. *** 言語の相違と認識の同一性 ***
私たち生き物が外界を認識をする時、外界から視覚器官に到達した光量や光強度などを生体電位に変換した後には、神経線維を走る
信号強度やシナプス間での神経ホルモンの濃度や受容感度には個体差があるので、そのような過程を経て外界イメージが形成される
なら、それは独立した各個体によって成されるので、認識される外界像や外界印象はそれぞれ違ったものになるように思えます。
さらに、人間が認識する対象のそれに適当な意味を付けて言語化する時、日本語や外国語あるいは日本各地の方言のような相違があ
りますが、これは独立している人間各個人の思考機能の差異や多様性によって生じたと考えられます。
それならば外界認識において、他者は私の見る世界と同じものを見ている、という素朴な了解は何を根拠にしているのでしょうか。
あるいは何故、各個人間の外界像には多様性が無くて言語には多様性があるのでしょうか。
No.1
- 回答日時:
私は数学の関数のように考えたらどうかと思います。
つまりy=f(x)が個体によって別々と考えてみるわけです。人以外の生物でもよいと思いますが、要するにxがひとつであってもyは多様です。人間以外の生物ではxが独立変数ですが、人ではyが独立変数になって別の関数を作り、X=g(y)で従属変数Xを脳内世界で記号化されたx世界(外界)に重ねてひとつとみなしていると思います。つまりひとつと信じているのは記号化された外の世界ではないでしょうか。よくよく話を聞いてみると世界はひとつだっても皆そのイメージは互いに大きく違う事が直ぐ分かります。人によって記号化のし方が違うからです。回答を寄せて頂きありがとうございます。 都合が出来て返事が遅れました。
人間各個体のそれぞれの認識・思考過程後の世界観は確かに相違があると思います。
ただその相違が大きくなって生存にかかわる、ということは病的以外には無いようです。
この相違が上手く調整されるような、人間各個体を超えた共有・共通感覚みたいなものがあるのかなと思いました。
No.2
- 回答日時:
人と人との間ではまったく別の物を見ている可能性が高いです。
アインシュタインが相対性理論を一般の人に分かり易く説明して欲しいと頼まれた時それは出来ないと言っていたと思います。異なる言語同士の間では意思疎通は難しいのと同様に異なる意識の間で相互に理解する事は困難だと思われます。
言語が発達する事ではじめてお互いが同じ物を見ている事を確認できるようになったのではないでしょうか。
コミュニケーションは常に人と人とを結びつける上で必要不可欠なものです。
回答を寄せて頂きありがとうございます。 都合が出来て返事が遅れました。
相対性理論が出ましたので、私の思い付き程度のアイデアを述べてみます。
運動状態の異なる測定でも光速度は常に一定である、という自然の性質がこの理論の原理になっています。
何故、光速度がそんな性質をもつのか解明されていませんが、一つの考えとして測定装置のそれぞれは
光子の運動の要素を共有化していると考えます。つまり光子は空間の部分を占める局在性を持っているとは、
完全には言えない非局在性があると考えるのです。 これを元にして人間の外界認識を考えますと、認識には光の作用
によるからANo.1の補足のように、人間各個体を超えた共有・共通感覚みたいなものが、これに当たるのではと妄想しました。
No.3
- 回答日時:
こんにちは。
意識の問題に関して、言語と関連させて考えることは、私も賛成です。
ただ、私の誤解かもしれませんが、
認識の多様性から同一性への過程と
言語の同一性から多様性の過程は、
同じレベルで考えるのは無理が有るのではないでしょうか。
前者は、生物学的な同一性の中の僅かな差異を五感を総合した意識の領域で同一性を承認する過程ですが、
後者は、共同体の内部で、認識の同一性と合いあまって発生する言語を、言語生成期の地理的孤立に由来する多様性に飛躍してしまっていませんか。
私もここで教えていただいたようなものですが
丸山圭三郎氏は
「コトバは認識の後にくるのではなく、コトバがあって、はじめて事象が認識される、もしくはコトバと認識は同一現象である」
チョット待ってよ、行き過ぎ、と言う気もしますが、
私もまだよく理解していないので大雑把な説明ですみません。
回答を寄せて頂きありがとうございます。 都合が出来て返事が遅れました。
生物の認識・思考を考える時、まずその多様・異種性から始まると思われます。特に人間の脳内部は常に自律的変化が
