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競馬についてまったく解らないので教えてください
一般的に競走馬の競技の寿命というのはどれくらいなのでしょうか?
そして馬としての寿命はどれくらいなのでしょうか?

いまディープインパクトという馬を見てたのですが14戦しかしてないみたいなのですが
余りにも少なくないですか?
競技寿命が余りにも短いと優勝できないような馬は大赤字じゃないですか?

A 回答 (1件)

まず、サラブレッドは、怪我などによる死亡。

廃用に伴う殺処分というようなことを除けば、二十数年くらいが平均寿命と言えます。長生きな馬は、30歳以上になる馬もいます。
その中で、競走馬として現役でいる時間ですが……

これはまず、競走馬としての能力があるかどうか、という部分が最初に影響します。
中央競馬の場合、競走馬としてデビューすることが出来るのが2歳の夏。ただし、その1年後、3歳の夏までに勝利を挙げることが出来ないと、レースに出走することが困難になります。
というのも、中央競馬は、1着になると上のクラスに昇格をする、という勝ち上がり制のルールを取っており、その最下層である「未勝利」クラスというのは、3歳の夏までしか組まれていないからです。ここまでで勝ち上がれなくても、出走のチャンスが全くなくなるわけではないのですが、極めて困難になるため、引退か、賞金が安い地方競馬への移籍、というのが殆どになります。
中央競馬の競走馬となった馬で、1勝を挙げることが出来るのは大体30%程度で、70%近い馬は未勝利で終わります。

で、ここで勝ち上がった馬。
これも、競走馬としての実力がどのくらいあるのか、で、大きく変わっていきます。
というのは、中央競馬で1頭の馬を所有するのにかかる費用は、年間1000万円くらいです。これは、G1 レースを何勝もするような馬でも、全く勝てない馬でも同じです。
ですので、1勝を挙げたとしても、惨敗続きで全く賞金が稼げない、となれば現役を続けても維持費がかさむだけなので引退させる、ということになるからです。

その一方で、優れた成績を上げた馬も、現役が短くなることがあります。
というのは、デビューして連戦連勝でG1レースなどを勝った馬は、競走馬として非常に優れている、と判断されると種牡馬として売却してほしい、というオファーが入るようになるからです。
こういう馬は、種牡馬として数億円、時には数十億円という金額が提示されます。日本のレースで、最も賞金が高いのは、ジャパンカップ、有馬記念の1着賞金3億円です。ただし、馬主が手にするのは、その8割なので、勝っても2億4000万円(残りの2割は、騎手、調教師などの取り分) もし、レースや調教中に大怪我をして死亡してしまえば、種牡馬として売ることは出来ないですし、現役で走って成績が下がってしまうと、種牡馬としての売却額も低下してしまうことがあります。
ですので、どの段階で引退させて種牡馬にするのが一番良いのか、というタイミングを考えて走らせることになります。そのため、超一流馬は、比較的、現役時代が短くなります。

競走馬として、現役時代が長くなる馬は、成績が良く、しかし、大レースなどではなかなか勝てなくて、種牡馬としてのオファーが来ないような馬です。
そういう馬は、種牡馬としてオファーが来ず、しかし、賞金は稼ぐので、賞金が稼げるうちは走らせよう、ということになり、7歳、8歳、場合によっては10歳くらいまで現役を続けることがあります。

ですので、現役が長い馬で7~8年くらい、ということになります。


その上で、赤字か黒字か、という話になりますと、現役時代の長さとはあまり関係ありません。
先に書いたように、中央競馬で1頭を1年間所有すると、それだけで1000万円くらいの維持費がかかります。ですので、3年間、現役を続けるとすれば、それだけで3000万円くらいの維持費がかかるわけです。
もし、馬主が、その馬を2000万円で購入した、とすれば、2000万円+3000万円で、5000万円の収入を得ていないと赤字になる、というわけです。そして、馬主の取り分は賞金の8割なので、3年間で6250万円の賞金を稼いでいないと赤字になります。
しかし、中央競馬で1勝を挙げる馬が3割程度、6000万円の賞金を稼ぐ馬は極めて稀です。ですので、馬主で黒字を出す人は殆どいません。
ちなみに、購入価格2000万円の馬、というのは、安い馬ではないですが、しかし、高額というわけでもありません。高額の馬ですと、数億円単位で取引される馬もいます。そして、数億円で取引された馬が、1勝もできない……どころか、出走すら出来ずに引退、ということも珍しくない世界です。

ただ、その一方で、レースの賞金額というのは、下位クラスと上位クラスでは大きく違っています。
中央競馬で一番低い未勝利クラスの1着賞金は500万円。最高賞金のジャパンカップ、有馬記念は3億円。未勝利クラスを50勝するよりも、有馬記念を1勝した方が賞金は高いのです。
そして、そのレベルの馬になれば、種牡馬としても高額でオファーが来ます。
質問文にあるディープインパクトは、14戦しかしていませんが、その現役時代に稼いだ賞金は14億5000万円ほど(馬主の取り分は11億円ほど) さらに、種牡馬として50億円ほどのシンジケートが組まれ、馬主にもその金額の一定割合が入った、と言われています。少なく見積もっても、十数億円が馬主に入った、ということになります。


ということで、馬主というのは基本的には儲からない。
しかし、とんでもない名馬を所有すれば、数十億円単位の金が手に入る。そういうギャンブル的要素が強いものなのです。
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この回答へのお礼

ものすごく詳しく知りたいことが説明されてました
ありがとうございました

馬主に取ってギャンブルなのか名誉、単なる娯楽なのか・・・

お礼日時:2021/04/22 18:13

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