「私は、半ダースほどの男の子が、師匠の周囲に座って、授業を受けているのを見たことがある。彼らは、文字の意味を知ろうとして、何度もそれを口に出して唱えていた。・・・・・それはアルファベットの一種〈いろは〉を繰り返しているとのことであった。その数は四十八であるが、それを小さな詩の形にしているのである。・・・・・この日本のアルファベットは、次のように聞こえた。
《イウォラ ニウォエド ツィリヌル ウオ ウァガヨ ダレツォ ツゥネ ナラム ・・・》
この東半球の端において、・・・少年たちが、毎日繰り返している詩に私は興味を感じた。そして、そこには、次のような意味がある事を知り、驚かされた。
《色も香(にお)いも、消えて行く。我々の世界において、何か永久的なものがあり得るだろうか。今日の日は、虚無の深淵の中に消滅していき、そのはかなさは、夢のようである。それは、微細な不安すら残さなかった》
正直なところをいうと、この民族的なアルファベットは、最も浩瀚(こうかん・分量の多い)な書物よりも、より多くの日本人の基礎的性格に関する真実を私に語った。長い世紀にわたって、舞台から去って行く世代が、新しく登場する世代に対し、「この世界には、永久的なものは何もなく、現実は夢のように過ぎて行き、そして、その消滅は何の不安も残さなかった」ということを繰り返して教えているのである。
現世に対するこのような哲学は、現世が人間性の要求を満足させるものではないことを教え、こうした宗教観の表現がこの国に与えた恐るべき結果が、これを実証している。そして、この哲学観は潜在力として不断の活動を続け、その影響が生活の瑣事(さじ)の中に無数にあらわれていることは、想像に難くない。たとえば・・・」
※ 出来れば、この後もつづけたい。
これは講談社学術文庫「絵で見る幕末日本」から、ほんの一部分を映したものです。著者はエメェ・アンベール、茂森唯士訳です。
☆ この頃の哲学観を、現代人は持っているのでしょうか?
感想、頂きたいのですが。
宜しくお願いいたします。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
内容が仏教の基本的な教え、般若心経の教えでしょうか。
「仏哲の世界観」で古代から日本人が持ってる世界観でも、哲学でもないです。No.2
- 回答日時:
ご存じだと思いますが、いわゆる「色即是空、空即是色」ですね。
現代日本人は、桜を見て、自身の人生をそこに重ね「自身もまた散るラム」と思っている方多いと思いますよ。仏教哲学と言うより、日本人にとって「桜のおしらせ」ですよね。山桜のお知らせと言うより、ソメイヨシノのお知らせですよね。そうなると古代からではなく、江戸時代から持っているということになるのでしょうね。成る程。
こちらの回答も併せて、よく考えてみます。
考えがまとめられそうなら、補足欄で述べられるかも知れません。
有り難うございました。
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回答を頂くと、さらに知りたくなります。
平安時代からあったようで、結構古いですね。
やっぱり“僧”と関係がありそうで、「色即是空」の世界観かも知れません。
有り難うございました。
江戸時代から、と云う説に付いては調べている最中です。
有り難うございました。