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エキシマーレーザーという気体レーザーの発生原理をご存知の方いらっしゃいましたら教えていただけませんでしょうか?

A 回答 (2件)

 有名なエキシマ (excimer≒excited dimer 励起された二量体)である フッ化クリプトン(KrF)について考えてみますと。



 希ガスである Kr は安定単原子分子ですから、どんなに F の電気陰性が強くても、KrFという物質は反発的であり、この世に存在できそうにありません。
 しかし、Kr が励起状態(Kr*) になれば、電子状態が水素(H) の原子に似てきますから、HF という過激な分子があるように、KrF(*)が存在できるというのは、なんとなくわかります。(中性チャンネル)
 同様にKrをイオン化してKr+にすれば、F-と結合できることも直感的でしょう。(イオンチャンネル)

 さて、KrFなどといった物質が、歴史的にレーザ媒として注目されたのは、以下のような理由だと思います。

 1)反転分布の得やすさ
 エキシマは励起状態ではしばらく存在できるのに、基底状態では存在できないので、強い反転分布を作り出せるため、レーザ発振に必要な誘導放出が(レーザの発振理論どおり)強くなる

 2)発振波長の短さ
 通常のガスレーザ(HeNe、AR+など)では、可視光より長い波長での発振がほとんどであることは、ご存知のことと思います。
 ところが、希ガスの励起準位は、元々高い(10eV以上)ので、その結合であるKrFなど、エキシマの励起準位も高くなり(3eV以上のものが多い)、通常のレーザでは得にくい、紫外・真空紫外波長の発振が得られています。(KrF 248nm ArF 193nm・・・)

 3) 電子エネルギーの利用効率の良さ
 放電や電子ビームで励起するわけですが、その中で起こっている主な反応は(eは電子とします)

  e+Kr →  e +Kr*
  e+Kr → 2e +Kr+

 F2+e → F + F-
  (電子解離による陰イオン生成)

  Kr* + F → KrF*
Kr+ + F- → KrF*

 これ以外に複雑な反応もあるのですが、ざっくりとはこんな感じです。
 で、注目したいのは、「無駄な反応がない」ってことなんです。
 「作られたものは、全て使うようになってるプロセス」ってことが、効率の良さを裏打ちしています。

 今や、半導体露光装置(ステッパー)の多くはArFエキシマレーザ光利用がメインの時代となっていますが、正直、その次の世代の光源として有力なものが無いのが実情です。フッ素エキシマという説も、インテルが“開発中止”の方針(インテルの「方針」は、業界にとって「命令」と同じです)を出した現在、白紙に近いと言えます。・・・どうなっていくのか?光学屋は、注目しています。
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発生原理って、励起の方法ですか? 初期は電子ビームで、現在は放電と聞いています。


ちなみに、エキシマーは励起状態でのみ安定で、基底状態では容易に解離するダイマー、例えば貴ガスの2原子分子(He2など)で、多数の励起分子が基底状態に移行する過程で、コーヒレントな光が出る。専門家ではないので、この辺で…。分光関係の本に出ていると思います。
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