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民法 第940条  
 相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。


【ケース1】

被相続人Aがなくなった。遺産は老朽化した一軒家のみであり、相続人である息子のBは相続放棄した。(Aの配偶者はすでに死去)
息子Bの相続放棄に伴い相続人になったAの父Cも相続放棄した。(Aの母はすでに死去)
Cの相続放棄に伴い相続人になったAの弟Dも相続放棄した。
多額の費用が掛かることから、相続財産管理人の選定も行われなかった。

結果として、誰も相続人がいない状況となった。

その後遺産であった老朽化した家屋が倒壊し、前を通行していたXがその倒壊で死亡した。

Q.民法940条に基づき、Xの遺族は誰の責任を追及できるか?

1.最後に相続放棄したD

2.相続放棄したB、C、Dの全員

3.最初に相続放棄したB
  (一番最初に遺産をすべて自分のものにする権利を有していた。)

A 回答 (1件)

2の放棄した全員でしょうね。


本条は、本人の意思、意向に沿うものではないものの、相続によって財産を取得することの反対効というか副次的な効果として定められているものです。
相続財産は放棄することで自分の物では無くなるものの、相続債権者にとっては重要な財産ですから、これを放置させるわけにもいかないため、
相続する権利を放棄する自由を認める一方で次の管理者が管理を開始するまでの間、管理義務を負わせたものです。
そうしますと、Bが放棄すれば直ちに次の相続権取得者は確定するわけですから、その者が相続権を行使するか放棄するか選択権が生じ、
その際に同時に管理義務を負うと考えれば、元の放棄者と共同して管理する義務を負うというべきです。
これを最初の相続人のみが義務を負うとすると財産取得権と義務とのバランスを欠くことにもなり平等では無くなりますし
そもそも民法第918条では、1.相続人は、その固有財産におけるのと同一の注意をもって、相続財産を管理しなければならない。と定めていて管理義務を負っています。
以上から最初の相続人、放棄によって相続権を取得した次の人、その次の人とそれぞれ管理義務を同時に課されると私は考えます。
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この回答へのお礼

>2の放棄した全員でしょうね。

ありがとうございます。
1の、最後にババをつかまされたDのみが責任を負うのはへんだと思っていました。

>Bが放棄すれば直ちに次の相続権取得者は確定するわけですから、その者が相続権を行使するか放棄するか選択権が生じ、その際に同時に管理義務を負うと考えれば、元の放棄者と共同して管理する義務を負うというべきです。
>これを最初の相続人のみが義務を負うとすると財産取得権と義務とのバランスを欠くことにもなり平等では無くなります

ある意味、読んで腹にストンとおちるわかりやすいご説明だと思いました。

お礼日時:2020/01/03 10:40

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