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フーリエ余弦・正弦変換の意味は, "f(x)が偶関数・奇関数の時にフーリエ変換した際に現れるもの" , ということですが, なぜ偶関数でも奇関数でもない関数(例えば f(x)=e^x, (x≧0) など) のフーリエ余弦・正弦変換を求めることができるのでしょうか。

また, そのような関数f(x)で求めたフーリエ余弦・正弦積分と, 元の関数f(x)はどのような違いがあるのでしょうか。

A 回答 (2件)

No.2 に追加です。



[1] まずは訂正。 No.2の符号が違う

> F(ω) = G(ω) + i K(ω)
> H(ω) = P(ω) + i Q(ω)
> Z(ω) = F(ω) + i H(ω)
>   = (G(ω) - Q(ω)) + i(K(ω) + P(ω))
じゃなくて
F(ω) = G(ω) - i K(ω)
H(ω) = P(ω) - i Q(ω)
Z(ω) = F(ω) + i H(ω)
  = (G(ω) + Q(ω)) + i(P(ω)-K(ω))
でした。
 ともあれ偶関数・奇関数という観点での話はNo.2で終わりです。
 要するに: 偶関数・奇関数の区別は(面白くて有用な性質を示すけれども)「変換が定義できるかどうか」ということに関しては、影響がない。

=================

[2] さて、
> f(x)=e^x, (x≧0) など) のフーリエ余弦・正弦変換を求めることができる

という話ですが、フーリエ変換
  ∫{x=-∞~∞} f(x)(e^(-iωx)) dx …(1)
では、ωが実数です。(1)にf(x)=e^x, (x≧0) を代入した
  ∫{x=0~∞} (e^x)(e^(-iωx)) dx …(2)
は発散。つまり定義されない。フーリエ余弦・正弦変換も発散です。

[3] しかし、ωとして複素数を含めると話が違ってきます。この時、(2)はフーリエ変換ではなくて(変数の符号が普通の書き方と違うだけの)ラプラス変換であって、ωの虚部が-1以下である時に限って
  - i/(ω+i)
に収束します。ラプラス変換は積分変換として「フーリエ変換のお仲間」ではあるけれども、(普通は)余弦変換・正弦変換と分けては考えません。(複素数を実部と虚部に分けて議論しても、さして得るところがないからでしょうが、)それを敢えてやりますと、
  ω = p + i q (p,qは実数)
のとき(加法定理とsin(ix) = sinh(x), cos(ix)=cosh(x)から)
  sin(ωt) = sin(pt) cosh(qt) + cos(pt) sinh(qt)
であり、sin(ωt)は(実数値関数だけれども)周期関数ではない。cos(ωt)も同様です。だからωを単純に「周波数」と解釈するわけにはいかないことがわかります。

[4] ところで(2)がラプラス変換になるのは、 x<0のときf(x)=0なので積分範囲の下限が0になるからです。では、「x<0のときf(x)=0」という条件がついていない時はどうなるかというと、
  ∫{x=-∞~∞} f(x)(e^(-iωx)) dx …(1)
  = ∫{x=0~∞} f(x)(e^(-iωx)) dx + ∫{x=-∞~0} f(x)(e^(-iωx)) dx
  = ∫{x=0~∞} f(x)(e^(-iωx)) dx + ∫{x=0~∞} f(-x)(e^(-i(-ω)x)) dx
だから、(1)の積分をラプラス変換を使って表せる。この式の第1項をF(ω), 第2項をG(ω)と書くと、「f(x)(x≧0)のラプラス変換はF(ω)で、f(-x)(x≧0)のラプラス変換はG(-ω)」という関係にある。
 ただし、F, Gがどんなωについても収束するとは限らない。例えばe^x (x≧0) のラプラス変換は「ωの虚部が-1以下である時に限って収束」であり、e^(-x) (x≧0) のラプラス変換は「ωの虚部が1以上である時に限って収束」ですから、
  ∫{x=-∞~∞} (e^x)(e^(-iωx)) dx
はどんなωについても収束しない。
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[1] 実数全体にわたって定義されている実数値関数 f(x)を一つ考えます。

ここで
  g(x) = (f(x) + f(-x))/2
  k(x) = (f(x) - f(-x))/2
を作ってみる。すると、
  f(x) = g(x) + k(x)
である。そして、
  g(-x) = (f(-x) + f(x))/2 = g(x)
  k(-x) = (f(-x) - f(x))/2 = -k(x)
だから、gは偶関数、kは奇関数です。つまり、どんなf(x)でも「偶関数gと奇関数kとの和」として表せる。しかも、この分解の仕方は一意的です。

[2] さて、偶関数の正弦変換は0になり、奇関数の余弦変換も0になるのはご承知でしょう。だからgの余弦変換をG、kの正弦変換をKとすると
  fの余弦変換 = G(ω)
  fの正弦変換 = K(ω)
である。しかも
  G(ω)=G(-ω)
  K(ω)=K(-ω)
を満たす。すなわちGは実数値を取る偶関数、Kは実数値を取る奇関数である。
 さて、
  F(ω) = G(ω) + i K(ω)
とすると、これが実関数fのフーリエ変換です。

[3] ここで、もう一つ実数値を取る関数h(x)を考えて
  p(x) =( h(x) + h(-x))/2
  q(x) =( h(x) - h(-x))/2
とすれば、全く同様にhのフーリエ変換Hはpの余弦変換Pとqの正弦変換Qを使って
  H(ω) = P(ω) + i Q(ω)
となり、ここにPは実数値を取る偶関数、Qは実数値を取る奇関数である。そこで複素数値を取る関数
  z(x) = f(x) + i h(x)
を考えると、そのフーリエ変換Zは
  Z(ω) = F(ω) + i H(ω)
  = (G(ω) - Q(ω)) + i(K(ω) + P(ω))
となる。Zの実部(G(ω) - Q(ω))は偶関数Gと奇関数-Qの和であり、Zの虚部(K(ω) + P(ω))も偶関数Pと奇関数Kの和になっています。なので、Zの実部、虚部をそれぞれ「偶関数と奇関数の和」に分解してやれば、G, Q, K, Pが得られ、F=G+iK, H=P+iQも決まる。

 と、そういう関係。
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