No.4ベストアンサー
- 回答日時:
元々禅は仏教の修行のひとつ、釈迦(释迦牟尼)が仏として解脱する瞑想を行った方法を「坐禅」と呼びます。
坐禅とは仏教での独特な座り方をいいます。で、質問者様が仏教的知識がどこまであるか分からないので、以下仏教の説明になります。
仏教は釈迦が開いた宗教ですが、キリスト教やイスラム教などと違い、元々は「人生の苦しみから逃れるための『解脱』を目指すもの」でした。そして解脱し苦しみから解放された人を『仏陀』と呼び、解脱のための修行をしている人を「僧」とか「尼」と呼んだのです。
そして解脱には釈迦が行ったような瞑想が必要で、瞑想するために坐禅を組んで目を半分閉じ、呼吸を静かにして「何も考えないようにすること=悟りを開くこと」が重要だとされます。
これが「禅」という状態になるわけです。
で、釈迦は沙羅双樹の木の下で何日も坐禅を組んで瞑想し解脱しました。仏教の最初の教えは、釈迦本人が教える「解脱する方法」だったのです。
しかし、実際には何日も坐禅を組んで解脱できる人はいません。なので仏教が広がるにつれて「解脱した人=仏陀に苦しみを救ってもらおう」という形に宗教が変わってきたのです。
日本に入ってきた仏教はほぼすべてこの「仏陀に救ってもらう」もので、それは中国で翻訳された仏教経典の大部分がその形だったからです。このタイプの仏教を「大乗仏教」と呼びます。
で、中国・朝鮮半島・ベトナム・日本は大乗仏教で、東南アジアとインドは上座部仏教という「解脱を最終目的とする仏教」とされています。
日本に仏教が入ってきたのは西暦550年ぐらいで、西暦743年に奈良の東大寺大仏の作成が始まりますが、この時代疫病が多く、要するに「でっかい仏陀(大仏)を作って、救ってもらおう」ということであったわけです。
鎌倉時代になると、武士の時代になるわけですが、武士は戦争で殺し合いをする人々でしたし、実際当時の日本は紛争が多かったわけです。
武士たちは「いつ死んでもよい、武士として潔く死にたい」と「生きることへの未練の断ち切り方=悟り」を求めていました。
そこに光を当てたのが禅宗で、禅宗は大乗仏教の中でも珍しく「修行して悟りを開くこと」を目的の一つとしてきたからで、武士たちは「坐禅を組み、修行して、悟りを得ることで、死地に赴いても動揺せずに生きられる=死ねる」と考えたわけです。
ということで禅は仏教の宗派の一部であり、修行の方法のひとつであり、「坐禅」と言う言葉は、足を組んで瞑想することを意味するのですが、瞑想の目的→悟りを得る事が「禅」であるわけです。
で、私は日本人なので「生きられる=死ねる」と書きますし、ほとんどの日本人がこれを自明として理解するでしょうが、たぶん質問者様を含めてほとんどの外国人には理解できない「=」だと思います。
この「イコール(=)」の部分が日本における「禅」の本質と言っていいでしょう。
もう少し分かりやすく言えば「人間は生まれた以上必ず死ぬ。それがいつ・どこでなのかは分からないが、それまで精いっぱい生きて、そして死ぬときは潔く死のう」という考え方であり、それを「悟り」と呼ぶわけです。
日本人が災害などに遭っても割と平静を保っているのは、日本人全体にこの「生きられる=死ねる」という認識があるからだと思います。
この回答へのお礼
お礼日時:2020/10/30 09:24
仏教の知識はゼロに近いです。ご親切に解説していただき誠にありがとうございます。少しわかるようになりました。災害時の日本の方の対応は世界的に有名で、尊敬しております。どうもありがとうございました。
No.7
- 回答日時:
緑禅師の言葉
一切の経綸は、何れも心を起こす教えに過ぎない。
もし道という心を起こすと忽ち巧偽が生まれる。
余事を・・・。
もし心が起こらなければ、どうして坐禅する必要があろう。
巧偽が生まれないのに、どうしてわざわざ念を正すのか。
