No.12
- 回答日時:
「空」を論ずるに、西洋哲学と対比して、いちだん深く、実在論の思索をしていかなければならないことがあります。
少々むずかしいのですが、いわゆる「空」という問題です。ここに大乗仏教の真髄があるのです。
「有る」といえば有る。「無い」といえば無い。しかし、厳然と実在する存在としての「空」。
それを、仏法では「中道一実」、「我」と説いております。
この「我」という存在が、なんらかの具体的な一つの生命に発現され、誕生しゆくことが「成」であり。それが「住」「壊」「空」というリズムに流転していくと言うのです。
「地球を含む宇宙それ自体が本来 生命的存在であり、"空"の 状態にある生命を含んでいる。
それが"有"として顕在化する条件が整ったとき、宇宙のどこにでも、生命体として発生する可能性がある」と理解しているのである。
「生物を生み出す力がう宇宙自体にあり、無生の物質にも生命が冥伏した形で内在している」また「大宇宙それ自体が一個の生命体である」と見るならば、すなわち、地球を含む宇宙それ自体が本来 生命的存在であり「空」の状態にある生命を含んでいる。
「有」として現出できる条件を持った時に、宇宙のいかなる場所でも生命体として出現しうる可能性を持っているのである。
したが って 「宇宙自体が生命を誕生させる力を内包した"生命の海"である」。
宇宙はこれまで一貫して何物も存在しない「真空」であるとみなされてきたが、じっはそれはたえず「物」を生み出す生命空間だったのです。
この発見は20世紀の科学が証明した偉大な成果である。現代物理での真空は「空」ではないがその本質を現時点の言葉で言えるとすれば、我々の科学では事物を包含する基本的物質の存在形態である、ということである。アインシュタインは、物理空間は「たんなる広がりをもつだけの空虚ではなくそれ自体の性質が、その中に存在する物体に影響を与えたり、ある条件が整えば、物質を生み出す可能性をも含んでいる」と分析している。このように、現代物理学の空間認識と「空」の概念は深い共通性をもっている。「空」の生命紀元の観点は現代科学の論証を得ているのである。
仏教の 「空」の宇宙観では「空」は一種の生命創造の力であるだけでなく、生命そのもの一種の形態でもある。
またそれは新たな生物や物質変化を生み出す原動力でもあ り、宇宙に内在する一種の創造的力でもあり、神秘的な「無定体(物 質的実体を持 たない)」 の真実の存在である。 したがって仏教の宇宙観は、実際に「宇宙即生命 生命即宇宙jの大生命観なのである。
この生命観は強い科学探 究の精神を体現し、知的思惟の色彩に満ちており、「上帝造人(神が人間を創造する)」という創世神話と比して、科学的にも人々を納得させるものである。それ故この基礎の上に形成された仏教のの思想体系は強い信仰のカをも有することになるのです。
No.11
- 回答日時:
空とは色が空と言うことです。
色が空とはあらゆる存在の色が空と言うことでそれはつまり存在はあるが識別や認識ができない状態であると言うこと
この識別や認識出来ない状態それが情報それ自体
何らかの色によって識別や認識出来る状態それが実体
つまり
空→情報
色→実体
ということです
No.10
- 回答日時:
司馬遼太郎の言うことは、これだけでは何とも特定できないです。
私の方からは今回は次のように言ってみます。
例えば我々は、時空の中のある一点では物質的にゼロです。これは数学的ゼロと言っていいと思います。これが「空」の状態で、次の瞬間には1になり、いずれ60兆にもなり得る「変化」をしてゆく。
我々は母の母胎の中で初めは一つの細胞ですが、母親が生まれる前はゼロです。
そして、一つの細胞が受精をした瞬間に60兆の細胞を持つ自分というものに変化してゆくことが決定しているのですが、まだない。そのまだない状態も「空」ということだと思います。
物質的に(数学的に)ゼロ、あるいは部分的にゼロ、ということでいいと思います。
No.8
- 回答日時:
「空」とは、あらゆるものを生みだす可能性を秘めた空間です。
それは縁に触れることによって、それなりの条件や、なんらかの作用に応じ、働き、新たなものが誕生してくる場の事です。
