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民法 第940条  
 相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。


【ケース4】

被相続人Aがなくなった。Aの父、母、配偶者、子供はすでに死去しており、法定相続人はAの弟のDのみであった。
Aの遺産は老朽化したボロボロの分譲マンションの1室のみであり、相続人である弟のDは相続放棄した。
多額の費用が掛かることから、相続財産管理人の選定も行われなかった。

結果として、誰も相続人がいない状況となった。

その後遺産であった老朽化したボロマンションの専有部分の配管から水漏れが発生した。
その水漏れにより下の階住人のYの部屋に設置してあった極めて高額の精密機器が使用不能となった。YはDに対し、民法第940条をもとに損害賠償請求の訴訟を起こした。

裁判において、Dは以下の理由で一切責任をないと主張した。
・相続放棄によりDはAの遺産である分譲マンション1室への権利・義務を喪失している。
・固定資産税、管理費、修繕積立金の支払い義務は一切ない。
・同時に当該マンションの敷地内、建物共有部分、相続財産であった専有部分の1室にも一切立ち入る ことはできなかった。
・このような状況の中で、『自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続』す ることは到底不可能である。
・よって今回の水漏れに対して一切責任はない。

Q.D側の上記の主張は認められるか?

質問者からの補足コメント

  • どう思う?

    不動産を相続放棄したならば、放棄した人は放棄した不動産に対して、どのような権利・義務を有するのか?
    という質問です。

    相続放棄に伴い、所有に伴う権利・義務は一切なくなります。(と考えています。)

    民法940条では 「自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。」 と書かれています。
    民法940条の  上記の文言だけを根拠  にして、

    相続放棄した不動産に対して、所有しているのと同等の管理義務・権利を有するのか?

    というのが本質的な質問です。

      補足日時:2020/01/03 10:34

A 回答 (5件)

本件とケース3で質問者さんが書かれている、相続放棄した不動産に対して、所有しているのと同等の管理義務・権利を有するのかという点について先に書きますと、


これは質問者さんが意味を取り違えているのが疑問が解消しない原因です。
条文で書かれている自己の財産におけるのと同一の注意をもって、つまり所有しているのと同等の管理義務というのは、善管注意義務に比べて低い注意義務で良いという意味であって、それ以上でもそれ以下でもないのです。
つまり他人の物だとある程度の注意をもって管理しないとなりません(善管注意義務)が、自分の所有物だと管理は甘くなりますよね。つまりそのレベルで良いけど相続財産を棄損滅失しないよう管理する義務を負っているということなので、自分の物じゃないのになぜそんなに管理義務があるのか、権利があるのかという議論ではないのです。
それと管理権ですが、これは管理義務から生じる範囲での権利、つまり積極的な権利というよりも、民法第940条で負っている管理義務を履行しないとならないわけで、その履行するのに必要な限りで管理権を有すると解されるということなのです。
放棄しているので自分の所有物ではありませんから、所有権はなく、所有権から生じる権利義務はないのはおっしゃる通りですが、上に書いたとおりのレベルの管理義務を負っていて、その義務履行に必要な範囲での立ち入る権利や状況チェック権は主張できるということです。
で、ご質問に戻りますと、これはケース3が倒壊という相続財産を大きく棄損する事象に対して、水道配管の水漏れですから、そこまでの財産の棄損とは言えません。
ですからそこまでの管理義務を負うのかということ、つまり配管の痛みまでチェックしないことが過失にあたるのかということで、それは無いというべきではないかと私は思います。
そうしますとこの漏水によって階下の精密機械が使用不能になったという点は事実でしょうが、その事故発生についてDに故意はもちろん過失もないので損害賠償責任は負わないと言えると思います。
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この回答へのお礼

わかりやすいご説明、ありがとうございます。

また複数の質問へのご回答につきましてもありがとうございました。

お礼日時:2020/01/04 15:59

相続放棄した人は、相続放棄した後も、マンション共有部の鍵も、


専有部分の1室の鍵も返さずに所有し続け、
民法940条の責任を果たすために、ときどきその部屋を訪問してチェックしろ。
と言っているように思えます。
(それが正しいかどうかはわかりませんが・・・)
ホントにそうなの?? という思いです。
 ↑
相続放棄をしたのですから、所有し続ける
はずがありません。

有するのは管理責任であり、それに伴う
管理権限です。

管理責任というのは現状維持、保存行為を
意味します。

だから保存に必要な範囲で部屋をチェックなり
する義務がある訳です。

そうした管理責任を怠れば、それによって
発生した損害を賠償することになります。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

お礼日時:2020/01/04 15:59

Q.D側の上記の主張は認められるか?


 ↑
1,原則認められません。
2,損害賠償問題については相当因果関係の
 問題になるでしょう。



・相続放棄によりDはAの遺産である分譲マンション1室への
権利・義務を喪失している。
  ↑
管理責任はあります。
それに伴う義務もあります。



・固定資産税、管理費、修繕積立金の支払い義務は一切ない。
  ↑
それはその通りです。



・同時に当該マンションの敷地内、建物共有部分、相続財産であった
専有部分の1室にも一切立ち入る ことはできなかった。
  ↑
管理権限がありますから出来ないはずがありません。



・このような状況の中で、『自己の財産におけるのと同一の注意をもって、
その財産の管理を継続』す ることは到底不可能である。
  ↑
可能です。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
捕捉欄に追記させていただきました。

