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Maxwellの悪魔、それは、気体の分子をそのスピードの速いものと遅いものとで選別し、容器の中で二つのエリアに分けてしまえる存在として、J.C.Maxwellによって仮想されたものです。これは、ほとんど仕事をせずにエントロピーを減少させることが可能となり、エントロピー増大の法則、別名、熱力学第二法則に背く現象が原理的にはあり得ることを意味するのではないかということで、長い間、論争の的になっていました。
比較的近年、情報熱力学や非平衡統計力学の発展によって解決され、エントロピーは増大することが示されていますが、ここでは、そんな難しいことを導入せずとも、現実においてMaxwellの悪魔は実在不可能であることを指摘したいと思います。
Ⅰ.気体の分子、例えば、我々の周りにある空気の分子でも、スピードの速いものと、遅いものに二極分化してはいない。仮にスピードの範囲が1~10であるとすると、中間の5か、その前後である分子が全体の5~6割またはそれ以上を占める。1か2,9か10といった分子は少数派となるから、早い分子と遅い分子に綺麗に二つに分けることはまず不可能。
Ⅱ.仮に、スピードが二極化しているとする。しかし、気体の分子数は膨大である。ここでは、1mol=6.02×10²³個を扱うとして、これを二つに分けるとすると、約3×10²³回の仕分け作業を行う必要がある。1体の悪魔が1秒毎に1個ずつ仕分けたとして、3×10²³秒かかる。これは、大体9.54×10¹⁵年に相当する。1μsec=10⁻⁶secごとに分子を仕分けられたとしても、9.54×10⁹年かかってしまう。では、さらにMaxwellの悪魔を100万体に増やしてみよう。それでも、9.54×10³年かかる計算になる。Maxwellの悪魔に相当する分子マシンを100万体製作し、これを約1万年近く作動させ続けねばならないわけだ。このシステムのメンテナンスやエネルギーの消費に伴うエントロピーの増大が莫大なものになるだろうことは想像に難くないだろう。こんなシステムを作り、運用し続けるなんてことはしないほうが、はるかに、エントロピーの増大を低く抑えられる。
Ⅲ.決定的なことは、仕分けには分子を通すトラップドア(悪魔が都合の良い分子が来るたびに開け閉めするドア)が必要だが、しかし、反対側からも分子はやってくるだろう。1μsecごとに開け閉めしているのだ。ドアを開けて、やってきた分子を通すのと同時に、反対側からも分子がやってきて、ドアを通っていく確率は低くないだろう。結局、双方向に分子が行き来することになり、仕分けはある程度までしか進められないことになる。

結局、原理的と言ってもいいぐらい、現実にはMaxwellの悪魔は実現不可能となります。

A 回答 (10件)

質問自体の根本的な問題点について少しだけ。



「現実においてマクスウェルの悪魔は実在不可能である事を指摘したいと思います」などと勿体ぶって書いておられますが、マクスウェルの悪魔自体が非現実的な存在である事は明らかですから「現実の世界においてマクスウェルの悪魔は存在しない」などと言った事はド素人が指摘するまでもなく最初から分かりきっている事です。なので「現実において」などと言っている時点で「この問題の意味を全く理解していない」と言われても仕方ないと思います。
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追記を少し。



今回のお礼コメントに「確かにそれは原理的に可能でしょうが」とありますが、マクスウェルの悪魔は原理的な話だけについての議論ですから「原理的に可能」でさえあればペイできるか云々はどうでもいい事です。なので「原理的に可能でしょうが」と書いてしまっている時点で反論になっていない事は明白と言わざるを得ません。
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お礼コメントに対してですが、どうやら「理論的に可能」の意味を分かっておられないようですね。

「実行するには無限大と言っていいくらい膨大な時間がかかる」と言う状況は「理論的に可能(∴マクスウェルの悪魔による選別は可能)」と言います。そう言う意味で質問者様の反論はどれも「理論的に不可能」ではなく「現実には不可能」と言っているに過ぎません。
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1モルの気体Aと1モルの気体Bの混合物を2つにMaxwellの悪魔が分けたとしても、得られるエントロピーは-Rln2ですね。

