プロが教えるわが家の防犯対策術!

1. ちょっと変わった質問です。

2. 次の柳田国男の文章は 虚構であると知られたようです。早く言えば 
作り話です。

3. ところが どうもその話が 現実味を帯びて――きわめて非人道的な
行為が描かれているにもかかわらず――受け止められて来ます。
 
4. その印象・感想とそして哲学的批評とをお寄せください。

5. アンケートではなく もしこれは 現実性は無いという結論を持たれ
たならば その推論などの中身をおしえてください。現実味があるという場
合にも ご意見が知りたいです。

6. 柳田国男『山の人生』  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

7. 今では記憶して居る者が 私の外には一人もあるまい。三十年あまり
前 世間のひどく不景気であった年に 西美濃の山の中で炭を焼く五十ばか
りの男が 子供を二人まで 鉞(まさかり)で殺したことがあった。

8. 女房はとくに死んで あとには十三になる男の子が一人あった。そこ
へどうした事情であったか 同じ歳くらゐの小娘を貰って来て 山の炭焼き
小屋で一緒に育てて居た。其の子たちの名前はもう私は忘れてしまった。

9. 何としても炭は売れず 何度里へ降りても いつも一合の米も手に入
らなかった。最後の日に空手で戻って来て 飢ゑきって居る小さい者の顔を
見るのがつらさに すっと小屋の奥へ入って昼寝をしてしまった。

10. 目が覚めてみると 小屋の口一ぱいに夕日がさして居た。秋の末の
事であったと謂ふ。二人の子供がその日当たりの処にしゃがんで 頻りに何
かして居るので 傍へ行って見たら一生懸命に仕事に使ふ大きな斧を磨いて
居た。

11. 阿爺(おとう) 此処でわたしたちを殺して呉れと謂ったさうであ
る。さうして入口の材木を枕にして 二人ながら仰向けに寝たさうである。
それを見るとくらくらとして 前後の考えもなく二人の首を打ち落としてし
まった。それで自分は死ぬことが出来なくて やがて捕らへられて牢に入れ
られた。

12. 此の親爺がもう六十近くになってから 特赦を受けて世の中へ出て
来たのである。そうして其れからどうなったか すぐに又分からなくなって
しまった。私は仔細あって只一度 此の一件書類を読んでみたことがあるが 
今は既にあの偉大なる人間苦の記録も どこかの長持ちの底で蝕ばみ朽ちつ
つあるであらう。
                       (柳田国男 1925)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

13. すなわち 谷川健一の伝えるところによれば(『柳田国男の民俗学』
2001) この文章の起こりは 次のような経過をたどったであろうとい
うことらしいのです:

14. 〔上記の話についての事情説明(要約したもの)〕 ~~~~~~

15. この男は妻に先立たれたあと 娘を奉公に出したがその奉公先で 
娘は主人夫婦の若息子の嫁から嫌われ ついにおカネを盗んだという濡れ衣
を着せられた。

16. これを悔やんで娘は 父親のもとに帰って来て 死にたいと漏らし
た。弟をも道連れに一家心中を決意して 子ども二人を殺したが 男は死に
きれなかった。

17. という話を村の男の知人から〔谷川は〕聞き出したと言う。

18. 一家心中よりは 飢えからの人殺しにしたほうが罪は軽いと取り調
べた警察官が言い そのまま仕組んだとおりになって裁判にも通ったという
ことらしい。その裁判記録を見て 柳田はこの話を書いたということらしい。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

☆ よろしくお願いします。

19. 子どもたちが 何を聞かずとも 情況や父親の苦境を察したことが 
何ともあはれに思えてわれわれに迫って来るのでしょうか。それにしても 
その決心というのは いったい何たることかと・・・。

20. 警察官のこころやさしさ(?)。娘にぬれぎぬを着せた奉公先の若
嫁の人となり。・・・

A 回答 (2件)

回答にはならないと思いますが。



時節柄、米国文学の最高峰と言われている”モッキンバードを殺すのは”という本を読み始めました。グレゴリー・ペック主演で映画になっています。旧南部英語なので、非常に難解なのもありますが、半分ほど読んだところで挫折しそうです。

奴隷制解放後の南部のアラバマ州の郊外で、黒人男性が白人女性をレイプしたと訴えられて、黒人男性の弁護を引き受けた弁護士が、命の危険にさらされ、そのうちに、父をかばった小学生の娘が、小学校も出ていない白人貧民層に襲われます。

まだ、襲われるところまでは、読んでいません。どうしても先に進めないのは、登場人物やその人の心情を、どうしても現代の常識で断罪してしまうからです。こういう読み方はまずいんじゃないか。社会の不正義に対する怒りがフツフツと湧いてきます。そこで、いったん休止して、二、三日してから再開しますが、辛くなってきています。

それぞれの正義がぶつかり合ったときに、法が何をできるか、ということですね。貧しくて、弱いものを救うのが法である、と信じたいです。

ブルージェィ(華やかな外見の、はた迷惑な鳥)を殺すのはありだが、モッキンバード(綺麗な歌声で楽しませてくれる)を殺すべきではないんだ、というのが、本の名の由来だそうです。
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この回答へのお礼