その4はマンション専有部分の相続放棄に関する質問です。

tanzou2様の回答を読むと、

相続放棄した人は、相続放棄した後も、マンション共有部の鍵も、専有部分の1室の鍵も返さずに所有し続け、民法940条の責任を果たすために、ときどきその部屋を訪問してチェックしろ。

と言っているように思えます。
(それが正しいかどうかはわかりませんが・・・)ホントにそうなの?? という思いです。

お礼日時:2020/01/03 11:15

質問文は


「5+2」の答えを教えてください。
…と同じ趣旨の内容ですよね。

ここは、自身で考えて答えを導き出せるようにアドバイスをするところなんです。
そうじゃないと疑問を先送りするだけで解決にはならないと思うんだ。

・・・
5000円で明確な回答を得らなかったというのは、曖昧な質問をいくつもしたからじゃないのかな。
専門家が明確な回答を避けたということは、ケースによっては異なる判例があるということだろうと推測します。
具体的な状況を説明して、その状況がどのケースに当てはまるのかを明確にすれば、ドンピシャな答えが返ってくると思います。

ということで、回答に繋がるアドバイスをしてみました。
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この回答へのお礼

>法律に関する質問をする人が「利用規約」を理解できないのでは話になりませんよね。

利用規約、投稿ガイドラインを確認しましたが、私の質問のどこが「利用規約」に反しているか、わかりません。具体的に教えてください。

>ここは、自身で考えて答えを導き出せるようにアドバイスをするところなんです。

そんなこと、利用規約に書いてありませんよ。むしろ「自由闊達な意見交換をしてください」と書いてある。直接の答えを期待して何が悪い。(なんかスゲー、上から目線の偉そうなコメントだよな)

>そうじゃないと疑問を先送りするだけで解決にはならないと思うんだ。

単なる、あんたの個人的感想でしょ。

-------------------------------------------------------

>質問文は
「5+2」の答えを教えてください。
…と同じ趣旨の内容ですよね。

全く違います。
法律の条文てそれだけで完結していなくて、過去のいろいろな判例を踏まえて定着しているのも数多くありますよね。(5+2=7 なんて簡単なものじゃないだろ。 簡単だと思うなら答えを書いてくれ)


>5000円で明確な回答を得らなかったというのは、曖昧な質問をいくつもしたからじゃないのかな。

全く違います。推測でものをいうのはやめてください。
今回の質問と同様に具体的なケースで質問しました。
むしろこれまで民法940条についての議論がなされていないと感じました。

>専門家が明確な回答を避けたということは、ケースによっては異なる判例があるということだろうと推測します。

的外れな推測です。多分、判例が(ほとんど)ないんじゃないかと思います。

>具体的な状況を説明して、その状況がどのケースに当てはまるのかを明確にすれば、ドンピシャな答えが返ってくると思います。

俺の質問をよく読んでくれ。
質問4問すべてにおいて具体的な状況を明確にしたうえで、質問しているよな。


>ということで、回答に繋がるアドバイスをしてみました。

全然回答につながっていないよ。自分でもわかっているよな。

4質問のうちの1つでいいから、根拠とともに回答を書いてくれ。

きちんと「ありがとうございます。」とお礼するよ。

お礼日時:2020/01/02 20:29

宿題や課題の代行は他でやりましょう。



この手の問題は
「自分は、~と解釈しているので、○○の場合は主張は認められると思います。
 これは正しいでしょうか」
のようにしないと、「代わりに解いてください」という代行依頼になってしまいます。
これってルール違反になります。

ここまでの質問全てに「補足」で不足していることを付け足しましょう。
でなければ、質問を締め切ることを強く勧めます。

・・・
法律に関する質問をする人が「利用規約」を理解できないのでは話になりませんよね。
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この回答へのお礼

>宿題や課題の代行は他でやりましょう。

宿題や課題の代行ではありません。  したがって

>「自分は、~と解釈しているので、○○の場合は主張は認められると思います。
・・・・・・・
>これってルール違反になります。

と書かれていますが、ルール違反ではないと認識しています。(わからないから質問しています。)

多少なりとも不動産を所有しそれなりの歳になりました。
日本の現状を考えるとこれから相続されない空き家やマンション空き室が増えると思います。(将来それなりに大きな社会問題になると思います。)
素人ながら、不動産の相続や相続放棄についての法律の勉強をしました。その中で民法940条の存在を知りました。相続放棄しても管理責任は残る、というものです。

これから相続放棄された空き家や空き室が増える中で、この民法940条というのはまともに機能するのでしょうか???(私の本質的な疑問です。)

質問その1で、複数の相続放棄がなされた場合の事例を書きました。誰が責任を問われるのか、判例等があれば教えていただきたいと思ったからです。ネット等で判例等を調べましたが見つかりませんでした。(判例があるんですかね???)

(なお、まず自分の意見を根拠とともにかけ、とのことですが、アマチュアの私の考えが正しいかどうかを聞きたいのではありません。プロの方から教えていただきたかったんす。)

その3、その4の質問についてです。

940条では、「自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。」と書かれています。相続放棄に伴いその不動産に対する権利や義務がなくなった状況で、940条のこの文言で、いったいどのような権利・義務をどの程度相続放棄した人間に持たせられるのか、疑問に思っています。

940条って法律の条文としては存在するけど、本当に具体的事例で議論始めたら通用しないんじゃないでしょうか。

教えていただければありがたく思います。



蛇足です。

 30分5000円(税別)の弁護士相談も利用しています。明確なご回答はいただけませんでした。

お礼日時:2020/01/02 19:26

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