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クリストファ―・ボーム著の「モラルの起源」について、山極寿一が書評のなかで次のように書いています。
<類人猿は恥で顔を赤らめることはないのに、人間は民族、文化を問わずこの現象が見られる。罪に関連する言葉は世界の多くの狩猟採取社会に見当たらない。人間にとって罪よりも恥を感じる意識のほうが古く、しかもそれは人間がチンパンジーとの共通先祖先から分かれた後に発生させた特徴だというのである。>と。
質問は、<罪に関連する言葉は世界の多くの狩猟採取社会に見当たらない>ものですか?
(なぜ無いのでしょうか? 無くても社会が維持できるのでしょうか?)

A 回答 (7件)

恥、というのは仲間に対するモノですが、


罪は、仲間ではなく、神のような超越的存在に
対するものです。

人間が神を創り出し、人々が宗教を共有出来る
ようになったので、国家のような大集団形成が可能に
なったのです。




<罪に関連する言葉は世界の多くの狩猟採取社会に見当たらない>ものですか?
(なぜ無いのでしょうか? 無くても社会が維持できるのでしょうか?)
  ↑
狩猟採取社会は、社会として小さいから
罪はまだ出現しなかったのでしょう。

宗教はあっても、それは先祖霊のようなプリミティブな
ものでした。
そこでは罪はまだ存在せず、仲間の延長である
先祖に対して恥ずかしい
ということだったと思われます。

罪がなくても恥はありますから、恥で社会を維持できたのだと
思われます。

日本は恥の文化と言われています。

日本のような、人口が一億もいる先進国で恥の文化が作用しているのは
珍しいことだそうです。
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この回答へのお礼

早速のご回答ありがとうございます。
<罪は、仲間ではなく、神のような超越的存在に
対するものです。>
<狩猟採取社会は、社会として小さいから
罪はまだ出現しなかった>のですね。
<祖先>や<仲間>に対しての恥が機能し、社会を維持していたのですね。

お礼日時:2020/03/22 11:19

オマケです


「罪と罰」について
それらの概念は人が農耕と言う作業を行うことによる結果として人が持つようになったんだろうと思います
その理由として
農耕と言う作業は狩猟と言う作業に比べ難易度はともかくとして作業自体が複雑であり手順に従わなければならない作業です。
加えてその成果=収穫を得るまでには一定期間を要します。
そうなると農耕は狩猟に比べその成果=収穫=食料調達する機会が減ります
その機会が減ると言う事はその機会狩猟にはおけるその機会よりもその分貴重となるのです
となると収穫するまでの期間決められた手順を確実に実行することが求められますが一回一回の作業での成果が見えにくいことからそれを確実に行わせるには仲間から監視だけでは不十分であったと考えられます。
狩猟に比べ農耕は収穫する=食料を調達する機会が少ないことから収穫物の分配機会も減ります
収穫物の分配を集団を構成する全ての人達が納得するようにしないとそれが原因でその集団が分裂してしまう恐れがあります
よって農耕社会において農作業を確実に行なわせかつ農作物を適切に分配する為の「規則=ルール」が必要になったと考えられます
加えて規則=ルールの効力をもたせる為に「罪と罰」が必要だった思います
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この回答へのお礼

再度のご回答ありがとうございます・
<よって農耕社会において農作業を確実に行なわせかつ農作物を適切に分配する為の「規則=ルール」が必要になった>のですね。狩猟採集社会から農耕社会仁変化(進歩)したおかげ・せいで煩わしいことが発生したのですね。<「罪と罰」が必要>になったのですね。

お礼日時:2020/03/25 19:04

人類が農耕を行う前の狩猟採取社会において「罪」に関連する言葉が見当たらないについて


「罪」に関連する言葉が無いと言うことは「罪」と言う概念が無かったんだろうと思います。
「罪」と言う概念が無かったのなら「罰」と言う概念もまた無かったんだろうと思います。
「罪と罰」の概念が無かったとするなら何故そうなのか?
それを必要とする「規則=ルール」が無かったからだと思われます
と言うものヒトが農耕を行う前の狩猟採取社会における作業はシンプルかつ明確であったと推測されるからです
狩りと言う作業は難易度それ自体は高いが作業自体シンプルでかつ成果が容易に判明する
集団(家族)を守る者たちは互いに協力してそれを行っていることからお互いのしている事を互いに知れる環境にあります
互いが互いの作業を確認し合えかつそれぞれの成果をそれぞれが確認出来る環境にある事で各自に一定以上の成果を出すこととそれをする為に必要な作業をさせるような「圧」が自然とかかったのでしょう。
とするならそれそれを律する為の「規則=ルール」が特に必要では無かったと考えられます。(仮にあってもいわゆる暗黙の了解レベルでしょう)
故に「規則=ルール」が不要だったからこそそれに伴う「罪や罰」もまた不要だったと思われます
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この回答へのお礼

