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 日本語を勉強している外国人です。日本語の本と日本語の文章をたくさん読みたいと思います。よろしければ、あなたの好きな本、あるいは好きな文章を教えていただけないでしょうか。読みたいと思います。

 日本語を何年間も勉強していますが、まだまだ文章がうまく書けません。質問文の中で不自然な表現がありましたら、それも併せて指摘していただければ助かります。よろしくお願いします。

A 回答 (15件中1~10件)

あわゆきのなかにたちたるみちおおちまたそのなかにあわゆきぞふる、ですかな。

その淡雪さんなら御婦人ですな。ならば女が書いたものを女が書いたものとして意識しながらお読みになることは必要でしょう。

美しく折り目正しい女物の日本語を御所望なら、幸田文にとどめを刺すでしょう。ちょっと堅苦しい感も否めないけれども、辰野隆をして、このひとの書いたものだけは喜んで読む、と言わしめた尤物です。辰野は東大仏文の大親分で、小林秀雄や太宰治の先生です。本人も一流のスタイリストとして今も広く愛されていますが、女の文章を嫌ったんですね。女が書いたものなんか読めるか、でも幸田文の作物だけは例外だ、という意味なんです。

幸田文はもちろん大露伴の娘です。父の終焉と追憶をめぐる処女作『父・こんなこと』が一番よく書けていて、年を経るごとに文章の質は少しずつ落ちてゆきます。辰野隆が嫌った「女臭さ」が増してゆくんです。最後まで読むに堪えないようなものは決して書かなかったけれども。

現代の女の書き手なら、佐野洋子、塩野七生、ナンシー関、氷室冴子、中野翠、清水ちなみ、山尾悠子、田辺聖子、本上まなみ、などを推薦します。最後の人は女優だけども立派な文才の持ち主です。一押しは最初に挙げた佐野洋子。この人は満洲で幼少期を過ごした引揚者です。綺麗というのとは違う、生気充溢の文体。


でも御質問の主旨にあくまで忠実に答えるなら、おのれの好きな文章を挙げねばならないのでした。では仏文つながりで、三好達治の散文と答えます。今は流行らない、息長く丁寧に繋いで続いてゆく日本語のお手本。関係代名詞がなくたってこれだけできる、明晰さを維持し抜く、ということを見せつける意志を感じます。

岩波文庫の『三好達治随筆集』は優れた選択眼による編集で自信をもってお薦めできます。が、現在は品切れ。古本屋なら簡単に安く手に入りますけど。

大学の図書館なら筑摩の全集くらい持ってませんかね。

三好達治には岩波新書に『新唐詩選』という吉川幸次郎との共著があります。ここで本職の吉川を完全に喰ってしまっています。漢籍にも造詣が深かったようです。


とはいえ私の文学的偶像は漱石と露伴です。鴎外は読むけど嫌い。泡雪さんがこれまで読まれて面白かったものを三つ四つ挙げていただければ、それに合わせたお答えはできると思いますが。

しかしあわゆきって綺麗なHNですねえ。日本人にはかえって考えつかない言葉ですな。
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この回答へのお礼

 ご親切に教えていただき誠にありがとうございます。たくさんの作家を紹介してくださって、大変いい参考になりました。mannequincatさんはよく本を読む方ですね。感心します。恥かしいことに、私は今まで日本人作家の原作をあまり読んでいないので、読書不足と痛感しています。これから日本語の文学作品を少しずつ読んでみたいと思います。
 私の頭に残っている作品というと、恥かしいことに、教科書の文章なのですが、小学三年(下)の国語の教科書に載っている「ちいちゃんのかげおくり」という物語です。あまりにも感動しすぎて、涙まで出てきました。母国語ではない外国語の文章の中で、初めて涙まで催された作品は、この「ちいちゃんのかげおくり」です。人間愛を伝え、読んだ後、心が温まってくることが出来る作品が結構好きです。
 本当にありがとうございました。日本語の読書が少ないので、あまり補足できずに、本当に申し訳ありません。これからがんばります!

