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イザベラ・バードの朝鮮紀行を読むと、
李氏朝鮮では銅貨は流通しているので貨幣経済はゼロでは無くて一応普及しているけれども金貨銀貨は普及していない、この点は日本と違うということを書いてますが、にもかかわらず、
1896年度の税関報告書を挙げて、
1896年度には136万279ドルの砂金が李氏朝鮮から公式に輸出されており、これはあくまでも公式に記録されているものだから、申告されずに国外に流出した砂金はもっと多いだろうとも書かれてました。
質問ですが、李氏朝鮮には砂金が産出し、しかも銅貨は一応普及していて貨幣経済はゼロでは無かった、にもかかわらず、
何故金貨は李氏朝鮮で普及しなかったのでしょうか?

A 回答 (1件)

>何故金貨は李氏朝鮮で普及しなかったのでしょうか



以前にも回答した通り、朝鮮国の貨幣に信頼性が無かったから。
当時は金本位制で貨幣価値を金で裏付けしていましたが
朝鮮ではまだそのような概念が無く、政府の信頼度も低いので
朝鮮の当時流通していた通貨が国際社会で通用しないため、
海外との交易は金貨を作るのではなくそのまま砂金を使いました。

当時の朝鮮は常平銭等の硬貨があり、実際に使えましたので
貨幣経済が0とは言えませんが、実際に使う時には使えない事が多く
現物取引を優先されるので、貨幣は普及しているとは言えない状況。
せっかく朝鮮の発行する貨幣があっても一部でしか使えない社会は
貨幣経済は無かったといっても過言ではありません。



日朝修好条規 附則
 第七款
  日本國人民日本國ノ諸貨幣ヲ以テ朝鮮國人民ノ所有物ト
  交換シ得ヘシ
  又朝鮮國人民ハ交換シ買得タル日本國ノ諸貨幣ヲ以テ
  日本國ノ諸貨物ヲ買入ルヽ爲メ朝鮮國指定ノ諸港ニテハ
  人民相互ニ通用スルヲ得ヘシ

  日本國人民ハ朝鮮國銅貨幣ヲ使用運輸スルヲ得ヘシ
  兩國人民私ニ錢貨ヲ鑄造スル者アレハ
  各其國ノ法律ニ照シテ處斷スヘシ

当時を知らない人には悪名名高い日朝修好条規の附則ですが、
わざわざ日本の貨幣は朝鮮で使えることなどが書かれています。
朝鮮側は貨幣価値を認識していたのでそのまま記載されました。
また、私銭の禁止は朝鮮側からの提案で付記されたもの。
(この時の交渉は記録が現存しますが、朝鮮の貨幣について
 反論は無く、朝鮮側は朝鮮の貨幣が使えない認識なので、
 日本の強制ではありません)
朝鮮での私銭はそれなりに多く、「お金が無ければ作ればいい」
と言う発想が地方の実力者にまで蔓延していました。
ちなみに、後世になってもあの閔妃の一族は當五銭などの私銭を
造って私腹を肥やしていました。



「韓国官憲トノ応接及修好條規締結ニ関スル談判筆記」
(アジア歴史資料センター レファレンスコード:B03030141400)
(P34左から二行目から)

  申  貴説明了感服ス。然ルニ一朝急二之ヲ我国ニ
     施サント欲スルモ中々行ハレサルベシ。
     既ニ先年我国ニテ當百銭ヲ作リ出セシ處
     農民共ハ之レニ服セズ六年計リノ内ニ
     忽チ不用トナリタリ
     今日ト雖此貨幣談判デモ外ニ漏ルレバ民間ニテハ
     又々何事ヲ仕出スヤラントテ、忽チ沸騰スベキニ付キ、
     我国ニテハ容易ニハか様ノ事ニ手ヲ着ケカネルナリ
  宮本 申サルル所ノ當百銭トハ何程ノ量目ニテ製造ナサレシヤ
     常平銭百枚ノ重サカ又ハ七、八十枚位カ、或いハ十枚
     若クハ二十枚位の重サカ
  申  大概十枚位ト考ヘラル
  宮本 其レ故ニ民間ノ沸騰ヲ起セシモノト思ワル
     ソノ故ハ紙幣モ同様ニテ真ニ常平銭百枚ノ値
     之レナキモノヲ以テ強テ百枚ニ通用セシメントスル故
     人心ニ適セサルベシ 
     我日本ニテモ昔日ハ此ニ類スル事許多アリテ
     人民不承服ノ末、段々ト工夫ヲ面ラシ
     此ノ新貨ヲ用フル事ニ至リタリ
     紙幣ト申ス者ハ真価ノ金銀アリテ之ニ代用スル者ニテ
     人民モ旅行等ニハ真金銀貨ヲ携帯スルヨリ
     紙幣ヲ携帯スル事ノ軽便ナル等ノ便利ヨリシテ
     金銀ノ代用ニ行ハル
     即チ此ニ貴覧ニ入ル我ガ紙幣モ専ラ内地ニ通用致スナリ
     カ様ナル訳ナレバ貴国ニテモ真ノ金銀貨ニテ
     通行セザル事ハ有マジト考ヘラル
     鉱山ハ掘リ尽ス際限ノアル様ノ者ニハ之レ無ク申サバ
     無尽蔵ト同様ナリ

     茲ニ出セル此ノ金銀貨ハ貴政府ヘ差シ出シ申スベシ
     今日貴政府ニテ是非金銀ヲ製造セラレヨト
     申ニハアラサレシ、経済ノ事ニハ必用ノ者故
     参考備フル迄ナリ

この史料は先日提示したとは思いますが、その続き。
なぜ朝鮮の貨幣が流通しないとのお話になったので聞くと
當百銭自体が通常貨幣だと10銭分くらいのと答え。
額面だけ変えても民衆は本当にその価値があるか判らないから
貨幣の価値が十分浸透していないと民衆は使ってくれません。
紙幣は携帯に便利だけど、それだけの価値を示さないといけない。
ということで、持参した金貨・銀貨を参考用に渡しています。

朝鮮では(特に国王が)貨幣価値に対する概念が無く、
造れば使える状態なので、お金の湧き出す魔法の制度でした。
民衆は「この10銭分の銅貨は100銭として使うこと」と言われても
いつ「これは10銭分の銅だから10銭としてしか取引できない」と
言われるかと思うと怖くて受け取れません。誰も受け取らないから
必然的に市中に流通しないからますますみんな使いません。
政府公認で金貨を作っても金の価値でしか取引されないなら
砂金の方が扱いやすいです。
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