再度のご回答ありがとうございます。
<狩猟採取社会における作業はシンプルかつ明確であった>のですね。
<それぞれの成果をそれぞれが確認出来る環境にあ>ったのですね。
各人を<律する為の「規則=ルール」が特に必要では無かった>のですね。
したがって<「罪や罰」もまた不要だった>のですね。

お礼日時:2020/03/24 17:55

前置きしておきます


そもそも私は「人類学」は分かっていませんしクリストファー・ボーム氏著作「モラルの起源」を読んだ事はありません
ですから私の回答はあくまで私なりに考えた事ですので「間違っている」かもしれないことを予めご了承下さい
「恥」と言う感情が生み出されたその理由について述べさせて頂きます
その前に「恥じらい(羞恥心)」について
聖心女子大学文学部教授菅原健介氏(専門は社会心理学・性格心理学)によると
「羞恥心は、他者からの期待や信頼に背くなど社会からの排斥をさせる苦境場面に自己が置かれていると認識することによって喚起される、生得的な警告反応である」との事
ポイントは
期待を裏切る
社会からの排斥=追放です
農耕が行われる前の狩猟採取社会において
「狩りする者=食料を調達する者」と「集団(家族)守り食料を待つ者」に分かれます
「集団(家族)を守り食料を待つ者」は「狩りをする者=食料を調達する者」が食料を調達してくることを「望みます」。
この「望み」が「期待感」に変わったのでしょう。
とするなら「狩りをする者」はその「期待」に答えることが彼らの役目です。
とするなら「狩りをする者」が狩りに失敗し食料を調達出来ないとなるとその「期待」を裏切った事になります
期待を裏切られた者は「ショック」を受けます。
加えて「狩りをする者」が「狩り」に失敗するということは「狩りをする者」自身の存在価値を損なうことになります。それ即ち「役立たず」となります
「役立たず」の烙印を押された者はその者が属する社会にとっては不要な存在とされる恐れが有ります。
これが「社会からの排斥=追放の恐れ」となるのです
その恐れによって生じ「不安感」が「羞恥心」に変わったんだろうと思います
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この回答へのお礼

早速之ご回答ありがとうございました。
<羞恥心は、他者からの期待や信頼に背くなど>によるものですね。犯罪のような罪に該当するものと、恥は区別されるものですね。
<「社会からの排斥=追放の恐れ」>から<「不安感」が>生じ、そして「羞恥心」に変わった>ということですね。

お礼日時:2020/03/24 17:50

成案たる回答を得ていません。



部分的な内容にて投稿します。


1. 顔を赤らめるといったいわゆる良心のハタラキによって起こるヤマシサ
反応。これがあれば 《罪》なる概念は まだ言葉としてなかったとしても
心的現象として起きていると考えます。

2. 熊を仕留めたが 腹が減っていて 神送りの儀式をやらずに その場で
焼いて食ってしまった。その咎めが起きているなら 自分に対してであれ――
自分の情けなさを知ってどうしようもなくかなしくなり その自分自身に対し
てであれ―― あるいは 神に向ける顔がないとして神に対してであれ のち
に罪という言葉として持つことになるその概念は すでに起きていたであろう
と。


3. つまり 言葉そのものの有る無しで 人間の精神の現象や社会のあり方
を決まったかたちで捉えることは まづい。





4. 採集経済において生活共同をいとなむとき。縄文社会ですが どんぐり
ピット(穴)が 遺物として出てくるそうです。

5. これは 冬を越すための食糧のたくわえなのか。未来という時間を先取
りしていることの現われなのか。奢侈品(勾玉などの装飾品)にもおよぶよう
に 生活資料をめぐって持てる者と持たざる者とに 人びとは分かれていく前
触れなのか。

6. 農耕社会になれば葬送のかたちに――副葬品の多寡などをふくめて――
差異が出てくるそうです。広く言っていわゆる階級社会でしょう。

7. これは 稲作と鉄づくりが外国からもたらされた弥生時代のことですが
そこでは やがて《田の畔の溝を勝手に埋めるな》とか罪の規定が現われます。
ですから ではそれにくらべて 漁労・採集社会では どうだったか?



