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劉  小 妹
「文法的な単語」の認定をめぐって
https://ousar.lib.okayama-u.ac.jp/files/public/5 …

が、「文法的な単語」という矛盾した概念を提起している。

この論考は、「はじめに」、

>語彙的な意味をもたず、文法的な意味を主に担う単語類を、ここでは「文法的な単語」と呼ぶことにしたい。//

と述べ、「文法的な単語」なる用語を<宮崎和人(2015)「品詞性をめぐって」『日本語文法』15巻2号>から借用している。

ここでは、「語彙的な意味」を「文法的な意味」と区別し「語彙的な意味」を持つ単語は「文法的な単語」ではないとしている。

至極単純に考えても語彙的な意味をもたない単語は語ではなく単なる形式、つまり感性的な形でしかない。感性的な音、または視覚的な形が語であるのは文法により、まず音韻、文字として規定され、さらにそれらの組合せとして文法により概念と結び付けられることにより語として認定されているのである。

つまり、文法的な意味を担わない物理的な形は音韻、字韻(文字)でもなく単なる感性的な形式でしかない。記号でさえ何らかの意味を担っており、「語彙的な意味」を「文法的な単語」と区別するのは根本的な言語事実の誤認でしかない。

橋本文法について、

>>単語を「詞」=自立語と「辞」=付属語に分けるのは、伝統的な国文法の考え方である。この分類原理自体が間違っているわけではない//

とするように、自立語/付属語という「分類原理自体が間違っているわけではない」とこの区分を肯定しているが、これこそ「語彙的な意味」ではなく「自立/付属」などという形式に分類原理を求める根本的な間違いである。

結局、この論者は「おわりに」で、

>>これは単語とは何かという問題がいまだ未解決であることを示唆して
いる。//

と述べ、「単語とは何か」という理解なしに単語を論ずるという矛盾を犯している。

このように見てくれば、論者は現在の「文法とは何か」、「単語とは何か」という言語論の基本を明らかにできていない言語論の非論理的、非科学的な現象論の実体を晒しているだけであることが判る。

こうした誤りを明らかにしたのが、ここでも取り上げられている時枝誠記による言語過程説であり、

「語を構成的に見る言語構成観」に反対し、「語の根本的な性格を表現過程に求める言語過程観」に立って、単語を「表現される事物を客体化するという作用を経て表現されるもの」と「心の直接的な表現を表すもの」に分け、前者を「詞」、後者を「辞」と呼んだ。//

のであるが、論者は、この本質的な二大区分の意義が理解できずに、

>>単語をただ二つに分けるという議論には無理があるということを意味していると思われる。感動詞や接続詞は、実質的な意味がないという点では付属語的であるが、自立性があるという点では自立語的であって、中間的である。//

と、自立性などという形式に囚われ、文法の意味も理解できずに

>>意味を中心においたため、辞という語類が文法的にどのような共通性をもつグループなのかがわからなくなってしまっている。//

と、「文法的な共通性」などという意味不明な疑問を提示している。それゆえに、「語彙的な意味」とは何であるかが理解できずに「文法的な単語」という矛盾した概念を提起する結果になっている。

このような現在の言語学の欠陥を諸賢はどのように理解されているのであろうか?

A 回答 (1件)

「単語とは何かと言う理解なしに単語を論ずる」は必ずしも矛盾とは言えません。

むしろ学問の世界ではよくある事だと思います。早い話「生物とは何か」がはっきり分かっていなくても生物学は成り立ちますし、むしろ逆に「生物とは何か」を知るために生物学の研究があるとも言えます。
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この回答へのお礼

早速のコメントをありがとうございます。

そうした側面はありますが、概念規定をまず明らかにするのが学の第一歩かと考えます。

現在の言語学にはそれが欠落しています。

そのため、形態素などという紛いもので済ますという安易な思考に陥っています。■

お礼日時:2021/08/20 18:11

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