又、無量の潜在力、無限の創造力を秘めた“生命空間”ともいえます。
この「空」という概念は、仏法独自の理念です。
たとえば、私たちの身体が、死によって、この現実世界には存在しなくなる。この状態を「空」と言うのです。
この「空」とは、一心一念という不可思議な実在をとらえた、仏法の深遠な哲理なのです。
この「空」の背景には、八万法蔵という膨大な理論体系もありますが、原理としては「空仮中」の「三諦」として示されています
科学の進歩によって明らかになったさまざまの真理を裏づけるためには、どうしても西欧思想の範疇ではとらえきれないものがあります。そこで、この仏法の「空」の理論を、唯一のよりどころにせざるをえなかった、すぐれた科学者が多くいます、たとえばハイゼンベルクや、ボーア、アインシュタインなどです。
同じく、有名な哲学者や文学者にも多くいます。
空(くう)は数学でいう0(ゼロ)ではないよ。
No.6
- 回答日時:
空(くう)とは、ゼロとか空っぽとか云う意味ではありません。
常に変化し続けている、と云う事であって、実体とは云えない“存在”の事です。
イメージとしては、青空に浮かんだ白い雲、ですね。
雲として存在しているけれど、よく見ているとそれは変化し続けています。
現れては消え、現れては消え、しています。
色(物質)は空であるけれども、空として存在している、と云う事を云っています。
色即是空・空即是色。
早速の御回答ありがとうございます。
<空(くう)とは、ゼロとか空っぽとか云う意味ではありません。
常に変化し続けている、と云う事であって、実体とは云えない“存在”の事です。>ですね。
No.5
- 回答日時:
1. 空と訳されている語は シューニャ(からっぽの・ void )・シューニャター(からっぽ・ vacancy )です。
2. このようなありふれた語で とにかく広範にわたって多彩な研究を呼び起こす概念となった模様です。
3. ついぞ わたしは 読んでいないのですが 例の般若心経の命題をめぐって考えたのは 次のようです。
4. 色即是空というのは まづ 形あるものを初めとして身と心そして心のいくつかのハタラキ(色受想行識)についてそれらは 空っぽだと言っている。
5. 実体のあるものではなく 仮象だということなのだと思われます。
6. しかも そのあと 空即是色がつづきます。
7. 身やその知覚も心やその知性と行動もみな 空っぽである。空っぽであるが 空っぽ(仮象)としては 実際に――色だけではなく色受想行識として――現象している。のだと。
8. この空について 0(ゼロ)だと言ってもよいのではないか。実体はないが シルシとしてじゅうぶんその現象が現象であることを示すかたちになっている。ゆえに。
9. 諸行無常つまり すべてはゼロ。ただし その無常(ゼロ)として諸行は 現象している。
10. そしてこの背後に 《無 すなわち 絶対無》の理論がひかえているかも知れない。絶対性の問題ですが その具体化として 絶対有と互いにひとしい絶対無なる無です。
早速のご回答ありがとうございます。
<
8. この空について 0(ゼロ)だと言ってもよいのではないか。実体はないが シルシとしてじゅうぶんその現象が現象であることを示すかたちになっている。>のですね。
No.4
- 回答日時:
司馬遼太郎さんの言い分はちょっと分かりませんが、
御釈迦さんの仏教では、空や0といった概念はあまり見受けられないように思います。主張としてあるのは、
覚る前には我(自分ばかりが優先される思い、我執)があった。覚った後には我が無い、無我である。と言うようなことだとは思いますが。
>質問は、空(くう)は数学でいう0(ゼロ)と考えられるのですか?
私の思うところでは、空と言うのは、0と∞と1を総合したような概念だと思います。数字で言えば、3です。3つの面がある。
早速の御回答ありがとうございます。
<空と言うのは、0と∞と1を総合したような概念だと思います。数字で言えば、3です。3つの面がある。>のですね。
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