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偏光フィルターの仕組みをそれなりに調べたところ
「電場の共鳴によってカットする」と理解しました。
まずは、この理解の仕方でよいでしょうか??

もしあっているのであれば、
円偏光、楕円偏光、直線偏光のどれであっても
電場の方向次第で透過するのでしょうか??
位相がバラバラなものから直線偏光のみを取り出す方法は
世の中には存在しないのでしょうか?

偏光というものを調べていると
電場と磁場の合成ベクトルとしての「偏光」と
電場ベクトルの方向を代表させて「偏光」と言っている場合と
使われ方は様々で混乱しております。

ちなみに、今回は「合成ベクトルとしての偏光」が
偏光だということにしていただけると幸いです。

わかりやすい回答、お待ちしております

A 回答 (4件)

1) 偏光フィルターを通った光は直線偏光ですが、これは円偏光がすべてカット


された結果なのか、もしくは円偏光が直線偏光にされてしまうからなのか、
どちらなのでしょうか?
さすがに後者はないよなと思いつつ、念のため質問させていただきます。
   ↓
 ある物理量がベクトル量であるときに、そのベクトルの分解・合成がイメージ
 として掴めていますか?

 これが適切なアナロジー(相似)になっているかどうか自信はないのですが、
 例えば、ここに1次元のレールがあってその上にレール方向に摩擦なく動ける
 台車が載っているとします。この台車のおしりにレールに沿う方向に力を
 加えると、もちろん台車はレールに沿って動きますね?
 では、台車のおしりをレールと角度θをなす斜め方向から押したらどうで
 しょう? 台車はレールに束縛されてレールと直交方向には動けません(脱線
 は考えない)が、斜めの力でも押されて(レール直交方向にも押し付けられて
 いますが摩擦はないので)レール方向に動き出しますよね? このときの動き
 は、押した斜めの力をレール方向とその直交方向に分解して、レール方向の
 力だけを考えたときと同じになりますね。
 偏光子の方位に対して傾いた直線偏光や円偏光を入れた時に、偏光子を透過
 する振動=直線偏光のイメージはちょうどこんな感じではないでしょうか?

(2) 一部の偏光フィルタは波長の二分の一以下幅の「スリット」が並んでいる構造
ですが、これが「スリット」単体だと光は伝播光として通過できるのでしょうか?
 私の混乱は「スリット」一つでも偏光方向によって通過できると思い込んでいる
ことが混乱の原因なのではないかとわかってきたので、このような質問をさせて
いただきます。
   ↓
 もちろん、スリット1つでもある程度の偏光特性は持つと思います。ただし、
 不完全(反対成分もかなり抜けてくる)なはずです。通常のフラウンホーファー
 回折でも単スリット→複スリット→回折格子、で回折パターンが鮮鋭化していく
 のと同様、複数等間隔で並んでいることによる"合成効果"で、作用が完璧に
 近づくのだと思います。

(3) 偏光フィルタや波長板の構造・原理等がしっかり書いてある良い本がある
でしょうか?
   ↓
 ワイヤーグリッド偏光子の作用については、「第3・光の鉛筆」(鶴田匡夫著、
 新技術コミュニケーションズ刊)に詳しい説明があります("グリッド偏光器"
 で載っています)。
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この回答へのお礼

いろいろ答えていただきありがとうございます

1)位相のずれと電場・磁場のベクトルの傾きとを同じように考えられなかったのでこのような質問になってしまいました。位相のずれも偏光ベクトル同様にベクトルと考えて大丈夫なんですね。

2)単スリットでも偏光フィルタの効果があるようです。ご紹介いただいた「光の鉛筆」の第6の方で私も確認いたしました。まだ、完璧に理解しているわけではありませんが事実のみ確認できただけでも良かったです。

3)良い本のご紹介ありがとうございます。他人に理解させるように書かれている数少ない本の一つだと思います。専門書でも事実を書いているだけで、何かを伝えよう・教えようという気が伝わってこないものが多いですからね。まぁ、人それぞれ理解の仕方が違うので、物事を伝えたり教えたりは難しいんですけどね。


何度もお答えいただき本当にありがとうございました。
大変感謝しております。

お礼日時:2005/07/10 13:43

すみません。

m(__)m

No.2の回答で、

> ...間口が波長以下の径の穴にもある程度の深さまで...波長以下の開口を通して...