起きていて、機械のような定常さは無いのですから、独立している各個体がどのようにして共通感覚みたいなものを持つ
のかと思っています。 それは形状や性質の類似性で説明できるかも知れませんが、生物一般に見られる多様性への
発展に対して、それを調整していると思える共通感覚が無ければ生物界の調和がとれないようにも思えます。
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
人が見ている世界には、他の人と共有できる部分と、自分が固有に感じている部分があり、比較的に前者は言語化しやすく、後者は言語化するのが難しい。
例えば、テーブルの上にりんごがあり、AさんとBさんがそれを見た場合、りんごのもつ要素として、赤い、手で触れることができる、りんごらしい形をしている、テーブルの上にある、という要素はお互いに共有できる。だから、言語化しやすい。しかし、りんごの赤みの程度、背景との馴染み具合や、時間経過の中における意味合いなどは、個人によって違ったものになる可能性もある。(最後の「時間経過の中における意味合い」というのは、例えば、Aさんがついさっき失恋したばかりだとしたら、りんごまでもが悲しげに見える、ということもありえる。)言語というのは、そういう個人の時間性に左右されにくく、他者と共有可能なものをものを表すのが得意なのだと思います。ですから、厳密に言えば、各個人の世界はそれぞれ違う。しかし、ある一定の幅の中で、共通の了解を得ることができるということだと思います。
回答を寄せて頂きありがとうございます。
現在の生物が持つ機能は長い歴史によって洗練され、それによって適応していると考えられます。
さらに生物の個体内部は機械のような定常性を持たず常に変化しており、それによって行動の予測不能性も生じるために、
その個体の自律的変化は生物らしさを感じさせます。 人間の認識・思考での決定論的プロセスにもこの一見ランダムとも
思える自由性が含まれているので、その個体内部の情報処理だけで個体相互の認識の合意が出来るのだろうかと疑問に
思っています。 この種の類似性という物質的な決定論的作用だけで共有・共通感覚をどこまで説明できるでしょうか。
ということで今回それを成立させるものが、個体を超えた非局在的な作用もあるのではないかという提案をしてみた訳です。
No.5
- 回答日時:
kaitaradouです。
お礼の文面を見て考えたことですが、各人の主観というのは外界の同一の対象に対してもyの値が違うように違うが、同一の対象から入力されたものであるというのは違うyからおなじxを再現するためには言葉という関数が多様でなければ不可能なことだということになりませんか。逆にまったく同じ表現をする人が二人いたとしたら、むしろそこには単なる模倣とか従属というようなことが潜んでいるということになると思います。回答を寄せて頂きありがとうございます。 述べておられるのは、
それぞれが差異を持っている各個体が外界などについて共通認識を行なう場合、各個体の脳内部によって作られた
外界イメージは当然違ったものになるが、そのような差異のあるイメージであっても各個体相互が認識の合意をするのは、
実際の外界の共通の事実がそこにあるのではなく、あくまでも各個体のイメージ内において差異の解消化を行い合意を作り出している。
と、私は理解しました。 これはアリストテレスがプラトンのイデア界を否定したことと同等だと思えます。
No.6
- 回答日時:
No.4のbofdです。
確かに、人間の認識・思考での決定論的プロセスにもこの一見ランダムとも思える自由性が含まれているとは思います。しかし、そのランダム性は、人が生物として自己の生命を保存し、種を保存する機能を損なわない程度に保たれる。それ以上のランダム性のある固体は、自然に適応できず滅んでいったのだと思います。個体を超えた非局在的な作用というのは、自然淘汰ではないでしょうか。
回答を寄せて頂きありがとうございます。
多くの回答を寄せて頂きたいへん参考になります。 個体を超えた非局在的な共通感覚の例として、犬が飼い主の
ランダムな帰宅時間を前もって知っているような行動をするとか、 海洋を回遊している大きな魚群が危険を回避する時、
その魚群が一つのまとまった塊りのように瞬間的な同一行動をしますが、これは魚の反射神経系だけでは説明できないような気もします。
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