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男子大学院2年生。
工学系で法律に疎いので教えて下さい。

よく「文春砲」と、芸能人の非道徳を暴く記事を聞きます。
もちろん、不倫や売春をする本人が悪いのですが、そういう人を不幸にさせることの罪はないのでしょうか?
それともそういう記事を書く記者さんは何らかのペナルティをすでに受けているのでしょうか?

A 回答 (5件)

2点述べます。



(1) トップ屋の功罪

「週刊文春」の出版元は文藝春秋で、その社名通りに文芸書を得意としていた(芥川賞・直木賞も創設した)。月刊誌「文藝春秋」は、今は右傾化したが、往時は穏健保守で上品なおもむきも見られた。

しかし、えげつないシロモノも売っていかないと、儲からないんです。
トップ屋を糾合して、週刊誌を創刊した。トップ屋とは、週刊誌の巻頭を飾るようなネタを、記事に書いて雑誌社に売り込むのが仕事の人である。カタギのサラリーマンじゃなかったのだ。

たとえるなら、ドラマの借金取りのヤクザにも、ちょっと通じるだろう。ご質問と対応させてみると、借りた金を返さないのは人の道に外れてると声高に言う(芸能人の非道徳を暴く)。しかし、執拗な取り立てで身ぐるみ剥いで家庭崩壊にまで追い込む(暴かれた人を不幸にさせる)。

それはトップ屋的な週刊誌の「罪」でしょう。ただし、「功」もあるのです。これは日本の特殊事情と関係している。いわゆる1940年体制です。
当時、戦争一色の国家総動員体制のため、マスコミは国から統制された。世界大戦だから外国でもそうだったと思うが、日本の場合、戦後まで引きずったところもあった。

大新聞である朝日・読売を振り返ってみよう。
朝日の主筆の緒方竹虎(会社の実権も握った)は、何と戦時内閣の国務大臣(情報局総裁)になっている。小磯内閣で情報統制や検閲を担った。
戦後は当然A級戦犯に指名されて公職追放。それでも復活して、保守政界の大幹部となった。
また、読売の中興の祖である正力松太郎は、何と警察官僚出身だ。警察のトップクラスは内務省官僚という時代である。それが読売の社長に就任し、戦時中は大政翼賛会の幹部。
これまた戦後はA級戦犯に指名されて公職追放、巣鴨プリズンに勾留(不起訴で釈放)。正力は新聞社長を退くが、のちに日本テレビ(日テレ)社長。読売新聞にも社主として復帰した。政界にも進出して自民党衆院議員、大臣を歴任。

このように、権力とグルだったのよ。
ネトウヨどもは朝日を左翼と言いふらすが、あれは保守派の宣伝の受け売りに過ぎない。保守の中には知恵のある者がいて、「朝日は左翼なんかではない。左翼呼ばわりされると動揺して保守にも傾く、そんな連中だ」と分かってる。
知恵のないネトウヨは、朝日を本当に左翼だと思ってる。

半世紀前だが、文藝春秋は田中角栄首相の「金脈問題」を暴いた。立花隆らのスクープである(後年立花は「知の巨人」の異名をとるが、当時はフリーのトップ屋でもあった)。記事は大反響を呼び、首相を退陣に追い込んだ。
これに対し、大新聞の記者は「あの程度のことは昔から知ってた」と言った。しかし、知ってたら、なぜ記事にしない?

以上のように、日本の大新聞(その傘下のテレビ)は社会の木鐸を自任しながらも、権力に忖度するところがあります。そういうところに、トップ屋の出番があると考えられます。

(2) 甘い生活

ご質問は「法律に疎いので教えて下さい」、「そういう人を不幸にさせることの罪はないのでしょうか?」ですね。法律的な罪をお尋ねでしょうか?
それなら、言論の自由が憲法で保障されています。もちろん名誉毀損やプライバシー侵害はダメですが。記事に公共性・公益目的・真実性の3つがある場合、名誉毀損は不成立になります。金脈問題追及や松本人志の件などには、これがあったでしょう。

