【ある思考実験】
「有限な大きさの宇宙を一個用意する。まだ、膨張も収縮もしていない静止した宇宙。その中に、質量Mの物質塊と、双子の観測者、AとB(ともに質量ⅿ)を置く。そして、実験開始と同時に、等速度運動関係を始めさせる。双子の一方のAと、Band物質塊との距離がvt(t:時間、v:一定の値)で変化する、つまり、Aにとっては、Band物質塊が等速度vで運動していると観測され、Bにとっては、A だけが等速度vで運動していると観測されることになる。と同時に、宇宙をある膨張速度Vで膨張させ始める。
さて、Aにとっては、宇宙内の総運動エネルギーは、E=Mv²/2+mv²/2になり、Bにとっては、
E=mv²/2で、ⅿ≪≪≪Mならば、ほぼ0と考えて差し支えない。
ここで、運動エネルギーも重力場源として働くことを認めるならば、運動エネルギー量によっては、宇宙の膨張にブレーキをかける重力の強さも変わり、膨張の様相も変わってくると考えられる。
すると、双子のAとBでは、宇宙の膨張の状況が変わってくる可能性がある。宇宙の膨張速度Vや、物質塊の質量M、等速度運動の速度v等の値によっては、Aの立場からすると、膨張が次第に減速し、漸近的に0に近づく、あるいは、ある時点で反転して収縮することも起こり得る。一方、Bにすると、宇宙内の運動エネルギーはほぼ0で、膨張速度はほぼ変わらず、宇宙は膨張を続けるか、物質塊のMの重力によって、減速するにしても、ごく緩やかなものになり得る。
双子のどちらも、同じ宇宙に棲んでいるにもかかわらず、場合によっては、180゜真逆の未来が待っていることになり兼ねない」(注:ここでは、速度ベクトルをスカラー量のように書いている)
という思考実験を考えてみたのですが、このパラドックス、どう解決できるか。重力が関わってくるから一般相対論の問題だという指摘が出るかもしれませんが、一般相対論をどのように使って解決するか、できるだけ具体的に示していただけるとありがたい。それが理解できるかどうかはこちらの自己責任ということで。
A 回答 (4件)
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No.3
- 回答日時:
>例えば、Aはフリードマン解の曲率パラメータk=+1となる解を得、Bは、k=ー1となる解を得る、といった状況は可能なのか、ということだったのですが、そんなことはありえない、あったとすれば、A、Bがいる宇宙は各々、異なる別の宇宙になる、ということなのですね。
えぇ、AかBかという立場とは無関係に決まってるパラメータが、同じ値にならなかったのなら少なくとも一方が正しい測定を行えてない、または、別の宇宙にいるという話にしかなりません。
まぁ、厳密にはこの宇宙が一様等方的ではないのような前提に立つと、k自体明確な値を持つものではなくなるので、測定方法によってばらつきが出てくるとかならあり得ますけどね。(そう言う話をしている質問ではないとは思いますが)
> ちなみに、従来からある双子のパラドックスの説明
一般相対論を持ち出したいのなら、持ち出してはいけないとする理由はありません。
私には話を複雑にしたい理由が理解できませんけど。
No.2
- 回答日時:
ベクトルやテンソルのような実体が背後にあって立場によって変わるのはその成分である、という前提で理論が組み立てられていますので、立場を変えただけでベクトルやテンソルそのものが変わる事は一般相対論の枠組では決して起こりません。
貴方の言う「宇宙の行く末が真逆になってしまう」のがどのように導かれるものか分かりませんが、例えば異なる計量テンソルを想定しないといけない(座標変換で互いに移り変われない)話を想定しているのなら、一般相対論からはそんな結論になる事はあり得ません。
御回答ありがとうございます。自分が疑問を抱いていたのは、宇宙に二人の観測者A、Bがいて、各々が宇宙を観測して得られたデータから、重力場方程式を解いた結果、例えば、Aはフリードマン解の曲率パラメータk=+1となる解を得、Bは、k=ー1となる解を得る、といった状況は可能なのか、ということだったのですが、そんなことはありえない、あったとすれば、A、Bがいる宇宙は各々、異なる別の宇宙になる、ということなのですね。
No.1
- 回答日時:
>Aの立場からすると、膨張が次第に減速し、漸近的に0に近づく、あるいは、ある時点で反転して収縮することも起こり得る。
一方、Bにすると、宇宙内の運動エネルギーはほぼ0で、膨張速度はほぼ変わらず、宇宙は膨張を続けるか、物質塊のMの重力によって、減速するにしても、ごく緩やかなものになり得る。どんなアインシュタイン方程式を考えて、どんな解を得たのか
その解のどのパラメータをみて膨張速度云々という話をしてるのか
このくらいは書いてくくれないと何も言えないかな。
少なくともB視点ではシュワルツシルト解になるんじゃないかと思いますが、どの辺に膨張速度云々という話が出てくるのですかね?
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逆に、双子A、Bの立場によって、宇宙の行く末が真逆になってしまうアインシュタイン方程式の解は存在するのかという質問は成り立ちますかね?
ちなみに、従来からある双子のパラドックスの説明にアインシュタイン方程式(重力場方程式と呼んでいいですか)を使えませんか?双子のAが地球にいて、Bは宇宙船に乗っている。地球が等速度運動しているのか、宇宙船が運動しているのかによって、方程式の解は異なる(と思います)。しかし、AもBも地球が等速度運動している場合の解か、宇宙船の場合の解か、どちらか一方の同じ解を二人ともが得られるから、どちらが等速度運動しているのか、同意できる。というのはダメですか?
(解というより、計量テンソルというべきか?)
ええ、双子のパラドックスの説明では、宇宙船の加速度運動過程では、宇宙船のほうが運動していると決定できることでパラドックスは解決できるということだったのではないかと。つまり、等速度運動の過程では、地球と宇宙船のどちらが運動しているかは決定できないとされているという理解なので、等速度運動している過程でも、一般相対論を用いれば、あるいは、どちらが等速度運動しているか決定できるのでは、と考えたのです。