歴史を振り返ってみると、キリスト教とイスラム教の勢力が拮抗している時代というのは結構あったように思います。
然しながら中世以降、キリスト教文明社会は大航海時代、産業革命、植民地政策という過程を経て、ついには現在のように世界のリーダーとなったように思われます。
「歴史に if はない」 と言いますが、もし中世以降の歴史をイスラム社会がリードし、その結果、たとえばサウジやイランがスペインやイギリス、あるいはその後のアメリカのような世界のリーダーの立場であったなら、二度の大戦もなかったでしょうし、今の世界地図とは全く異なる世界情勢となっていたように思います。
そこで質問なのですが、中世以降、なぜキリスト教社会が勢力を伸ばし、逆にイスラム文化圏が頭打ちの状況になったのか、お教え頂けないでしょうか?
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
現在でもイスラムの勢力は伸びています。
特にアフリカ地区で。
ただ、実際に世界のリーダーシップを取るところは、ほとんどキリスト教です。
これは、産業革命以降力を付けたヨーロッパ、アメリカの力によるところが大きいためです。
近世まで、ヨーロッパよりも、イスラム国の国々のほうが、先進国で、勢力を伸ばしていました。
それが、逆転するのは、宗教改革であったと思います。
宗教改革以前と以後では、キリスト教(特にカトリック)の考え方が、ガラリと変わります。
「異教徒は敵である」という考え方から「異教徒は宣教のたいしょうである」と変わりますし、「労働は、聖なる奉仕」から「労働による所得を認める」に変わります。
長老派(カルビン派)の出現が、大きなきっかけとなったのだと思います。
一方イスラムでは、宗教規律が、実生活をがんじがらめに縛っており、なかなか改革が進みません。
特にイスラムの大半を占めますスンニ派では、イスラム自身の改革が不可能となっています。
(スンニ派では、慣例が重要視されています)
シーア派内では、しばしば改革の声を上げる宗派が生まれましたが、他のイスラムから(特にスンニ派から)認められず、イスラム過激派になってしまったり、イスラムから離脱してしまっています。
過激派になったのが、ニザール派(アサシン暗殺団として有名)、ドルーズ派(仏教・ヒンズー的転生論を展開)、アラウィー派(現在シリアの支配層の宗教)があり、離脱した宗派は、バハイ教があります。
バハイ教は、他のイスラム宗派に弾圧され、離脱しましたが、イスラム近代化には、絶対に必要な宗派だったと思っています。
イスラム内より、バハイ教に匹敵するような宗派が現れない限り、イスラムの停滞は、免れないでしょう。
詳細な解説、有難うございました。 キリスト教社会が興隆を極めている理由には宗教改革が大きな要素となりそうですね。 勉強になりました。
No.4
- 回答日時:
回答というより意見表明に近いですが、、、
多様な個性ある人材が平等な教育環境から多数輩出されるという、資本主義社会のもとでの近代化に必須の「民主主義的な社会秩序」とキリスト教とが、相性が良かったのではないかと勝手に想像しています。
インドはずいぶん人口も多く、教育水準も高い人は高いのに、国全体としてみればそういう人がゴクゴク少数しかおらず、多くは宗教に基づく階層で分断された社会なので、ずいぶん発展が遅れているといわれてます。ヒンズーほどの階層差は無いですが、女性の能力を全く生かせないイスラム社会の発展が、キリスト社会に遅れをとるのも歴史の必然かと。
有難うございました。 なるほど、おっしゃるようにイスラム社会では女性の地位が欧米に比べてかなり低いように思いますので、その意味では女性の能力が社会の発展に利用できていない面があるかも知れませんね。 たしかにイスラム圏であるインドネシアのメガワティ大統領は女性ですが、他の中東社会では差別されたままのように思います。
どうもキリスト教社会が発展しているのには 「女性」 が大きなキーワードになりそうですね。 参考になりました。
No.2
- 回答日時:
イスラムの大国、オスマントルコは第一次大戦の当事国です。
つまりイスラムが落ち込むきっかけとなったのは第一次大戦です。
アラビアのロレンスが戦った相手ですね。
縛りの強い宗教的独裁の皇帝による大帝国であるがゆえに近代化に遅れ、有能な人材が塗要されなかったということだと思います。
第一次大戦後、トルコはアタチュルクによって近代化が進みました。
文字のアルファベット化、宗教的戒律の緩和等
現在はトルコ版のPLAYBOYもありますし、お酒も飲めます。
他のイスラム国からはよく思われていないですね。
もしもオスマントルコが世界を支配していたら・・・・
考えただけでも怖いですね。
参考URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%82%B9% …
No.1
- 回答日時:
お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!