お礼日時:2005/05/23 11:24

同じ回答者があまり沢山の本を推薦しても、かえってご迷惑だろうと気が引けますが、青空文庫に収録されているもので、うってつけかもしれないものを思いついたので、いまひとたび。



寺田寅彦の「どんぐり」という長くもない随筆なんですが。

これは名品中の名品として評価の定まったものです。内容については一切の予断なしに読んでいただくべきだと思うので触れません。ただ、寅彦が結婚したのは確か十九歳のときで、これは二十六歳のときに書かれたものであることは心得ておいてよいかもしれません。

どうでもいいんですが、寅彦とその妻は舞台となった植物園を左回りに散策しています。ほんとにどうでもいいことなんですけどね。あはは。

参考URL:http://www.aozora.gr.jp/cards/000042/files/827_1 …
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この回答へのお礼

 何回も教えていただいて本当にありがとうございました。大変いい参考になりました。

お礼日時:2005/05/27 23:29

#9です。



さいわいなことに『ちいちゃんのかげおくり』は原文そのものではありませんが、戯曲っぽく書き換えられたものをウェブ上で見ることができました。他人の手が入っているせいか、なぜ最後でちいちゃんが急に死んでしまうのかわからず、狐につままれたような気持ちになりましたが、お望みの方向はとりあえず理解できたように思います。(正直なところ、私は子供がかわいそうなことになる話が苦手です。大人ならどんな酷い目に遭ったって差し当たって本の中の話ですから平気の平左ですが、小さい人がこういうことになると、心がひどく揺れて始末に困ります。でもさすが教科書に載るだけあって良質なものだとは思いました。「きらきら笑う」なんてちょっとした工夫だ。きらきらと笑うとは絶対に結びつかない言葉ですが、けらけら笑ったり、ころころ笑ったりは普通にするので、ちょいと無理押ししてるわけですな。)

良質な児童文学を多読するのは確かに良いかもしれません。(「大人が読むべき児童文学があったら教えてください」なんて質問をここでなさってみたらいかがですか。)でもあいにくと私はこの分野には疎くてご助言申し上げるのは難しい。子供に向けて語りかけるもの、ということなら、色川武大の『うらおもて人生録』と戸井田道三の『生きることに○×はない』が忘れられない二冊ですが。二人とも(とくに色川は)相当に変わった人ですけど、言葉遣いに表れる心の優しさと深い配慮に思わず涙がこぼれたりします。二人とも子供がいないんですよ。うん、これは悪くないかも。

漱石なら『夢十夜』もたいへん結構ですが、私は『永日小品』をお薦めしたい。これも短いものの集まりです。珠玉の名文が目白押し。とくに「昔」と題されたもの(青空文庫なら「ピトロクリ」で検索してください)。そして「心」(「昔」の二つあと)。なんて美しいんだ。まるで魔法。

とりあえず青空文庫で御覧になって品定め、良さそうなら文庫本、それでほんとにお気に召したら九十年代に出た岩波の全集でお読みになるのが賢いやり方だと思います。この全集は超越的に素晴らしい注釈が付されています。類例絶無と言ってよい。まあそれほど漱石は今も愛されているのです。

漱石の魅力については私が説明するよりも、些少なりとも実物に当たっていただくほうが千倍はよい。たとえばね、これは『三四郎』から抜きますが、

「女は腰をかがめた。三四郎は知らぬ人に礼をされて驚いたというよりも、むしろ礼のしかたの巧みなのに驚いた。腰から上が、風に乗る紙のようにふわりと前に落ちた。しかも早い。それで、ある角度まで来て苦もなくはっきりととまった。むろん習って覚えたものではない。」

どうです、これ。御辞儀ひとつにこの文飾技術。舌を捲くばかり。

青空文庫で露伴を御覧になるならまずは「太郎坊」をお奨めします。本で読むなら、まずは文庫サイズ「ちくま日本文学全集」が、注釈の質と選択の良さから動かないところでしょうが、これの巻頭に配されている逸品です。
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この回答へのお礼

 ふたたびありがとうございます。
 またたくさんの作品を紹介してくださって、大変感謝します。アドバイスもいっぱいいただきとても助かります。ご紹介された『三四郎』からの段落はよく書けていますね。御辞儀の動作なのに、こんなにたくさん書けることに感心します。読んでみたいと思います。
 本当にありがとうございました。これからもよろしくお願いします。

お礼日時:2005/05/26 21:01

すいません!


下の書き込みをしてから気がついたのですが、今日本にご在住ではないのですね。

もしかしたらご存知かも知れませんが「青空文庫」というサイトがあります。
アメリカのGutenbergプロジェクトのように、著作権の切れた作品を有志がボランティアでテキスト化しているものです。
先ほどご紹介させて頂いた宮澤賢治もここでいくつかの作品を見ることができますし、他の方が触れられている幸田文の父である幸田露伴の作品も見ることができます。

著作権切れということで少し古いですが、詩人の北原白秋、中原中也、萩原朔太郎、いわゆる文豪といわれる夏目漱石や、森鴎外、芥川龍之介など、たくさんの作品が無料で読めるというのは有り難いものがあります。

そうそう、このなかから1つ好きな作品をご紹介させてください。やまと言葉というより少し漢文調の日本語なのですが、中島敦(なかじまあつし)の「山月記」(さんげつき)です。これは中国の「人虎伝」という説話(?)をもとにした話だということです。

