A 回答 (4件)
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No.4
- 回答日時:
量子力学における[a,b]=ab-baは、物理因子aとbの交換関係を表してます。
ある因子aとbを組み合わせた時、それが組み合わせる順序を入れ替えた場合と同じになれば可換で、異なれば非可換であると言います。例えば、ある物体の質量をa, 位置をbで表す時、aとbの積は位置エネルギーに対応した値になりますが、掛け合わす順序を変えても値は同じなので、質量と位置の因子は可換です。このような可換な関係は多くの物理因子で認めれます。ある方向の運動量(p = m v)とその方向の変位(位置)Δxも可換です。ところが、半径rの先端に運動量(p)が加わった状況の角運動量Lは運動量(p)と半径rのベクトル積(p x r)で表されるので、pとrを入れ替えると極性が反転して角運動量は(-L = r x p)になります。したがって、この時の運動量(p)と半径(r)は非可換です。
前者は[p, Δx] = p Δx - Δx p = 0と表して可換で、後者は[p, r] = p x r - r x p ≠ 0と表して非可換であると言います。これは、いわば慣習です。
ただ、質問者さんが本当に知りたいのは、このような交換関係が量子力学で非常に重要であるとされている理由だと推察します。
量子力学では運動量(p)と位置(x)の交換関係が問題になります。それは、ハイゼンベルクが最初に量子力学を構築する際に、p x - x p = i h/2πという関係を想定することが必須だった為です。
その直後に、シュレーディンガーは(実数の平面波と見なした)ド ブロイ波に対する(古典的な)波動方程式を解いて水素原子の発光スペクトルを完璧に説明しました。そして、その解法が、水素電子のような1粒子問題についてはハイゼンベルクの量子力学の結果と極めて良く一致することにシュレーディンガーは驚きました。そして彼は、(通常全エネルギーを表す)ハミルトン関数の運動量pを座標微分(d/dq)のh/(2πi)倍で置き換えると、彼の(ド ブロイ波に対する)波動方程式と同じ形になることに気付きました。さらに、その波動方程式が実質的にハイゼンベルクの行列式と同じ意味を持つことを数学的に説明することが出来ました。 そうして、彼の(1粒子に対する)波動方程式がハイゼンベルクの(一般的な)行列力学と一致した理由が判明しました。
つまり、シュレーディンガーの新しい波動方程式(シュレーディンガー方程式)は、行列を使わなくともハイゼンベルクの提起した量子力学を完全に(しかも極めて容易に)計算できることが分かったのです。シュレーディンガーが運動量pをh/(2πi)(d/dq)で置き換えたのは、そのようにすると行列力学の鍵であった交換関係[p, r] = p x r - r x p = i h/2πが(微分演算規則から)自動的に満たされるからでした。
このように、[p, r] = p x r - r x p = i h/2πの交換関係は、量子力学の最も基本となる特徴なのです。
(以上は、私の考える朝永振一郎 量子力学-II 7章”Schroedinger方程式”の大胆な抜粋です)
ちなみに、前述のように古典力学では[p, r] = 2Lの交換関係となるのは、古典力学の運動量pと半径rの方向が互いに直交していて、(p x r)が角運動量に相応している場合です。pとrが同じ方向ならば可換になります。
量子力学では、逆にpとrが同じ方向の場合(例えば両者ともx方向)には非可換ですが、pがx方向でrがy方向の場合のように互いに垂直な方向のpとrについては可換です。
もう少し丁寧な説明が< https://oshiete.goo.ne.jp/qa/12996601.html >にあります。
No.3
- 回答日時:
量子力学では波動関数ψに対して、ある測定bを先に行って、次に測定aを行った場合、つまり abψ と、逆の順に測定aを行った後に測定bを行った場合、baψで値が異なる場合があります。
これは測定によって状態が変わってしまうという量子力学の重要な性質です。abψ-baψ がゼロか、ゼロでないかが重要になってきます。
abψ-baψ = (ab-ba)ψ がゼロか、ゼロでないかが重要です。
これを量子力学ではよく使うので
(ab-ba)ψ = [a,b]ψ と書きます。 単なる記号です。
なお、aやbはただの数字ではなく、演算子です。
No.2
- 回答日時:
それこそ単純に「演算子a、bについての右辺のような式を左辺のように書きましょう」と言うお約束、すなわち定義です。
そしてこれが0ならaとbは交換可能(可換)と言う事になりますが、そうでなければ交換不可能(非可換)と言う事になります。No.1
- 回答日時:
>なぜこのような形になるのでしょうか?
「そのように書くことにする」という定義があるからでは?
量子力学にも使われる「解析力学」(古典力学の一部です)では、「ポアソン括弧」という表記を用います。
括弧を { } で表記したり [ ] で表記したりします。
{A, B}q,p = Σ(∂A/∂qi)(∂B/∂pi) - (∂A/∂pi)(∂B/∂qi)
という定義です。
ポアソンの括弧
↓
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%82%A2 …
http://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/~teiji.kunihiro …
お示しの記号・式は、「リー代数」で使われる「リーブラケット、リー括弧積」と呼ばれるもののようですね。
リー代数
↓
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%BC …
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