強磁性体になぜ磁区が発生するのか?(なぜ磁区というものに細かく分かれているのか?)わかりません。どうか教えてください。

A 回答 (2件)

なるべく平易な説明をしてみます。


磁区は、強磁性体が有限の大きさをもつために生じます。磁区に分かれなければ強磁性体は一つの巨視的な永久磁石です。永久磁石は空間に磁場をつくります。このとき、その永久磁石は自分自身がつくる磁場の中で安定な方向に逆って存在することになりますから、何もないのに比べてエネルギーが高い(不安定な)状態になります。このようなポテンシャルエネルギーを自己エネルギーといいます。そこで、もし何らかの方法でこのエネルギー上昇を避けることができるなら、そのより安定な状態に移ろうとするわけです。この自己エネルギーを解消する方法が、磁区構造をとることなのです。磁区に分かれれば、隣に位置するNS極が打消しあうので、強磁性体外部には磁場がほとんどできません。すなわち、全体で一つの永久磁石として存在するときの自己エネルギーはほとんど解消できるのです。
ただし、このとき、隣接する磁区の境目では、今度はミクロな原子磁石間に働く交換相互作用(なるべく永久磁石的になろうとする効果)のエネルギーが高くなってしまいます。結局、この両者の効果のせめぎ合いの結果として、適当なサイズとパターンの磁区構造が実現することになるのです。
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この回答へのお礼

わかりやすい説明ありがとうございます。やっと磁区構造の謎が解けました。

お礼日時:2001/10/16 21:16

電子スピン間の相互作用には、量子力学的な、


交換相互作用(強磁性的)と、双極子双極子相互作用(反強磁性的、
いわゆる、SとNが引き合うという話)の二つがあります。
(他にも、擬双極子、間接(RKKY)、超交換といろいろあります)。

前者は、近いスピンに対しては非常に強い(これが働くためには
波動関数が重なり合っていることが必要なため)ので、強磁性体では
まず、隣りのスピンは、強磁性的に配列します。

すると、双極子相互作用の方はエネルギーを損する(こちらは、
反強磁性的に結合したほうが得)のですが、
双極子双極子相互作用は弱いのため、近いスピン同士が強磁性に
結合している状態に対しては「我慢」してくれます。
しかし、双極子双極子相互作用は、遠くのスピンに対しても
働くため、全部のスピンが交換相互作用で強磁性的に結合してしまう
のを見過ごしません。エネルギーは「スピンの数×相互作用の強さ」
ですから、遠距離まで働く双極子双極子相互作用は、スピンの数が
増えると、トータルでは大きくなり、交換相互作用に打ち勝って
しまいます。

これに対し、交換相互作用は、相互作用の強さ自体は非常に強い
のですが、近場のスピンのみにしか効かないため、スピンの数が
少ないのです。

よって、近場(磁区の中)は交換相互作用で、強磁性的に結合し、
ある程度、広い範囲になると、双極子双極子相互作用が効いてきて、
スピンを反強磁性的に揃えるのです。

P.S.
保磁力(外から強い磁場をかけると、全ての磁区のスピンの方向は
揃い、磁場をゼロにしても「しばらくの間」は、そのまま揃って
います)が何に依存するのか、たとえば、ピン止め効果のような
ものが存在するのか、という話は、どなたかどうぞ。
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この回答へのお礼

詳しい説明ありがとうございます。スピンが影響していたなんで思いもよりませんでした。

お礼日時:2001/10/16 21:14

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