プロが教えるわが家の防犯対策術!

バイオリン等の弓奏(擦絃)楽器演奏時のビブラート、その他についてご教示ください。当方音楽の素養・経験なしの老年男子です。(的外れな質問かも知れませんが、その時は笑ってやってください。)

(1)ビブラートはなぜ必要でしょうか。その意義は?
(2)数人、あるいはオーケストラ等で合奏する場合、各奏者のビブラートは(山と谷が)揃っているのでしょうか。また、ビブラートの山谷の周期(ピッチ・テンポ?)はどのようにして決まるのでしょうか?
(3)もしビブラートが揃わないと汚く聴こえるのでしょうか?
(4)アマチュアの初心者と中級者が合奏するような場合、ビブラートを掛ける者とそうでない者が混在してもいいものでしょうか?
(5)オーケストラなどの大編成の場合、バイオリン等の自分の楽器の音は自分に聞こえるのでしょうか? 聞こえないのでは?と心配するのですが、もし聞こえないと音程は取れるのでしょうか?
(6)プロの場合、トチったりしないものでしょうか?
以上です。よろしくご教示ください。

A 回答 (3件)

一応プロの弦楽器奏者です。



1)ビブラートの使用は
    ・音の伸びを作り出すため。
    ・音の融通がつくようにするため。
    ・スケール感を作り出すため。
    (↑調性感の話ではなく空間の広さの話です)
    ・様々な音色を使い分けるため。
が、主な目的です。
(もちろん音をごまかすのにも使えます。^^;)

たとえば、同じ音を長く演奏する際にビブラートをかけていないと途中でピッチが下がったように聞こえてしまったりします。鼓膜が麻痺してしまうからだと思うのですが、ある程度音に「ゆらぎ」をつけることによって伸びのある音にすることができるのです。

また、演奏者や楽器の特性によってピッチは微妙に違ってくるのでビブラートをかけないで弾くとかえって音が濁って聞こえてしまいます。
音程が悪く聴こえてしまうので融通のきくようにビブラートをかけるわけです。

そして、弦楽器は管楽器に比べて音の通りやすさが違いますから、編成を大きくしないと管楽器に対抗できるスケール感を出すのが困難です。
(プロの間ではそれぞれの微妙な音程の違いが気になって気持ち悪がる人もいますが・・。)多少の音程のズレがあってビブラートをかけることによってかえって壮大なスケールを演出することも可能になるのです。

さらに、ビブラートの幅、早さ、タイミングなど組み合わせ方次第で無限に音色を作り出すことが可能になるのです。

2)複数の演奏者が同じ音でビブラートの山と谷を完全に一致させてしまうと(ほとんどありえないでしょうが・・・)音色自体が変なものになってしまいます。録音機器で作ってみると分かると思いますが、とてもクラシックの音ではなくなってしまいますね。
(面白い音で僕個人は好きですが・・・)

山谷の周期などは完全に決めることは不可能です。
(機械じゃありませんから・・・)
ただ、音のバランスや音色をある程度あわせるために幅、速さ(ピッチ、テンポ)をおおまかに決めることもあります。
ただ、それぞれ楽器の個性と奏法の個性がありますから、それによって自分の耳で聞いて臨機応変にやっていますので完全には同じビブラートにはなりませんね・・・。

3)無論汚くはなりません。

4)オーケストラなど、編成の大きいときは混在していても大丈夫でしょう。四重奏など室内楽の場合は全員がビブラートがうまいこといかないと音のバランスが悪くなってしまいます。

5)自分の音は基本的に聞こえています。自分だけに聞き取れる程度の音量が望ましいです。
(他の楽器とのバランスもありますし、曲の音量自体に影響を及ぼさない程度の音量です。)
ただ、曲として全体の音量が大きくて自分の音が聞き取れない場合は、骨伝道で伝わってきている音を頼りに自分の培ってきた感覚で音程をとります。(それができなきゃ仕事になりませんから・・・笑)

6)プロといっても人間ですから、トチることはよくあります。(いままで1度もトチッた事のない人は少ないです。)ただ、それをうまく対処できるかどうかです。
どこからがトチったことになるかの境界線が曖昧ですから・・・。
トチっても、そう聴こえないように弾くのも仕事のうちです。


以上、若輩者でビブラートの「ゆらぎ」の上に成り立っている現場の意見です。
こんなもんでよろしいでしょうか?
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この回答へのお礼

プロの演奏家の方なんですね。尊敬してしまいます。音楽の素養の全くない人間の愚にもつかない質問に誠実にお答えくださり、本当にありがとうございます。
とても実感のこもった、痒いところに手の届くような内容と感じました。
もとより音楽経験もありませんので100パーセント理解できる訳ではないですが、先のお二人のご回答も合わせ、感覚的に分かったような気がしてきました。
ありがとうございました。
No.1,2のご回答者も含め、皆様のご活躍をお祈りしております。

