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ニッポン放送に対する株式争奪戦で、ニッポン放送の株式の25%をフジテレビを保有することでライブドアがニッポン放送の親会社となったときの、ライブドアのフジテレビに対する影響力を排除できるという話が繰り返し報道されていましたが、なぜなのでしょう?

根拠(条文など)をご存知の方がいらっしゃいましたら教えていただけませんでしょうか。宜しくお願い致します。

A 回答 (3件)

>この条文の趣旨はどういったものなのでしょう?



 会社と会社がお互いにお互いの株式を持ち合うことを株式相互保有といいますが、次のような弊害があります。第一に資本の空洞化を招くことです。A社がB社の株式を有し、B社もA社の株式を有する場合、B社の会社財産の中にはA社の株式も含まれますから、あたかもA社はB社を通じて自己株式を保有しているような状態になります。
 第二に株主総会の決議が歪曲化されるおそれがあることです。A社の経営陣は、B社の経営陣に対して、A社の株主総会においてA社の経営陣の意向に沿う議決権の行使をして貰い、その代わり、B社の株主総会において、A社はB社の経営陣の意向に沿うように議決権を行使すれば、経営陣自身は自己の会社の株式を有していなくても、お互い自己の地位を守ることができてしまいます。
 しかしながら、第一の弊害の防止に対して商法は、相互保有を完全に禁止するのではなく、子会社が親会社の株式を取得することを禁止しているにすぎませんので、相互保有の制限は限定的なものです。しかも、商法でいう親会社、子会社とは、実質的な支配関係の有無ではなく(業務提携をしているかどうか、親会社から子会社に取締役を派遣しているかどうかは関係ない)、親会社が子会社の総株主の議決権の過半数以上を保有しているかどうかという形式的な基準ですから、相互保有の規制は不十分なものです。
 第二の弊害の防止については、既述のように25パーセントを超えた場合は、議決権を行使することができないという規制をしています。しかし、上場企業では、株式は分散していますから、たとえば5パーセントくらいの保有でも、その会社に対して十分に影響力を与えることができますので、25パーセントを基準とすることは、第二の弊害防止の実効性の観点から疑問視する学者もいます。
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この回答へのお礼

丁寧な解説をありがとうございました。大変参考になりました。

お礼日時:2005/03/10 01:29

今回の事例に置き換えると、フジがN放送の株式の1/4超を保有したため、N放送の保有するフジ株式の


議決権が消滅する、ということになります。

>この条文の趣旨はどういったものなのでしょう?

本件の場合、フジはその取締役会の決定によってN放送株式の議決権を行使できます。
つまりN放送には、フジの経営陣の影響が少なからずある、ということになります。
そのN放送がフジに対して株式の議決権を行使しようとすると、結果的にはフジの経営陣の意向が強く
反映される、ということになり、株主の議決権が経営陣の意向で不当に曲げられる可能性があります。
よって、一定以上の支配関係にある子会社は親会社への議決権を持てない、ということになる訳です。


>子会社は親会社の株式を持てない

この条文は現在も生きています(商211条2)。
この条文で言う子会社とは50%超の支配関係にある会社を言います。
フジ/N放送とも50%超の支配関係にありませんので、株式の相互保有は可能です。

なおこちらの条文の趣旨は、実質的に強い関係のある会社同士が株式を保有しあうと、その資本を親子で
キャッチボールし続けることで、実体のない無限増資が可能となり、資本充実の原則にも反することから
こちらは例外を除き取得は禁止されています。
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この回答へのお礼

丁寧な解説をありがとうございました。大変参考になりました。

お礼日時:2005/03/10 01:29

 根拠条文は、商法第241条第3項です。

フジテレビがニッポン放送の総株主の議決権の4分の1を超える議決権を有する場合、ニッポン放送が有するフジテレビの株式について議決権を行使することができません。
 仮にライブドアがニッポン放送の株式について過半数の議決権を有するに至り、ニッポン放送の現取締役が任期満了で退任するに伴って、ライブドアの意向を受けた取締役が新たに選任されたとしても、新代表取締役(新取締役で構成される取締役会で選任されます。)は、会社を代表して、ニッポン放送が有するフジテレビの株式の議決権を行使することができませんので、そういう意味でライブドアの影響力を排除することができます。

商法241条第3項
「会社、親会社及子会社又ハ子会社ガ他ノ株式会社ノ総株主ノ議決権ノ四分ノ一ヲ超ユル議決権又ハ他ノ有限会社ノ総社員ノ議決権ノ四分ノ一ヲ超ユル議決権ヲ有スル場合ニ於テハ其ノ株式会社又ハ有限会社ハ其ノ有スル会社又ハ親会社ノ株式ニ付テハ議決権ヲ有セズ」
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この回答へのお礼

早々の丁寧なご回答をありがとうございます。
この条文の趣旨はどういったものなのでしょう?
子会社が親会社の相当の割合の株式を保有しうる場合は実質的にもはや子会社ではないと考えて親会社の影響力を排除するのが相当ということなのでしょうか?

昔、子会社は親会社の株式を持てないと聞いたことがあったのですが法改正があったのでしょうか?それともこのことを言っているのでしょうか?

お礼日時:2005/03/08 20:50

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