法的には不成立でも、人を不幸にさせてますよねというご質問でしょうか……。
思い出すのは、古いイタリア映画である。フェデリコ・フェリーニ監督の『甘い生活』(1960年)。舞台は1950年代のローマ。戦後復興を遂げて華やかだ。
主人公のマルチェロは青雲の志を抱き、地方から出てきた。文筆で身を立てたいと願ってる。しかし現実は、しがないトップ屋だ。パパラッチのカメラマンと組んで、上流階級や芸能人のゴシップを嗅ぎまわる日々。

マルチェロの生活は荒れて、女出入りも激しい。一方、友人のスタイナーは上流階級の知識人で、家庭を大切にしている。教会の神父さんの許しを得て、パイプオルガンで「トッカータとフーガ ニ短調」(バッハ)も楽々と弾く。マルチェロは心を打たれ、自分を恥じてか、うつむく。
しかし、そのスタイナーは突然自殺してしまう。幼い子らを道連れに無理心中。マルチェロは、もう何を頼りに生きればいいのか分からない。

トップ屋は人を不幸にして自分も不幸なのだ。セレブの世界に出入りしてるように見えて、彼らの虚飾と腐敗にたかる銀バエである。
この映画は白黒だが、鮮烈なイメージが散りばめられている。冒頭の宙吊りのキリスト。ヘリコプターで輸送している。
パーティーの乱痴気騒ぎで、マルチェロは女優の尻を叩く狼藉に及んで、「君も田舎の出なんだろ?」という。夜通し悪ふざけして、早朝酔い覚ましに松林を歩いて海岸へ出る。大きな怪魚が水揚げされたところだった。エイの一種らしい。その醜い姿。
見知らぬ少女がマルチェロに手話で話しかけてくる。全然分からない。少女がやさしく微笑んで、この映画は終わる。
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そういう人を不幸にさせることの罪はないのでしょうか?


  ↑
芸能人の場合は、名誉毀損罪が
成立します。

ただ、芸能人は、
警察沙汰にしたら、到って問題が大きくなったり
こうした週刊誌と
の関係もあり、告訴したりすることが
少ないのです。

これが政治家なら、公益性があるので
犯罪にならない場合が多いです。
(刑法230、230条の2)




それともそういう記事を書く記者さんは何らかの
ペナルティをすでに受けているのでしょうか?
 ↑
良くやった、ということで金一封が
出るんじゃないですか。

週刊誌などは、名誉毀損に該当することなど
百も承知でやっている確信犯ですからね。
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ダウンタウン松本の性加害問題や政治家のスキャンダルなど


メディアが報道しなかったら一般大衆は気づかない

日常では、どんな場所で、どんなことをしているのか?
恋人はいるのか?家族はどうなのか?
知りたいと思うのが大衆です
事実であれば報道するのがメディアの仕事です

そこも含めて人気商売なのだと思います
悪いこと、間違ったことをしていなかったら
堂々として逃げ隠れする必要はありません
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公益性があると判断されているケースがほとんどです。



芸能人は多くの人に見られてナンボ、イメージを売ってナンボの仕事です。

イメージで売っている人が、実は裏では不道徳なことをしていたら、ある意味においてそれは産地偽装と似た図式になります。

たとえば、好青年を売り物にしていた芸能人が実は裏で女性に暴行を加えていましたというケースがもしあれば、それは国産黒毛和牛をウリにしていた肉が実はアメリカ産でした、みたいなのと似ていますね。

この、表示と事実の差異を公表することは公益性があると判断できる可能性があります。

しかし公益性というのは厳密に定義できない部分もありますから、そこにおいて争う余地はありますし、実際に裁判で争うケースもあります。

幸不幸というモノサシについていえば、法律では幸不幸を定義していないので、不幸にさせたことによる罪というのは存在しません。
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そういう場合は、暴かれた人が名誉棄損の訴えを起こすのでは?


書かれたことが事実であっても名誉棄損は成立しますから、あとは法廷上の争いになるのではないでしょうか。
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