素朴な疑問ですが…
特許法上の発明は、物、方法、製造方法の3つのカテゴリのいずれかに分類されるものと思います。
物と方法の発明を区別するのは理解できるのですが、方法と製造方法とを区別するのは何故でしょうか。
製造方法の発明は、製造物をともなうという点で、計測方法や制御方法といった純粋な方法の発明(ヘンな表現ですが)とは違うかもしれません。とは言え、製造方法も広い意味では方法の一つと言えるのではないでしょうか(つまり、「製造方法」は「方法」の下位概念に含まれる、という捉え方です)。
そうすると、「方法」と「製造方法」とをそれぞれ別なカテゴリとして区別することが不思議な気もします。
敢えてこれらを分けている理由をご存知の方、教えて下さい。
私見、推測等でも構いません。
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
補足、ありがとうございます。
ただ、物質発明がなかった時代の話は、ご質問の趣旨と結びつけてお考えいただきたかったのですが。
それでは、次に特許法第68条(特許権の効力)に目を向けてみましょうか。
「特許権者は、業として特許発明の実施をする権利を専有する。ただし、その特許権について専用実施権を設定したときは、専用実施権者がその特許発明の実施をする権利を専有する範囲については、この限りでない。」
この条文から、2条3項で「実施」を定義した意味がわかるかと思います。
単なる方法の発明の場合、「その方法の使用をする行為」以外のものにまで権利が及ぶようにする必要はないし、逆に言えばそのようなものにまで権利が及ぶようにするのはやり過ぎということになるのに対して、製造方法の発明の場合には、「その方法の使用をする行為」にしか権利が及ばなければ、実体のない権利になる場合が殆どでしょう。
従って、単純方法の発明と製造方法の発明とでは得られる権利の点で明確な違いを設ける必要があり、カテゴリーを分ける必要性があったということになりませんでしょうか。
ただし、以上は私が知ってる範囲からの推理です。
特許法概説、逐条解説、注解特許法などには解説があるかも知れません。
私の方でそこまで調べることは難しいので、Carulonさんがご自分で本屋さんなどでご確認下さい。
丁寧な回答ありがとうございます。
仰ること、もっともと思います。
ただ、私の予想していた方向とは回答が少しずれてしまったようです。
これはむしろ私のはじめの質問自体がぼやけていたためでしょう。
ただ、この回答を得て、自分が何を一番知りたかったのかはっきりしました。
長くなりそうなので、この質問に対する回答はこれで終わりとします。
回答ありがとうございました。
No.3
- 回答日時:
こういう質問をするということは、Carulonさんはご自分で特許出願をしているか、又は、特許関係のお仕事をされているか、又は、弁理士試験の勉強をされているか、のいずれかということなのでしょうか?
それでしたら、No.1の方が仰ってることもおわかりですよね?
「特許法第2条(定義)第3項
この法律で発明について「実施」とは、次に掲げる行為をいう。
一 物(プログラム等を含む。以下同じ。)の発明にあつては、その物の生産、使用、譲渡等(譲渡及び貸渡しをいい、その物がプログラム等である場合には、電気通信回線を通じた提供を含む。以下同じ。)若しくは輸入又は譲渡等の申出(譲渡等のための展示を含む。以下同じ。)をする行為
二 方法の発明にあつては、その方法の使用をする行為
三 物を生産する方法の発明にあつては、前号に掲げるもののほか、その方法により生産した物の使用、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為」
ここまではおわかりいただけますか?
そして、この条文が何を言ってるのか、おわかりいただけますか?
時間の無駄になりかねないので、これ以上の説明をする前に補足をお願いします。
ちなみに、まだ出願公開制度もなかった大昔には、化学物質の発明は特許にならず、「製造方法の発明」として特許請求しなければならなかったそうです。
この事実からどのようなことが推理できますか?
よろしかったらご意見をお聞かせ下さい。
この回答への補足
条文の理解度についてはかなり怪しいところがありますが…(というより殆どわかってないかも)
>化学物質の発明は特許にならず、「製造方法の発明」として特許請求しなければならなかったそうです。
ある新規な化学物質を発明しても、その製造方法の権利しか得られないとすると、他人が同じ化学物質を他の製造方法を用いて製造した場合までは権利範囲が及びません。例えば、化学メーカーは多額の費用を投じて新物質を研究開発しています。製造方法の権利しかないと、せっかく新物質を発明して特許を取得したとしても、後続の他の企業に製造方法を変えて同じ物質を製造されては、特許権を行使することはできず、市場を奪われるだけ損ということになります。
これでは、最初に新物質を発明した企業は開発費用の回収もままならず、報われないのではないでしょうか。つまり、特許による保護が不十分であり、発明を公開した割にはその代償として得られる独占による利益が少なすぎるということです。
また、特許の侵害・非侵害の判断においても、単に物質を見ただけでは判断ができず、その製法まで立証しなければならないので、現実問題として権利行使をするのはとても困難です。
…といったところでしょうか。
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