お礼日時:2005/03/18 22:35

現役ではありませんが、アマオケ在籍暦30年くらいあります。



(1)ビブラートのかかった音を「綺麗」と捉えるかどうかが先ず問題ですね。
人によってはビブラートのかかっていない音を「素直な音だ」と評価し、ビブラートをかけることを「邪道だ」、「テクの下手さ加減をごまかす方法だ」等と極論する人さえもいます。
しかし一般的に言って、人は大きな乱雑な変化を好みませんが、一定で変化のない状態にも不安を感じるものです。ゆるやかな定常的な変化を最も好むという特性があります。これはよく言われる「1/fゆらぎ」とも関連すると思います。
これを実現するために、ビブラートをかけるのだとわたしは解しています。
上手なビブラートのかかった演奏を聴くと心がホンワカと暖かくなります。

(2)揃いません。揃うはずがありません。
ビブラートは弦を押さえた指を前後にゆすることによって発生させます。各人各様の「ピッチと深さ」を練習によって取得しています。「変えろ」と言われておいそれと変えられるものではありません。これは個性と言ってよいほどのものです。

(3)全体の音色には影響ありません。
楽音を周波数分析してみると分かるのですが、例えばピアノのある音をポンと叩いて出る音を観測してみると、発音の前後で振幅は勿論、周波数もゆれているのが観測されます。[A]の音はいつも440Hzではないのです。
ビブラートくらいのゆれは、全体の音の変化の中に完全に吸収されてしまいます。

ビブラートはソロのときだけ際立って聴こえるものです。アンサンブルの中では、多くの音に埋もれてしまってほとんど聞き分けはできません。
ただ、個性的なビブラートの集合は、それ自体が一つの「特徴的な音色を構成している」という見方はできるかもしれません。しかしこれはビブラートとして抽出することとは別問題だと思います。

(4)上述の理由によりかまいません。

(5)聞こえます。当たり前です。
発音体をあごに当てているのですから骨伝導で直接に伝わります。
第一、自分の音が自分に聞こえなければ、他の音と合わせることなどできないじゃーないですか?
(自分が合わせなくて誰が合わせてくれるというのでしょー・・・(^_^;))

(6)わたしはプロでないのではっきりしたことは言えませんが、演奏会などで前の方に座って見ていると、ときどきニタっと笑って隣を見るヤツがいます。あれはきっとトチったのだと思います。
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この回答へのお礼

早速のご回答ありがとうございました。
No.1のご回答の方もそうですが、経験に基づいたご返事をいただき、そうか、そういうことなのかと理解できました。
骨伝導のお話も納得しました。
最後の話、私もニタッと笑わせていただきました。
もう40年若かったらバイオリンを習いたかったと、今更ながら思いました。

お二方とも、愚にもつかない私の質問に貴重なお時間を割いていただき、感謝にたえません。ありがとうございました。

お礼日時:2005/03/17 20:06

当方、ヴァイオリン経験17年でオケ在籍経験ありの者です。


・・・が、返答の自信は7割と言う所でしょうか。

1、ビブラートをする理由は、単純に音を綺麗に聞かせる為です。ビブラートする事によって音が響いて聞こえるわけですね。オペラ歌手と一緒です。

2、ビブラートのピッチを特に会わせる事はしないです。というかオケで合わせるのは現実問題として無理です。ビブラートの早さは曲の雰囲気に合わせて早くしたり遅くしたりしますが、厳密に決まるものではありません。

3、特に汚くはなりません。それぞれの音が響くようになる感じです。ビブラートの幅(音の幅)は例えば半音近く開くものではないですし、スピードも遅すぎなければ、特に汚くなるものではないです。

4、弦楽四重奏などでは、1stと2ndが掛ける者と掛けない者では、ややバランスが悪くなるかと思います。ある程度音質は合わせるに超した事はありません。またオケのメンバーで一人だけ掛けないなどはそれほど目立たないかと思いますが、もちろん合わせるに超した事はないでしょう。

5、これは非常に難しい質問です(笑)自分の楽器がはっきりと聞こえるようでは、一人大きな音でオケのバランスを崩してしまいます。しかし自分にすら聞こえないようでも、またそれは問題です。周りの音に調和しつつ、聞こえる程度の音量が大切です。

6、プロでも間違える事も当然あります(笑)


大体こんな所かと思います。
乱文で失礼致しました。
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この回答へのお礼

早速のご回答ありがとうございました。
私の愚問に対して詳しくお答えいただいて恐縮です。これで永年の?疑問があらかた氷解しました。
ご協力ありがとうございました。

お礼日時:2005/03/17 19:49

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