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米建国史観について教えて下さい。

1.
現代の米国民は、アメリカ建国の発生誕生から今までの経緯を肯定的に見ているのでしょうか。否定的に見ているのでしょうか。
具体的にはインディアンの強制移住や黒人奴隷、日本のハワイ移民におけるドールプランテーションでの奴隷労働に近い搾取や、ハワイ王国の乗っ取りの扱いなどの建国や拡大のプロセス中に発生した、現代の倫理観では国家がやってはいけないことについて、彼ら自身の心の中でどう折り合いをつけているのかを知りたいのです。
あるいは肯定的に見ている場合でも「仕方なかった、現在の住民には十分な保障をしている」と言って、建国の理念を優先することによって、贖罪意識を覆い隠している、あるいはそうした罪が無かったものとして心の中で扱っているのでしょうか。

2.
これに対して疑問に思ったきっかけは、ネットフリックスで配信されている「ウェンズデー」と言うドラマです。
これの三話の中で、ジェリコと言う町が出てきます。
その町を作ったのがピルグリムである町の創始者、ジョセフ・クラックストーンでした。
この人間は無辜の人間に対し、魔女裁判を行った過去があり、その魔女裁判から生き残った少女がいました。その少女が家系の系譜をつむぎ、主人公ウェンズデーが生まれたアダムス家の形成へと行き着いています。
その少女の子孫であるウェンズデーは、街の中心に立てられたジョセフ・クラックストーンの銅像をガソリンの炎に包んで溶かすことによって、先祖の魔女裁判での復讐を果たします。

と言うテーゼとストーリーの中、私は疑問に思いました。

例えば、上記の1で建国を何より肯定している人たちからすれば、そうした物語を覆されるストーリーがあったからです。

建国肯定派における「建国(この場合は建「町」)が何より正義、そこにある障害や冒した罪は贖われている。建国の父はやはり正義」と言う認識とは別の意図が明確にあります。

「建国するにしたって、そこで犠牲になった奴はおるやんか、彼らの怨嗟はまだ消えていない。建国という欺瞞の織布に覆い隠された罪を精算せよ。お前は別に偉人でもなんでもない」と言うテーマがあります。

今のアメリカ人が、このストーリーをどのように受け止めたのかが知りたいです。
「おお、そうだよ、別になあ、アメリカが正義だとか言ってもそうでない部分があって今も昔もこれからも反省しなければいけない」と現実を見ているのか、あるいはこのストーリーに対して若干の苦虫を噛み潰したような面持ちで見ていたのか。

あるいはこのドラマを見ていなくとも、アメリカ建国の歴史は肯定的に見られているのか、否定的に見られているのかを知りたいです。

質問者からの補足コメント

  • これは原爆の投下にも同じことが言えると私は考えます。アメリカやその他欧州では、原爆=正義の象徴だということが通底した概念で認識されていると私は聞きましたが、一方において、広島平和記念資料館に訪れたG7の首脳はそうしたことは一言も言えませんでしたね。
    これは、欧米各国に「原爆=正義の象徴」であるという認識が通底しているものの、その裏に隠れた冷酷なる現実が存在し、それを正義と言う蓋で固く塗り固めて現実を見ないようにしたのが、各国における非健全性のある正義だったのではないでしょうか。

    No.3の回答に寄せられた補足コメントです。 補足日時:2023/05/24 05:23
  • こういうのもありました。

    先日、日本に来た外国人Youtuberが「また原爆を落としてやるぞ」と言っていたようです。
    https://news.yahoo.co.jp/articles/6ff079c3a1a3d4 …

    これはある種の正義性(真珠湾攻撃を受けたがための報復)の発露でそう言っていたようなのですが、2334名の軍人の米軍兵士の戦死と言うのは、21万4千人と言う、91.7倍の日本人民間人の死でしか贖われないのでしょうか。
    ここにもアメリカの正義と言う名の欺瞞が存在するようにも思えます。

      補足日時:2023/05/24 05:24

A 回答 (3件)