似たような質問が見つかりました
- 歴史学 イェルサレムはキリスト教の聖地・イスラム教の聖地・ユダヤ教の聖地であると学習しました。なぜこの場所に 4 2022/04/24 22:33
- 歴史学 ディープステートの世界支配はキリスト教支配?ユダヤ教支配? 1 2022/06/01 12:50
- 歴史学 イエズス会ついて 16世紀初頭のルターからはじまる宗教改革以降、カトリックは批判された。これを背景と 3 2022/07/17 14:55
- 政治 少子化対策としてイスラームを普及させるべきではないですか? 2 2023/02/09 22:42
- 歴史学 中世初頭での歴史ですが、 西欧はなんとなくキリスト教徒や教会の世界観が漂っており、東欧のイスラーム世 5 2023/06/17 11:29
- 政治 小泉自公政権になってからも、善政・善行は何一つ行わず、悪政・悪行・犯罪・テロ・噓八百等々 1 2022/06/02 18:22
- 宇宙科学・天文学・天気 ビッグバンも無機質から有機質・単細胞・生命が誕生したも進化論も全て全くの出鱈目で 4 2022/09/15 20:50
- 宗教学 浄土宗・浄土真宗・日蓮宗・日蓮正宗・真言宗・天台宗・神道信徒等の仏教系・神道系宗教が本物 3 2023/01/10 13:57
- 歴史学 世界史Bの問題です。 問題文は「テューダー朝について論述しなさい」です。 改善すべき点をおしえてくだ 1 2022/05/25 22:34
- 歴史学 世界史Bのアイルランド自治法の論述です。 アイルランド自治法についての論述なのですが、アイルランド自 2 2022/07/05 00:06
おすすめ情報
デイリーランキングこのカテゴリの人気デイリーQ&Aランキング
-
シーア派とスンニ派はどう違うの
-
イラン・イラク戦争発端の原因
-
スペイン軍は強いですか?
-
いまだに地雷が埋まってる国て...
-
湾岸戦争って
-
アメリカが「ビンラディンのテ...
-
ロシアのウクライナ侵攻と、ア...
-
イスラム思想研究者の飯山 陽(...
-
なぜ白人は老けるのが早いので...
-
韓国は、何故、ロシアに「旭日...
-
国名の順番
-
九州沖南西の、海底油田の鉱区...
-
日本は世界一、変態の多い国っ...
-
ババ・ヴァンガの予言では 「プ...
-
ビットコイン半減期きたのにな...
-
ウクライナやイスラエルの紛争...
-
共和国とは?日本は共和国?
-
大使館と大使公邸は、その国の...
-
白紙講和とは何ですか?定義を...
-
恐れ多くも質問します。ローマ...
マンスリーランキングこのカテゴリの人気マンスリーQ&Aランキング
-
イエメンでも開戦ですか??
-
アラブ人とアラビア人の違い?
-
イスラム思想研究者の飯山 陽(...
-
シーア派とスンニ派はどう違うの
-
スペイン軍は強いですか?
-
イスラエルがやっている事は、...
-
何故ゼレンスキーは、中東系の...
-
なぜ、バルト三国は、NATOに加...
-
アメリカとイラク。サウジアラ...
-
アメリカがイラクに大量破壊兵...
-
イラクの サマワが非戦闘地域で...
-
アメリカは何故アフガン・イラ...
-
イラクの人たちはどうして仲が...
-
ロシアのウクライナ侵攻と、ア...
-
中東の紛争は長い歴史のいざこ...
-
フセイン大統領の罪名って何?
-
原爆投下の報復はいつですか?...
-
イラク人のひげ
-
自衛隊イラク派遣/PKO=国際連...
-
なぜ石油が値上がりする?
おすすめ情報