が分かりません。aufhebenを辞書で引くと①持ち上げる・拾い上げる
②保存する・とっておく③廃止する・破棄する④相殺すると載っていますが、どれもこの文章に当てはまると思いません。「痛みを伴う抽象化の過程が、地域的・王朝的忠誠心をついに同じ国家に所属しているという民主的な国家市民の意識に変化した」と訳してみましたが間違いでしょうか。
「aufheben」を「変化した」に訳しているから間違いですよね。

4)Diese Prozesse können durch eine Verfassung, die einen gewissermaßen katalysatorisch
Effekt hat, beschleunigt und auf den Konvergenzpunkt hin gelenkt werden.
「auf den Konvergenzpunkt hin gelenkt werden」が分かりません。

5)Europa muss sozusagen die Logik jenes Kreisprozesses, worin sich der demokratische
Staat und die Nation gegenseitig hervorgebracht haben, noch einmal reflexiv auf sich selbst
anwenden.
この文章の「worin sich der demokratische Staat und die Nation gegenseitig hervorgebracht
haben」が分かりません。「民主的なStaatやNationは互いに互いを生み出しあってきた」と訳しましたがいまいちしっくりきません。この文章の「sich」は「der demokratische Staat und die Nation」を指しているのでしょうか。

長すぎる質問ですみません。この文章は哲学者が書いているので抽象的でわかりにくいです。何度も辞書を使って読んでみたのですが半分もわかりません。回答して頂けるととてもありがたいです。

質問者からの補足コメント

  • うーん・・・

    aus dem sie hervorgeht の所コンマを打つのを忘れました。Prozess, aus dem sie hervorgeht,
    existiertでした。すみません。

      補足日時:2019/11/12 15:22

A 回答 (2件)

1) の文中の関係代名詞 dem の先行詞は 「dem demokratischen Prozess」で正しいです。


文法的にも内容的にもこれしかあり得ません。
dem なので、男性または中性の単数名詞を指すことになりますが、
Prozess 以外に該当するのは Charakter だけです。
関係詞は基本的に直前にある語に係るので、ずっと遠くにある Charakter ということはあり得ません。
sie が指すのは「kollektive Identität」です。
aus dem sie hervorgeht が挿入句としてあるので、その前の部分を補足的に説明しています。
「weder vor noch」は誤りではありません。省略せずに書くと、
「weder vor dem demokratischen Prozess noch überhaupt unabhängig von dem demokratischen Prozess」ということです。
集団的アイデンティティーは、民主主義の成立過程から生まれたので、
当然その過程以前にも存在せず(=weder vor dem demokratischen Prozess)、
その過程と全く無関係に存在するものでもない(=noch überhaupt unabhängig von dem demokratischen Prozess)、
というのがこの文の趣旨です。
これの前の文に、「民族や言語、歴史などに特徴づけられる、
政治以前に運命的に存在する共同体と、Die Nation der Staatsbürger を混同してはならない」
という意の文があります。そういう政治以前に運命的に存在する共同体では、
民族や言語などの集団的アイデンティティーが最初からありますが、
ハーバーマスの言う Staatsbürgernation は、同じ考えや価値観のもとに意志を同じくする人間の共同体なので、
集団としてのアイデンティティーも民主主義の成立過程に形成されるということです。
「verfehlen」は「的を外す」という意味です。受動態ですから、
「市民国家の主意主義的特徴を捉えそこなう」という意味です。全体を訳すと、

「というのは、それにより(=政治以前に運命的に存在する共同体と、Die Nation der Staatsbürger を混同することにより)、
市民国家の主意主義的性格を捉えそこなうからで、
その市民国家の集団的アイデンティティーは、それを生んだ民主主義成立の過程の前にも存在せず、
その過程と全く無関係に存在するものでもない。」

となります。

2) ですが、「国家市民という地位とともに」でもよいですが、意味するところはわかりますか。
Staatsbürgerschaft は「国籍」ですから、Status der Staatsbürgerschaft は、
その国の国籍を有しているというステータス、その国の国民であるという資格、という意味です。
abstrakte Solidarität というのは、「同じ人種で同じ言語を話すから」というような理由に基づく「具体的な連帯」の対義語と考えればよいのですが、
法によって与えられる全く新しい「抽象的連帯」というのは、つまり、
国籍の取得により法的にその国の国民になったから、という理由での連帯なので「抽象的」と形容しているわけです。
「sich spiegeln」は「現れる」と訳してかまいません。

「この、市民国家と民衆国家の対比の中に、民主主義的国民国家の偉大な成果も現れるが、
それは、国籍所持という資格とともに、全く新しい、つまり抽象的な、
法によって与えられる連帯を初めて生み出す。」

