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限界費用曲線と平均費用曲線と平均可変費用曲線ですね、これ、経済学の教科書には必ず、下に凸のU字型の曲線が描かれていると思いますが、これ、リアルに厳密に考えると、ノの字型になったり、
U字型にならないケースも多々あり得るんじゃないですか?

A 回答 (1件)

はい、おっしゃる通りです。

経済学の教科書に描かれているU字型の限界費用曲線、平均費用曲線、平均可変費用曲線は、あくまで典型的なケースを単純化したモデルであり、現実はもっと複雑です。

「ノ」の字型になるケース、U字型にならないケースは、十分にあり得ます。 以下にいくつかの例を挙げます。

1. 規模の経済が常に働く場合:

生産量を増やせば増やすほど、平均費用が下がり続けるケースです。大量生産による効率化が常に勝る場合などが考えられます。この場合、平均費用曲線は右下がりの曲線になり、U字型にはなりません。限界費用曲線も平均費用曲線の下に位置し、右下がりになる可能性があります。

例:巨大なインフラを必要とする産業(電力、ガス、水道など)や、ネットワーク効果が強く働く産業(ソフトウェア、SNSなど)

2. 規模の経済が働かない、または非常に限定的な場合:

生産量を増やしても、平均費用がほとんど変化しないケースです。手作業による生産が中心で、生産規模を拡大しても効率が上がらない場合などが考えられます。この場合、平均費用曲線はほぼ水平な直線になり、U字型にはなりません。限界費用曲線も平均費用曲線とほぼ一致する可能性があります。

例:伝統工芸品、オーダーメイド製品、一部のサービス業

3. 生産技術が変化する場合:

技術革新によって、生産効率が劇的に向上する場合があります。この場合、費用曲線は不連続に変化し、U字型にならない可能性があります。

例:AI、ロボット技術の導入による自動化、新素材の開発

4. 投入要素の価格が変化する場合:

原材料の価格変動や、賃金の上昇など、投入要素の価格が変化すると、費用曲線も変化します。特に、特定の投入要素への依存度が高い場合、その影響は大きくなります。

例:原油価格の変動による石油製品の価格変動、最低賃金の引き上げによる人件費の増加

5. 外部経済・外部不経済が存在する場合:

企業の生産活動が、他の企業や社会全体に影響を与える場合があります(外部経済・外部不経済)。例えば、ある産業が集積することでインフラが整備され、他の企業の費用も低下する(外部経済)場合や、環境汚染によって他の企業の生産コストが増加する(外部不経済)場合などです。これらの影響を考慮すると、費用曲線は単純なU字型にはなりません。

6. 学習効果が存在する場合:

生産を繰り返すことで、労働者の習熟度が向上し、生産性が向上する場合があります(学習効果)。この場合、最初は費用が高いものの、生産量が増えるにつれて費用が低下し、費用曲線はU字型にならない可能性があります。

結論:

経済学の教科書に描かれているU字型の費用曲線は、あくまで「典型的なケース」であり、現実には様々な要因によって費用曲線の形状は変化します。より正確な分析を行うためには、個々の産業や企業の特性、市場環境などを考慮する必要があります。
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この回答へのお礼

大変詳しく教えていただき、ありがとうございました!

お礼日時:2025/02/18 11:50

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