8. じつは 前項の罪の規定は――天つ罪と国つ罪とがあるようですが――
すでに人びと(つまり 社会)へのつぐなひを求めるような内容であるからに
は 特には為政者に対する罪だという側面が出て来ています。



9. まとめうるならばですが 漁労・採集社会では [2]に触れてもいた
ように 罪は:

① 言葉としてはなかったかも知れない。
② けれども 良心に恥ぢる心の動きはあったであろう。

③ だから 罪という概念に見合うような内容をすでにともなっていたのでは
ないか。

④ ただし その罪を悔いる相手は 自分自身かまたは神であったろう。これ
が 人間性にとっても 基本(基礎)であると考えられる。

⑤ 社会が 階級という人格の差異をつくって言わば二階建て構造になったと
きには おそらく神に対する罪だというタテマヘで 中身は お二階の為政者
たちに対して罪を負うのだ そのツグナヒをしなければならない・・・となっ
た。か。
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この回答へのお礼

早速のご回答ありがとうございました。
1.ヤマシサ反応と罪はとは繋がっている、ということですね。(やまし(実は、私は恥と罪との関係があからないのです)座藩王は波時のことですね)これがあれば 《罪》なる概念は まだ言葉としてなかったとしても。
2.<罪は、神にも自分に対しても持つものですね
3.了解
4.5.確か三内丸山で周囲にドングリを植えていたことは、将来を考えてのことですね。
6.了解。
7.<漁労・採集社会>では直接の摩擦が薄かったので、罪は無かったのでしょうか。
8.大雑把でいうと、天つ罪は共同体への罪、今でいう犯罪。
         国つ罪は今でいうと道徳ですね。
9.了解

お礼日時:2020/03/24 11:23

質問者さんへ


質問中にある「狩猟採取社会」とは新石器時代のホモ・サピエンスが「狩猟民族」と「農耕民族」とに分かれる前の社会の事を指しているのか?今現在においても存在している社会(たとえはカナダ全住民イヌットの社会等)の事ですか?  因みに例えばカナダの原住民である「イヌットの社会」は狩猟採取社会でしたが(現在は変わりつつある?)
イヌットの間で「イヌット神話」と呼ばれている神話が受け継がれていてそれはイヌットに宗教観があることを示しています
狩猟採取社会を形成していたイヌットに宗教観があることからイヌットにはおいても「罪罰観」があると言えるでしょう。
イヌット神話の中に「罰」と言う言葉が書き込まれているようですから
よって今現在存在している狩猟採取社会を形成している民族において「宗教観」を持っていない民族がどれほどいるのか?
私にはそのような疑問がわきました
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この回答へのお礼

早速のご回答ありがとうございました。
<イヌットの間で「イヌット神話」と呼ばれている神話が受け継がれていてそれはイヌットに宗教観があることを示しています>
<イヌットにはおいても「罪罰観」がある>のですね。
ムカリン様のように、<イヌット>という特殊な民族に精通されている方は珍しいのでしょうね。
以下は書評から抜き出した文ですね。
<ボームは今から4万5000年前に進化を遂げて世界各地に広がった更新世後記タイプの狩猟採集民社会を50選び、そのうちの10の社会について仲間への援助や処罰に調べた。>
「モラルの起源」を図書館に依頼してありますが、何時読むことができるか未定です。

お礼日時:2020/03/23 15:10

狩猟対象が動物だからです。

けれど、定住社会で、作物などの富を蓄積し始めると、より多くの作物家畜=価値を持つものが支配者になります。定住支配者がそのうち栽培飼育のプロセスを省き、他の共同体定住社会の富を略奪し、権力の掌握を目論見ます。戦争がそれです。狩猟の対象が人になったとき、犠牲者は奴隷となり、敗者復活がありません。奴隷は奴隷のままである人生に、自分にはもともと前世で良からぬ事をしてきたから今世でこうなっているのか、と奴隷の生活に理論的整合性を持とうとします。生まれながらに罪、原罪があるから、今世の、私は奴隷なんだ❗この合理的自己説明において、罪という概念が誕生したのだと考えられます。ユダヤ人の奴隷迫害の歴史を前提に考えると、以上のようなことになるのでしょうか。
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この回答へのお礼

早速のご回答ありがとうございます。
農耕社会に入ると、富の集積が可能になり、それを<略奪>する戦争も始まり。奴隷が生まれるのですね。
奴隷などは<生まれながらに罪、原罪があるから、今世の、私は奴隷なんだ❗この合理的自己説明において、罪という概念が誕生したのだと考えられます。>ですね。
狩猟採集社会では<富の集積が>不可能なのですね。したがって、戦争も奴隷も発生しないことになり、罪という<合理的自己説明>も持つ必要がない、のですね。

お礼日時:2020/03/21 19:16

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