3) の「sich」は本来初歩的な事項ですが、再帰代名詞です。
sich verdanken(=「に基づく、~のおかげである、~のせいである」)という再帰動詞ですから、
sich は当然主語と一致し、「Diese Identitätsformation」を指します。
「このアイデンティティーの形成は、抽象という苦しいプロセスの賜物である」とでも訳しましょうか。
「lokal」は「地域的」「地方の」の意味で、「lokale und dynastische」という順で並んでいるので、
多くの小さな地域的王朝国家における忠誠心、ということだと思います。
哲学用語の「aufheben」は「止揚」や「揚棄」と訳されますが、
辞書に載っている意味のうちの「廃止する、破棄する」と「保存する」の二つに関連して、

なにがしかの「発展」があるときは、前のものが別のものになって無くなり、
より高められたものに変わって保存される、

という意味を持ちます。
ただし、「zur selben Nation zu gehören」は zu 不定詞句なので、
そのあとに置かれている aufheben の方向を指すものではなく、Bewusstsein を説明するものです。
Bewusstsein は「自覚」とした方がよいですね。あと、zutritt は zutrifft の間違いです。

「このアイデンティティーの形成は、抽象という痛みを伴うプロセスの賜物で、
そのプロセスは、同じ国家に属するという民主主義的市民の自覚の中で、
最終的には地域的、王朝的忠誠を止揚したのである。
もしそうだとしても、しかし、市民的連帯のこのようなタイプの形成が、
国民国家の限界で止まるべきではないかと推論する理由はない。」

4) auf + 4格で方向を示し、hin もその移動の方向を強調します。

「こういったプロセスは、いわば触媒効果のようなものを持つ憲法により、
より速められ、収斂点へと導かれる。」

5) sich hervorbringen(生まれる)は再帰動詞なので、3) で書いたように、sich は主語に一致します。
「生まれる」という自動詞的意味になるので、「互いに互いを生み出す」だと誤訳になります。
意味が分かりにくいとしたら、それはドイツ語の問題だけではなく、
ハーバーマスの使う用語の意味や思想の内容についての知識が欠けているからでしょう。
私自身詳しいわけではありませんが、この文章について解説したドイツ語の書物がいくつかネット検索で出てきます。
ハーバーマスは、Staat と Nation という語を使い分けており、
特に、「国家」という意味で Nation を単独で使うことはほとんどないといいます。
Nation は、単一民族国家の意味合いにもなるからで、
ここでは Staat と Nation は、相反する概念として並べられていると思います。
gegenseitig は「双方ともに」、Kreisprozess の Kreis(循環)から推測できるように、
両者が相互的に、交互に生まれ続けるという連続を意味します。

「ヨーロッパは、あの、民主主義的国家と民族国家が相互に生まれるという循環プロセスの論理とでもいうべきものを、
もう一度熟考しつつ自らに応用しなければならない。」
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この回答へのお礼

丁寧に解説してくれてどうもありがとうございます。背景知識まで踏まえて解説して下さってよくわかりました。感謝です。

お礼日時:2019/11/13 13:38

難解な文ですね。

参考にトライしてみました。

1)と云うのも、それによって公民国家の主意主義的な性格が場違いとされ、
 その集団的アイデンティティはそれが発生する民主的なプロセスから前にも
 後にも総じて独立には存在しない。

 “weder vor noch“は間違いでは?” weder vor noch nach”としてみました。

2)公民と民族国家のこのコントラストの中に民主的な国民国家の偉大なる
 成果も反映しており、それは国家市民のステータスと共にある全く新しい、
 つまり抽象的な、権利により橋渡しされる団結を始めて呼び起こした。

3)このアイデンティティ形成は抽象化の痛苦なプロセスのお陰で、それに
 地域的で王朝的な忠誠がとどのつまりは同一の国家に属する民主的な国家
 市民の顕在意識の中で同一の国家に属する事へと止揚している。それが正しい
 ならば、国家市民的な団結のその様な型の形成が国民国家の際で止まる
 必要は無いと云う仮定の存在理由は無い。

 Aufheben :哲学用語「止揚」

4)このプロセスはある程度の触媒効果を有する一つの憲法によって加速され
  収束点に向かって誘導される。

5)ヨーロッパはいわゆるかの循環プロセスの論理をもう一度自省的に我が
  身に当て嵌めて適用しなければならない。

sichは訳し難い単語です。ある事が自動的に自然に起こる様な時に使われます。

訳して見たのですが半分も分かりません。ZeitとかSpiegelを読めた
昔々の大昔が懐かしいです。
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この回答へのお礼

回答して下さってどうもありがとうございます。ZeitもSpiegelも難しいですよね。私ももう少し簡単な文章から始めた方が良いと思いました。

お礼日時:2019/11/13 13:40

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