アメリカの帰国子女です。



直接アメリカの建国史を学び、日本と比較する考察をしています。

まず、他の方も書かれていますが「アメリカ人」にとって建国神話は是であり国民の精神的な支柱であるといえます。

実際、私はアメリカの公立小学校に通い「アメリカ人になる教育」を受けたので、間違いないです。
 「アメリカ人になる」というのは「建国の理念に共感し、良き隣人としてこの国を支え発展に尽くす人」です。

この点、日本人は「生まれた時から日本人、え、それ以外の理由ってある?」というものですが(質問者様も自分が日本人である理由答えられます
か?)、アメリカ人にとって「アメリカ人である」ということは建国の理念を信じ、その象徴である星条旗に忠誠を誓う事、なんです。

ちなみに、アメリカの公立学校には体育館を含めたすべての教室に国旗が掲示されていて、子供達は毎朝「忠誠の誓い」を唱和します。

https://www.youtube.com/shorts/XEqRoh8gOTU

このように子供のころから星条旗やアメリカの建国理念を刷り込まれるのですから、肯定的に捉えるのは当然であるともいえます。

>現代の倫理観では国家がやってはいけないことについて、彼ら自身の心の中でどう折り合いをつけているのかを知りたいのです。

じゃあ、どうやって折り合いをつけるのか?ってそんなの簡単です
「建国の裏にある負の側面は教えない」だけです。

確かにある程度のエリートは建国の負の側面を知っていますが、ほとんどのアメリカ人は知りません。
 ある程度知っているのは「ネイティブ・アメリカンを殺しまくったこと」と「黒人奴隷を使っていたこと」ぐらいです。日系人に対する迫害とかその前の中国人を中心としたアジア移民排斥法なんてほとんどの人が気にしていません。

この点において、アメリカは白人と黒人の国で、アジア人は3%程度しかいないことが影響しているといえます。
 黒人の公民権運動についてはそれなりに(しかし州による)教えますが、アジア移民排斥法(ジョンソン・リード法)などを知っているアメリカ人は多くはないのです。

>上記の1で建国を何より肯定している人たちからすれば、そうした物語を覆されるストーリーがあったからです。

建国と街の建設は全く意味が違います。
 たとえば1970年代の西部劇でも「悪い奴らが仕切っている街」とか「保安官が悪い奴と通じていて不正義がまかり通る町」なんていうモチーフはいくらでもあります。

現代でもバットマンのゴッサムシティなんて、治安が悪いし不正義が横行しているし、衆愚政治の極みです。
 
なので、悪い奴らが居た街、差別や不正義が横行した町があっても建国の歴史とはなにも関係ありません。

アメリカ人が「ウェンズデー」を見ても「そういう街もあるよな」程度にしか思わないですね。
この回答への補足あり
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この回答へのお礼

回答ありがとうございました。
ドンピシャで分かりました。また私の中での認識の誤りも正せたように思います。

一方において、アメリカ人の中にある齟齬らしきものも、私の中で整理できたように思います。

アメリカの歴史を知らない場合(=アメリカの精神性を内部から受けない社会で生活している場合)、アメリカの外部から見たアメリカを、無知のままに私がつらつらと書き連ねますと、やはり、ピルグリム・ファーザーズが建国した周辺においては、その建国がアメリカ建国神話、そのミニ版としての延長線に、今回の「建街」が個人的に見えてしまうことがあります。

アメリカの中ではこの両者は全くの別物だ、と言うご回答に、私はアメリカ人の中での精神性の区分けと言うことが腑に落ちたのですが、一方において、やはりそこから距離をおいているがために、私個人としては「トーマス・ジェファーソンだって黒人奴隷サリー・ヘミングズとの間に7人の子どももうけてて、現代基準だとなかなかにヤバい奴だろ」と冷めて見てしまう訳ですね(今回のドラマの中にある架空の登場人物ジョセフ・クラックストーンの罪と同一直線上にそれが見えてしまい、贖うべき罪があるのではないかと思えてしまう=アメリカ人はこの辺り冷めて見ているんじゃなかろうかという疑念が湧いた→今回の質問につながった)。

私はアメリカの精神性の外にいますので、それが分からずにいました。
しかしそれが故に客観的評価をくだせたようにも思います。
やはりと言うべきか、アメリカ人は建国神話と言うものを(外部から見れば)盲信(妄信)している。