ご回答をありがとうございます。

『アラバマ物語』として知られている作品ですね。

ヰキぺの解説とレヴュー(書評)を一本読みました。

そうとう込み入った複雑な人物群像として描かれているよう
ですね。しかも 著者ハーパー・リーの人生体験ともずいぶ
んつながっているようだとか。



ちょっと批評をするには そうとう読み込まなければいけな
いようです。

それこそ ディープ・サウスでの生活体験が必要であるかも。
しかも いまでは:
★ 現代の常識
☆ が いろんな意味で引っかかってくるかも知れない。


あるいは 英語版の wiki をちらっと見たら 《 a Southern
Gothic and a Bildungsroman 》というジャンルに入るのだ
とか。

▲ The grotesque and near-supernatural qualities of
Boo Radley and his house, and the element of racial
injustice involving Tom Robinson, contribute to the aura
of the Go-thic in the novel.
☆ こういうところは 何ともピンと来ないです。《教養小
説》として一級のものであるのは 間違いないのでしょう。


いまは:
☆☆ 20. 警察官のこころやさしさ(?)。娘にぬれぎ
ぬを着せた奉公先の若嫁の人となり。・・・
☆ と書いたところ 警察官が保安官と 若嫁が白人女性の
Mayella Ewell と重なる部分があるようだというまったく単
純な感想に終わりそうです。残念ながら。

お礼日時:2020/07/10 04:37

まだ最後まで読んでいないので、何とも申し上げられないのですが、”本を読む姿勢”について、言及したかったのです。



登場人物やその背景に憎しみを持つのは極力避けたい。共感を持ちたいし、感動を得たいし、できれば、自分の中に、人間を慈しむ心を育てたい。あるいは、知識を得るにしても、客観的な知性の目を持っていたいわけです。

そして、歴史上の出来事を現在の法律や常識で断罪するのは避けたい。

子殺しの話は、その点、救いようがないですが、貧困にあえいだ時代には一つの類型だったんでしょう。近松の心中ものより、殺伐としています。(誤解を恐れずに言えば、キリスト教圏よりも、日本では、子供と親は一心同体、という概念が強い。アメリカでは子供は社会の財産です。)

いったい、どういう姿勢をもって、物語に向き合ったらよいか。最期に、千手観音を登場させて物語を完結させることもできたわけです。でも、庶民は、そんな甘っちょろくなくて、現実に向き合っていますね。警察官や若い嫁は、時代背景と同じような典型であり、個別性はないように見えます。

こちらは、時間をおいて、最初から読み直しです。
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この回答へのお礼

ご回答をありがとうございます。

★ まだ最後まで読んでいないので、何とも申し上げられ
ないのですが、”本を読む姿勢”について、言及したかった
のです。
☆ ほおう。それは おもしろそうですね。


★ 登場人物やその背景に憎しみを持つのは極力避けたい。
共感を持ちたいし、感動を得たいし、できれば、自分の中
に、人間を慈しむ心を育てたい。あるいは、知識を得るに
しても、客観的な知性の目を持っていたいわけです。
☆ 罪を憎んで 人を憎まずと言いますが ひとの心を踏
みにじるあやまった思想と行動とは 嫌いますし憎むもの
と思うのですが?


言いかえると その思想や振る舞いのあやまちは どこか
ら来ているのか? これを思索するのでは? 読書にして
も一般にニュースを聞くにしても。

★ そして、歴史上の出来事を現在の法律や常識で断罪す
るのは避けたい。
☆ 時代や民族の違いを超えて理念を捉えていることとそ
の時代や地域ごとの取り決めやナラハシに沿って 事態を
受け留めることとがありますね。


★ 子殺しの話は、その点、救いようがないですが、貧困
にあえいだ時代には一つの類型だったんでしょう。
☆ 飢饉の際に子どもを間引いたという言い伝えがありま
す。東北地方のこけし人形は 《子消し》ゆえに作られた
といううわさです。

河童は 骸を川に流したゆえ 面影を見るというまぼろし。
座敷童は 親が間引きそびれた子を 村の人たちに隠して
育てていたゆえ生まれた伝説だとか。


★ 近松の心中ものより、殺伐としています。(・・・日本
では、子供と親は一心同体、という概念が強い。アメリカ
では子供は社会の財産です。)
☆ 財産ですか。そう言えば 中世までは子どもは社会の
一員とは見なされなかったとか。

★ いったい、どういう姿勢をもって、物語に向き合った
らよいか。最期に、千手観音を登場させて物語を完結させ
ることもできたわけです。でも、庶民は、そんな甘っちょ
ろくなくて、現実に向き合っていますね。
☆ これは そのとおりだと思いますね。


★ 警察官や若い嫁は、時代背景と同じような典型であり、
個別性はないように見えます。
☆ なるほど。思惟=行動の様式としてパタン化している。

★ こちらは、時間をおいて、最初から読み直しです。
☆ はい。わたしはいま手一杯ですが。

お礼日時:2020/07/12 03:28

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