参考URL:http://www.aozora.gr.jp/
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この回答へのお礼

 ふたたびありがとうございます。日本にいませんが、一生懸命がんばりたいと思います。
 「青空文庫」というサイトは以前から知っていますが、ご親切に教えていただき厚くお礼を申し上げます。「人虎伝」という古代小説が知っています。「山月記」はこれをもとにした話ですね。読んでみます。
 本当にありがとうございました。

お礼日時:2005/05/26 20:13

はじめまして。


趣味に走った紹介になってしまいますが...。

谷川俊太郎という詩人がいます。
子供の口調で書いたひらがな詩(「はだか」「みみをすます」など)、言葉遊びの詩(「ことばあそびうた」)、言葉で何かを語るということに切り込んだ詩(「定義」)、など幅広いタイプの詩を書いています。マザーグースやピーナッツなどの翻訳も手がけていて、言葉に対する感覚の鋭い人だと思います。
でも難解ではなく分かり易い詩です。ネスカフェのCMで朗読されている「朝のリレー」はこの人の詩です。
http://jp.nescafe.com/tvcm/morning.htm
朗読をおさめたCD『家族の肖像』も素晴らしいので機会があったら聞いて頂きたいと思います。

また、やはり詩人の石垣りん。
詩だけでなくエッセイもとてもすてきです。柔らかいのにきちっと芯のある文章で、ご本人のお人柄を示していると思います。ちくま文庫からエッセイ集(「夜の太鼓」「ユーモアの鎖国」)がでています。

少し昔の作家ですが、宮澤賢治。
東北地方の方言が混ざることがあるので、最初はちょっととっつきにくい作品もあるかもしれません。が、例えば「鹿踊のはじまり」(「注文の多い料理店」所収)を読んでみて下さい。地方の訛りと表現の美しさ、生き生きとした言葉のリズムが、短い話の中に一体化された愛らしい童話です。
また、この人の日本語は、特にオノマトペ(擬声語、擬態語)が独特です。

宮澤賢治と、最初にご紹介した谷川俊太郎の作品はよく朗読の教材に使われています。つまり、リズムに富んだ生き生きとした文章だということだと思います。いい文章って、確かに声を出して読みたくなってきますよね。
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この回答へのお礼

 ご親切に教えていただき誠にありがとうございます。ネットですてきな詩を聞きました。ゆったりした感じですね。私も詩とエッセーが好きです。とても助かりました。宮澤賢治の作品もこれから読んでみたいと思います。大変いい参考になりました。
 本当にありがとうございました。

お礼日時:2005/05/26 19:39

自分の好きな本の中から、”日本語を勉強している外国人の方へ向けて”というフィルターを通して回答させていただきます。


しかしわたしは、名文と言われる作品をあまり読んだことがないので、美しい日本語作品という意味では少々自信がありません。「読みやすく、内容がふさわしい」という観点からいくつか挙げることにします。

「西の魔女が死んだ」(梨木香歩)
内容も文章も素直なので、かなりすらすらと読める部類だと思います。繊細な心を持つ中学生の孫と、ハーフのおばあちゃんのお話。児童文学のジャンルに入れられることもありますが、”大人の童話”という位置にある作品ではないかと思います。

「ああ言えばこう食う」(阿川佐和子・檀ふみ)
二人の著者によるエッセイ。個人的に仲のいい二人が、手紙をやりとりするように交代で書いています。阿川佐和子は時々テレビにも出るエッセイスト、檀ふみの本業は女優。二人の毒舌の応酬が笑わせてくれます。端正な文章ではないけれど、テンポがいい。

「文車日記」(田辺聖子)
日本の古典作品についてのエッセイ。著者自身の”古典への恋文”と言いたくなるほど愛のこもった作品です。60以上の作品をとりあげ、一つ一つの章は短いものですので、少しずつ読んでいくと良いかも。
しかし内容が内容なので、その古典そのものや歴史背景など、”知っていないと楽しめない”部分が多い本でもあります。そこは、外国人の方には高いハードルになるかとは思うのですが……。
でも、それをおいてもお薦めしたいと思う良い本です。大丈夫、ここに出て来る古典作品を全部読んだなんていう人は、日本人でも滅多にいません。出来れば何年後でもいいので、読んでみていただきたいものと……

これはちょっと趣旨が違うのですが、
「長安の春」(石田幹之助)
という本があります。著者は中国史の学者で、内容は
”唐代の文化に関する拙稿のうち、あまり固くならない体裁のものだけをいくつか選んでみた”(前書きより)ものです。長安の往時の姿が美しく描かれており、日本人が描いた長安をその国の方はどう読むのか、とわたし個人の期待があります。昔に書かれた作品ですし、漢字が山ほどあって、日本語の文章としては読みやすいほうではありませんが、漢字の多用はそれほど苦にはなさらないのではないかと期待して。

