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オージェ電子分光法のオージェ電子の発生させるのは、なぜX線ではなく、電子なのでしょうか?
空間分解能以外に何かメリットがありますか?
X線では、だめな理由等もあれば教えて頂ければ幸いです。

A 回答 (3件)

X線を使うと、オージェ電子以外に光電子が発生するため、電子スペクトルが複雑になってピークの同定が難しくなるからです。



被測定物の構成元素や組成が既知なら、光電子のエネルギー位置は既知なので、得られたスペクトルのどれが光電子信号が分かりますが。しかし、素性の分からない被測定物では、オージェ電子と光電子の区別がつかないので、元素の同定が難しくなります。AESは元素の同定に使うことが多いので、AESでは電子線を1次プローブに使います。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます!
そうなんですね、電子では、光電子のような電子はでないのでしょうか?

お礼日時:2021/10/21 21:55

>電子では、光電子のような電子はでないのでしょうか?


どういう意味ですか?
光電子もオージェ電子も、試料から飛び出した電子です。検出できるのは、そのエネルギーと数だけで、その情報だけでは光電子なのかオージェ電子なのか区別できないということです。
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この回答へのお礼

質問がわかりにくくてすみません。
X線で電子が束縛エネルギー以上のエネルギーをもらって光電子になるように、
電子でもそのような電子が出てこないのでしょうか?
出てきてしまうなら、KLLなどのオージェ電子と区別が、XPSと同じように、つかないのではないのかなって思ってしまいました。

お礼日時:2021/10/22 08:26

>電子でもそのような電子が出てこないのでしょうか?


そういう意味ですか。
電子線を照射すると、オージェ電子以外に、散乱された電子(2次電子)や特性X線や光などが発生します。2次電子を検出するのがSEM(走査型電子顕微鏡)、特性X線を検出するのがEDXやEPMA、光を検出するのがカソードルミネッセンスです。

2次電子には内殻準位から弾性散乱した電子も含まれるので、その運動エネルギーは、1次電子線のエネルギーから束縛エネルギーを差し引いたものになる(エネルギー分布が光電子スペクトルのようになる)ことが期待されます。

しかし、現実には試料から出てくる電子のエネルギー分布には光電子スペクトルのようなものはほとんど出てきません。

ここ
https://www.jeol.co.jp/words/semterms/glossary_f …
に電子線励起による反射電子のエネルギー分布の例が出ていますが、大部分は低エネルギーの2次電子とオージェ電子と弾性散乱電子(入射エネルギーと同じ)です。

弾性散乱電子のエネルギーからすぐ下にある構造を「エネルギー損失スペクトル」と言いますが、これが光電子と類似の発生起源をもつ電子になります(束縛エネルギーが大きいほど運動エネルギーが小さい)。

ただし、価電子帯や浅い内核準位からの信号しか検出できません。光電子分光のような深い内核準位からの信号は、強度が弱くて他の電子に埋もれてしまうのか、あるいは非弾性散乱によってエネルギーが広がってピークとして現れないのか分かりませんが、現実として観測できません。

この浅い内核準位からの「エネルギー損失スペクトル」を対象とした分析法をエネルギー損失分光法(EELS:Electron Energy Loss Spectroscopy)と言いますが、この信号は非常に弱く、多くの場合、スペクトルを電子エネルギーで2階微分してピークを強調しないと構造がハッキリしません。オージェ電子分光法でも信号が弱いので、1階微分してピークを強調していますが、エネルギー損失信号はそれよりも弱いので2階微分しているというわけです。

もし興味があったらエネルギー損失分光法を調べてみたらどうでしょうか。

私は学生時代に、X線光電子分光法とオージェ電子分光法とエネルギー損失分光法を使った半導体ヘテロ界面の電子構造の研究をやっていましたが、30年以上前の知識なので、今は状況が変わっているかもしれません。
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この回答へのお礼

丁寧にありがとうございます。色々勉強になりました。
入射電子の非弾性散乱とかと、光電子がかぶってしまうのはなるほどです。
また、ラボのX線(特性X線)より、高エネの電子を使って、その被りをなくしているのかなと理解しました。
ありがとうございました。

お礼日時:2021/10/24 11:04

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