としたのはちょっと不適当でした。rankyさんが、「光は波長以下の幅を通れない」とされたのは"伝搬光"の話で、エバネッセント光のような近接場の話ではありませんでしたね。

この回答への補足

またもすばやい回答ありがとうございます
本当に感謝しております
伝播光の意味だと明記しなかったのは私もミスでした
気を使わせて申し訳ございません

偏光について理解が深まってきたと思います。
自分の混乱の源泉もわかってきた気がします。
もう少しだけ質問よろしいでしょうか?
(1) 偏光フィルターを通った光は直線偏光ですが、これは円偏光がすべてカットされた結果なのか、もしくは円偏光が直線偏光にされてしまうからなのか、どちらなのでしょうか?
さすがに後者はないよなと思いつつ、念のため質問させていただきます。

(2) 一部の偏光フィルタは波長の二分の一以下幅の「スリット」が並んでいる構造ですが、これが「スリット」単体だと光は伝播光として通過できるのでしょうか?
 私の混乱は「スリット」一つでも偏光方向によって通過できると思い込んでいることが混乱の原因なのではないかとわかってきたので、このような質問をさせていただきます。

(3) 偏光フィルタや波長板の構造・原理等がしっかり書いてある良い本があるでしょうか?

質問が三つになってしまいましたが、よろしくお願いいたします

補足日時:2005/07/05 17:12
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> それとも高分子系も含む全ての偏光子一般の話でしょうか?



不要な方向の偏光成分を除去する原理以外は、全ての偏光子一般の話として書いたつもりです。

> 光は波長以下の幅を通れない

そんなことはありません。そんな0⇔1で決めつけられる世界ではありません。間口が波長以下の径の穴にもある程度の深さまでちゃんとエネルギーは到達できますし、光近接場顕微鏡では、波長以下の開口を通して対象を見たりします。

> 「電場が縦」→「磁場が横」→通れない
> 「磁場が縦」→「電場が横」→通れない

このイメージに近いのは、FT-IRなどで用いられる赤外域用の「ワイヤーグリッド偏光子」ですね。
これは細い導体を波長以下の間隔で並べた(間隔<<波長 なので回折は生じない)ものです。
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> 「電場の共鳴によってカットする」と理解しました。



難しい表現ですね。一般に高性能な(=消光比の良い)偏光子として良く使われるグラン・テーラーやグラン・トムソンなどの石英プリズム貼り合わせ系の偏光子は、石英の複屈折性を利用して一方の偏光成分をあらぬ角度方向へ曲げてしまうもので、この概念には当てはまらないように思いますが。

> 円偏光、楕円偏光、直線偏光のどれであっても電場の方向次第で透過するのでしょうか??

入射光が偏光子の方位に直交する直線偏光(このときは何も出てこない)でない限り、どんな偏光状態の光を入れても直線偏光が透過して出てきますよ。直線偏光でも円偏光でも楕円偏光でも、色んな偏光状態の光が混じり合った自然偏光(ランダム偏光)でも、透過光は直線偏光です。

> 位相がバラバラなものから直線偏光のみを取り出す方法は世の中には存在しないのでしょうか?

先に書いたように、入射光がどんな「位相状態」でも(単独でも組合せでも)、直線偏光の透過光が得られます。互いに干渉しない光成分同士は、干渉しないままで(=複素振幅の足し算無しに=ベクトル合成無しに)バラバラのままの直線偏光で出てきます。コヒーレントな入射光同士は、その中の偏光子の方位の方向の直線偏光成分同士が干渉=複素振幅(振幅&位相)同士が足し算されて出てきます。

この回答への補足

素早い回答ありがとうございます。
大変、助かります。
結晶式については非常に納得できました。

ただ、回答いただいた偏光子(直線偏光のみがでる偏光子)は
結晶式のみの話なのでしょうか?
それとも高分子系も含む全ての偏光子一般の話でしょうか?


偏光子を、単なる物性と関係ない波長の二分の一以下幅のスリットが並んだものと考えているのがまずいのでしょうかね。
「光は波長以下の幅を通れない→縦長なら一方しか通れない」
と思い、偏光フィルターは実際にスリット構造をしていると考えておりました。
ただ、そう考えたときに
「電場が縦」→「磁場が横」→通れない
「磁場が縦」→「電場が横」→通れない
となってしまい、偏光フィルターってなんだ?という疑問に陥ってしまった気がします。

補足日時:2005/07/04 11:01
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