もし菩提心を発す事をせず、知恵才覚を修めなければ事も理もすべて尽きる。
-----
各派の仏教学が、一切経綸の訓詁と体系化、若しくはその実践体得に終始していた時、そうした作業に漏れる仏法の真実をダルマとその弟子たちは問題として取り上げる。
緑禅師はその一人である。
文字語言は徒労の施設であった。
師について学ぶけれども悟る事は師によらないといわれる。
彼らはそうした真実をずばりと口に出して憚らない。
もともとブッダの教典は弟子たちの質問に答えた随宣対機の言葉の集成である。
問う人がなければ、語る事はない。
むしろ四十九年の間ブッダは先ず緊急の問いに応える事で忙しい。
終いに本心を明かす事がなかった。
はじめ鹿野苑の説法より最後に跋提河畔の入滅まで、私は終いに一字も説かなかった。
これがブッダ晩年の言葉である。
一切経綸の研究者などは、一切経綸を極める事によって、そんなブッダの本心に迫ろうと努めた。
説き残しの真実である。
どだい無理な話である。
取り分け中国仏教では(教)の意味が加重される。
ダルマとその弟子などは(教)の外なる仏語を求めた。
こうして心不起が問われる。
一切経綸は心が起こって後の事である。
心が起こらなければ一切経綸は無用である。
心不起が坐りとなる。
心は自性清浄である。
自ら心を起こす事をせず心が起こらなければ心を静める必要はない。
緑禅師が(事も理も)すべて尽きるというのはその事である。
心を起こして静めるよりも、心の起こらないところにいる事が先決である。
やがて心不起を戒、心不思を定、心不知を慧に当てるようになる。
更に起心は善悪両意に渡る。
悪心のみではない、善心もまた起こらないのが本当の事である。
後に不思善不思悪と説かれるのは、その事である。
本来無一物ともよばれる。
非心非仏といい、不是心、不是物、不是仏というのも同じところを指す。
巧偽という言葉は、本来の淳朴心に反する作為の事である。
道の詮索、経律論の研究は道の詮索に終わる。
経律論の研究が巧偽であるのみならず、坐禅もまた、巧偽となる危険性を持つ。
心を起こして坐禅に取り組む故である。
煩悩対治の坐禅、つまり習禅習定の発想がこうして根底から洗われる。
緑禅師の言葉の新しさは、むしろこの点にある。
やがて六祖恵能が新しく坐禅を定義して
外に一切境界の上に念の起こらざるを坐となす、本性を見て乱れざるを禅となす。
と説くのは、そんな動きの帰結である。
坐禅より禅への展開は必至となる。
緑禅師は念が起こらないのに念を正す必要はないという。
正念は八正道、若しくは八大入覚の一つであり悟りへの条件として重視される。
悟りが方便とされる以上、悟りの条件が無用となるのは当然である。
No.5
- 回答日時:
日本では、西暦500年ころ中国や朝鮮半島から、仏教が伝わりました。
そのころは、貴族の時代でしたから、貴族の都合の良い仏教が近畿地方を中心に全国へ広がりました。奈良や京都にお寺が多いのはそのためです。西暦1100年ころ武士という、武力集団が政治を執るようになりました。鎌倉時代です。ただこの武士のための仏教が無かったので、それにあった仏教が、中国から伝わりました。それが禅です。当時、武士たちは難しい教えや高価な寺を建てる余裕がなかったため「簡単」な教えと行動の禅宗が受け入れられたのです。鎌倉の政府(幕府)もこの全集を保護しました。
その後、京都と鎌倉の仏教が混ざる時代が来て(室町時代)禅の教えは、庶民の生活にも大きく影響するようになりました。元々の日本の「古代信仰」と「禅宗」が上手に混じりあったためです。そのため、現在では「これが禅の影響」という意識がないまま仏教の一部として、日本人の生活の中に残っています。とくに「茶道」や「書道」などという「道」の付く芸術は、禅の影響が強いと思います。
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