他に、
北村薫「冬のオペラ」
ミステリ。謎解きやトリックそのものよりも、文章や登場人物が良い。北村薫はわたしの好きな作家です。
夏目漱石「夢十夜」
漱石なら「坊ちゃん」が一番無難だと思うけれど、わたしが好きなのはこちら。
井波律子「中国文章家列伝」
著者は中国文学者。学者らしい淡々とした文章に時々現れるユーモラスなところが好きです。一冊を挙げるのは迷いましたが、上記作品か「中国のグロテスク・リアリズム」……タイトルがちょっとびっくりしますが、馮夢龍の作品についてのエッセイです。

長くなりましたのでこれくらいで切り上げます。
質問者さまの努力には頭が下がります。これからもがんばってください。
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この回答へのお礼

 いつもお世話になっております。
 ご親切に教えていただき誠にありがとうございます。たくさんの作品を紹介してくださって、大変いい参考になりました。読んでみたいと思います。
 応援してくださって、本当にありがとうございました。がんばります!

お礼日時:2005/05/26 18:19

初めまして。



好きな文章と言う事で、池波正太郎さんの作品を紹介します。

「鬼平犯科帳」「剣客商売」「仕掛人 藤枝梅安」
読み方は「おにへいはんかちょう」「けんかくしょうばい」「しかけにん ふじえだばいあん」です。

彼は、句読点(、や。のことですね)や改行が上手だといわれている作家さんで、とても読みやすい文章を書きます。
また、食事のシーンがとても上手で、どうしても食べたくなって真似して料理を作ったことがあります。

ただ、江戸時代(サムライがいた頃)のお話なので外国人であるawayukiさんには分からない部分が多いかもしれませんね。

私は教えてGooに登録したのは最近なのですが、以前からいろんな質問を読んでいて、awayukiさんのことも知っていました(以前、月餅について質問されていましたね)。ただ、awayukiさんが国語のカテゴリーで出す日本語の質問は難しすぎて私には答えられません。

ですのでこのような質問が出ていて回答することができて、とても嬉しいです。
これからも頑張ってください。応援しています。
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この回答へのお礼

 ご親切に教えていただき誠にありがとうございます。池波正太郎さんの作品ですね。読み方までご丁寧に教えていただき感謝します。とても読みやすい文章を書いていらっしゃる作家だと思われますね。大変いい参考になりました。
 今まで応援してくださって、本当にありがとうございました。日本語の勉強、がんばります!これからもよろしくお願いします。

お礼日時:2005/05/23 11:44

日本語の本ということなのですが、翻訳された文章でも良いのであれば、ハリーポッターなどどうでしょう。


ご自身の母国語で読み、それから日本語訳されたものを読みなおしてみるというのは?
ハリーポッターをおすすめする理由は、これほど多く他国語に翻訳された本を私が他にしらないだけなので、他の本で読み比べるのも良いと思います。
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この回答へのお礼

 ご親切に教えていただき誠にありがとうございます。お勧めの読書の方法は大変いい参考になりました。
 本当にありがとうございました。

お礼日時:2005/05/22 01:21

三島由紀夫の「レター教室」です。


http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480025 …
物語としても十分楽しめるのですが、なんといっても文章の書き方の参考になります。
三島由紀夫が先生になって、感情の込もった文章の書き方を豊富に紹介しながら、文に隠された思いについてもツッコミを入れていきます。

参考URL:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480025 …
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この回答へのお礼

 ご親切に教えていただき誠にありがとうございます。三島由紀夫の作品はまだ読んだことがありません。恥かしいことに、この作家について、自殺したということしか知りません。ぜひ一度読んでみたいと思います。大変いい参考になりました。
 本当にありがとうございました。

お礼日時:2005/05/22 01:06

初めまして。



私のお薦めの本は以下の四つです。

*フランス作家のサンテグジュペリ『星の王子さま』

*小林深雪さん『マリア様がみてる』(コバルト文庫)

*暮世春さん『鏡のお城のミミ』(コバルト文庫)

*毛利志生子さん『風の王国』(コバルト文庫)

自分としてはとてもいい本だと思います。

少しでも参考になれば幸いです。

因みに、質問文の中の日本語は大丈夫ですよ。

敬語もおかしくありません。

これからも日本語の勉強を頑張って下さい。

応援しています。
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この回答へのお礼

 ご親切に教えていただき誠にありがとうございます。大変いい参考になりました。
 応援してくださって、本当にありがとうございました。日本語の勉強、がんばります!

お礼日時:2005/05/22 00:48

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