その間Maxwellの悪魔は2x
6.02x10²³回扉を開け閉めすることになって、汗だくになっている
事でしょう。Maxwellの悪魔のする仕事は非常に大きく,エントロピーの増大
は-Rln2以上と思われます。
以上かってな推測でした。
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ちなみに都筑卓司著『マックスウェルの悪魔』(講談社ブルーバックス)にはマックスウェルの悪魔に対する反論が紹介されていました。

その要旨は以下の通りです。

仮に分子一個だけを通す扉と言う物があったとしたら、その扉自体も一個ないし数個程度の分子からできているはずであり、またそれを操作する悪魔の指先も同様のはずです。そんな小さな物であれば、その扉自体も周りの熱的な影響を受けて勝手に閉じたり開いたりしてしまいますし、また悪魔の指先も悪魔の意志通りには動かずに勝手な動きをしてしまいます。なので「仕切りに分子一個だけが通る扉を作ってそれを開け閉めする」と言う事は自体が理論的に不可能となります。
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既に指摘のように質問の形になってはいませんが「この批判をどう思うか」と言う質問だと脳内変換する事にします。

結論から言うと、どれもマクスウェルの悪魔に対する反論にはなっていません。

Ⅰの反論の要旨は、分子の速度を仮に十段階に分けたとして「レベル1やレベル2、またその逆のレベル9やレベル10の分子は少数派だから『速い分子』『遅い分子』に二分するのは不可能」と言う事ですよね。だったらレベル1とレベル2を「速い分子」、レベル9とレベル10を「遅い分子」として、それらだけを選別すればいいだけの話です。選別の対象が多数派である必要はどこにもありません。

Ⅱの反論は要するに「分子の選別には天文学的な時間がかかるから現実には不可能」と言う事ですよね。と言う事は裏を返せば「天文学的な時間さえかければ分子の選別は可能」と言う事ですから、これまた反論として成り立っていません。また原理的な話をしている時に「メンテナンス云々」と言った現実的な話を持ち出すのはピント外れです。どうしてもメンテナンスの問題が気になるのであれば「何十兆年に一回程度のメンテナンスで十分なくらい優秀な装置(≒メンテナンスが不要)」とでも仮定すればいいだけです。

Ⅲの反論については、例えば「両方から同時に分子が来た時には扉を閉めてしまう」とでもすればいいだけです。選別できる頻度は激減するかもしれませんが、あくまでも「選別にかかる時間が増える」と言うだけであって「選別自体が不可能」と言う事にはなりません。
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この回答へのお礼

このような投稿にご意見いただけたこと、感謝いたします。
そのうえで、敢えて言わせていただければ、Ⅰに対する反論については、確かにそれは原理的に可能でしょうが、それで得られるエントロピーの減少量は微々たるもので、システムの運用に伴うエントロピーの増大量とペイするものではないでしょう。また、Ⅲに対する反論については、頻度が激減するなどというレベルのものではなく、(恐らくですが)理論的には、選別時間→∞ということになってしまうでしょう。

お礼日時:2022/05/19 11:00

(1)1、2、9、10だけ選別すればOK。


少なくなったところは熱運動で補充されるので無くなることはないが
全体のエネルギー総量の差は増えてゆく。
(2)マクスウェルのアクマが1兆いて10ns毎に働いて
はいけない理由がない。
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この回答へのお礼

ご指摘、ありがとうございます。しかしながら、(2)については、それだけのdemonsを用意して、極小時間のサイクルで駆動し続けることは不可能に近いでしょうし、原理的に可能であっても、やはり、そのシステムを維持し、コントロールし続けることに伴うエントロピーの増大は、得られるエントロピーの減少を完全に相殺してしまうことでしょう。

お礼日時:2022/05/19 11:06

「悪魔」とは物理法則に反していない限りは何でもできる存在の象徴です。


従って悪魔にできない事を言うには、具体的にどの物理法則に反するかと言及しないと、悪魔にすら出来ない事の説明にはなり得ません。

貴方のお考えは最後の
>現実にはMaxwellの悪魔は実現不可能となります。
という言い方にとどまっている事からして、Maxwellの悪魔を駆逐する話ではないと言って良いでしょう。

「現実にはMaxwellの悪魔は実現不可能」という言い方は「理想的な条件さえ整えれば可能(だが、理想的な条件を整えるのが困難)」という事か背後にある言い方ですからね。

Maxwellの悪魔を駆逐したいのなら理想的条件を整えても不可能(物理法則に反する)と言わねばなりません。
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質問は何でしょうか。

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そうですね。

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