無論、どの国にもそうした建国神話を是認することが国家運営に肝要であり、かつ健全と言うべきものでありましょうが、それが強すぎるが故に、贖うべき罪である知られざる迫害(アジア人排斥、日本人収容所、ハワイ王国乗っ取り)がその正義の色に塗りつぶされていると言う非健全性を外部から感じています。各諸問題においては、完全にその罪が精算されていない。

ともあれ回答ありがとうございました。
これですっきりしました。

お礼日時:2023/05/24 05:22

No.1 です。



まず、良質の議論を提供いただいたことに感謝します。

私はプロファイルに紹介したような年寄りです。
考えるところがあって若いころにカミさんとともにこの国に渡ってきました。
幸いなことに、チエ・ウデ・ワザを認めてもらえ、当地に根を下ろせました。

現役の生活を通してのこの国の特性を振り返ると、最初の答えとなります。

この国は絶えず移民を受け入れているという日本の方には考えられない流動的な文化がありますから、この質問への答えは難しいです。

しかし、国の根幹を支える識者といえる人たちの考え方は私の答えのようだと言っていいと思います。

私は大した人間ではありません。
政治には疎いですし、その世界に知り合いはいません。
でも、技術という私の世界で知り合った人の世界ではその通りです。
間違いありません。

こればかりは、日本の中で考えている日本のいろいろなことに比べ、当地の人の意識ははっきりしています。

それは、当地で生まれ育った私たちの子供たちやその伴侶たちを見ればはっきり言えます。

日本の方に聞きます。

皆さん、なぜ国旗をお持ちでないのですか?

なぜ国の祝日にそれを掲揚しないのですか?

我が家には星条旗も日章旗も、旭日旗もあります。
子どもたちの連れ合いの国の国旗ももちろんあります。
そして、それらはそれを掲げるべき日には掲げてます。

引越しをするとき、子供の仲間に手伝ってもらいます。
その仲間は、国旗の束をうやうやしく扱って車に乗せます。
それは国の行事で自国や他の国の旗を扱う作法と同じです。

そんなこと、日本の方々はされますか?

残念ながらビデオにはとってありませんが、見せたいぐらいです。

子どもたちはまだ研究者として我々が暮らす街にある州立大学に通っています。
そこの真ん中には国旗・州旗・学旗を掲揚する広場があり、そこを警備するのは州軍(米軍)です。
この国では軍は我々を守ってくれる大切な存在なんです。

なんか、質問者さんの質問はおとぎ話のお遊びのようにしか聞こえません。
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この回答へのお礼

なるほど、アメリカの実情がよく分かりました。
かつ私の方の認識も改まりました。

しかし当初の疑問はまだ残っています。
「建国の物語を進んで是認する」アメリカ人が「なぜそれを否定することを想起させうるウェンズデーを好んで見るのか? 」もしくは、「ネットフリックスがそうした物語がアメリカ人に見られるだろうとマーケティング調査をして、ウェンズデーと言うドラマを作ったのか? 」です。

ウェンズデーの第三話はアメリカ人的には許容できる範囲なんでしょうか?

お礼日時:2023/05/22 22:52

在米の隠居爺です。



答えは 肯定 以外にないと思います。

この質問にはそうじゃない期待があるように思いますが、その根拠をうらづけるものをどこでどう集めたのかを教えていただきたく思います。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

はい、そうじゃない期待と言うより予想や想定だったのですが、その根拠ですが、もし肯定派ばかりがいたら、このネットフリックスのドラマは視聴される番組としてのマーケティングが成り立たないからと思ったためです。
ネットフリックスはゴリゴリに売れるための要素を満載にし、売れない要素は石ころのひと粒まで排除する映像づくりをしていると私個人は思っています。

日本に住まう私からすれば、質問文に書いたように思えたのですが、アメリカ人はそうではないよな? でもこのドラマは好んで見られている、どうしてだろう? と言う齟齬があり、それをどう整理すればいいのか分からなかったので質問させていただきました。

お礼日時:2023/05/22 22:18

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